電子添文には皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群:SJS)、多形紅斑の副作用(疾患共通)について以下の記載があります。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.1.6 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)(引用1)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群:SJS)、多形紅斑の発現状況、注意事項及び対処法は以下の通りです。
■発現状況(引用2)
乳癌および悪性軟部腫瘍患者を対象とした国内および外国臨床試験(各試験開始~2015年10月16日)において、SJSおよび多形紅斑は報告されておりません。
<乳癌>
乳癌患者を対象とした国内の自発報告(2011年7月19日~2015年11月30日)において、重篤なSJSが3例報告され、転帰は軽快が1例および回復が2例でした。
乳癌患者を対象とした外国の自発報告(各国販売後~2015年10月16日)において、重篤なSJSが3例および重篤な多形紅斑が1例報告されました。SJSの転帰は、回復が1例および不明が2例でした。多形紅斑の転帰は回復が1例でした。
症例概要
SJSの経過(60歳代 女性、原疾患:再発乳癌、既往歴および合併症なし)
■投与前の注意事項※(引用2、3)
医薬品を服用し、皮疹や呼吸器症状・肝機能障害などを認めたことがある患者には注意して本剤を投与してください。
■投与中の注意事項※(引用2、3)
発熱(38℃以上)、粘膜症状(結膜充血、口唇びらん、咽頭痛、陰部びらん、排尿排便時痛)、多発する紅斑(進行すると水疱・びらんを形成)の発現に注意して下さい。
■SJS、多形紅斑が発現した場合※(引用2、3)
異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行ってください。
※:「重篤副作用疾患別対応マニュアル スティーヴンズ・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)」厚生労働省、平成18年11月(平成29年6月改定)から抜粋、改変
【引用】
1)ハラヴェン静注1mg電子添文2022年1月改訂(第1版) 11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.6 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
2)【手術不能又は再発乳癌】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド II重大な副作用とその対策 6.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群:SJS)、多形紅斑 p17-18(DI-J-806)
3)【悪性軟部腫瘍】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド III重大な副作用とその対策 6.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群:SJS)、多形紅斑 p24-25(DI-J-779)
【更新年月】
2024年9月
【図表あり】
KW:ざ瘡様皮疹、発赤、表皮剥離