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  • No : 2865
  • 公開日時 : 2018/06/22 00:00
  • 更新日時 : 2023/06/04 15:14
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【アクトネル】 禁忌、合併症・既往歴等のある患者に関する注意事項について教えてください。

回答

電子添文及びインタビューフォームには、合併症・既往歴等のある患者に関する以下の記載があります。
 
■禁忌
(1)食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者
[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。][11.1.1参照](引用1、2、3)
 
(2)本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者(引用1、2、3)
 
(3)低カルシウム血症の患者
[血清カルシウム値が低下し低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがある。](引用1、2、3)
 
(4)服用時に立位あるいは坐位を30分以上保てない患者[7.、11.1.1参照](引用1、2、3)
 
(5)妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照](引用1、2、3)
 
(6)高度な腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:約30mL/分未満)のある患者[9.2.1、16.6.1参照](引用1、2、3、4)
 
注:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
 
■特定の背景を有する患者に関する注意
(7)嚥下困難がある患者又は食道、胃、十二指腸の潰瘍又は食道炎等の上部消化管障害がある患者
食道通過の遅延又は上部消化管粘膜刺激による基礎疾患の悪化をきたすおそれがある。(引用5、6、7)
 
(8)高度腎機能障害患者
・投与しないこと。クレアチニンクリアランス値が約30mL/分未満の患者では排泄が遅延するおそれがある。[2.6、16.6.1参照](引用4、8、9、10)
・国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、骨粗鬆症の治療にビスホスホネート系薬剤を使用した腎機能障害患者のうち、特に、高度な腎機能障害患者(eGFRが30mL/分/1.73m2未満)で、腎機能が正常の患者と比較して低カルシウム血症(補正血清カルシウム値が8mg/dL未満)のリスクが増加したとの報告がある。(引用8、9、10、11)
 
(9)中等度又は軽度の腎機能障害患者
排泄が遅延するおそれがある。[16.6.1参照](引用12、13、14)
 
(10)生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。(引用15、16、17)
 
(11)妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡並びに胎児の骨化遅延等がみられている。[2.5参照](引用18、19、20)
 
(12)授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母動物(ラット)へ投与後授乳された乳児への移行がわずかに認められている。(引用21、22、23)
 
(13)小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(引用24、25、26)
 
注:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
 

【引用】
1)アクトネル錠2.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 2.禁忌
2)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 2.禁忌
3)アクトネル錠75mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 2.禁忌
4)D. Y. Mitchell et al.: Br. J. Clin. Pharmacol. 2000; 49 : p215-222 [ACL-0001]
5)アクトネル錠 2.5mg 添付文書 2023 年1 月改訂(第 3 版) 9 .特定の背景を有する患者に関する注意 9 .1 合併症・既往歴等のある患者 9. 1.1 嚥下困難がある患者又は食道、胃、十二指腸の潰瘍又は食道炎等の上部消化管障害がある患者
6) アクトネル錠 17.5mg 添付文書 2023 年1 月改訂(第 3 版) 9 .特定の背景を有する患者に関する注意 9 .1 合併症・既往歴等のある患者 9. 1.1 嚥下困難がある患者又は食道、胃、十二指腸の潰瘍又は食道炎等の上部消化管障害がある患者
7) アクトネル錠 75mg 添付文書 2023 年1 月改訂(第 3 版) 9 .特定の背景を有する患者に関する注意 9 .1 合併症・既往歴等のある患者 9. 1.1 嚥下困難がある患者又は食道、胃、十二指腸の潰瘍又は食道炎等の上部消化管障害がある患者
8)アクトネル錠2.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.1高度腎機能障害患者
9)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.1高度腎機能障害患者
10)アクトネル錠75mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.1高度腎機能障害患者
11)MID-NET®を用いた調査結果の概要(MID-NET®を用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査):www.pmda.go.jp/files/000249186.pdf
12)アクトネル錠2.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.2中等度又は軽度の腎機能障害患者
13)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.2中等度又は軽度の腎機能障害患者
14)アクトネル錠75mg 電子添文2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.2中等度又は軽度の腎機能障害患者
15)アクトネル錠2.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.4生殖能を有する者
16)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.4生殖能を有する者
17)アクトネル錠75mg 電子添文2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.4生殖能を有する者
18)アクトネル錠2.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.5妊婦
19)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意9.5妊婦
20)アクトネル錠75mg 電子添文2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意9.5妊婦
21)アクトネル錠2.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.6授乳婦
22)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意9.6授乳婦
23)アクトネル錠75mg 電子添文2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意9.6授乳婦
24)アクトネル錠2.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7小児等
25)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意9.7小児等
26)アクトネル錠75mg 電子添文2023年1月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意9.7小児等
 
【更新年月】
2023年5月

 

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