hhcホットライン (平日9時~18時 土日・祝日9時~17時)
フリーダイヤル0120-419-497
Eisai hhc hotline Product Q&A
キーワードまたは文章で検索できます(200文字以内)
Q&A検索
キーワードの間に半角スペースを入れるとAND検索になります。
キーワードの間に"|"を入れるとOR検索になります。
キーワードの間に" -"を入れるとハイフンの後ろのキーワードを除外して検索します。
Drug Information
使用期限検索
  • 文字サイズ変更
  • S
  • M
  • L
PAGE TOP
  • No : 19008
  • 公開日時 : 2024/01/23 18:42
  • 更新日時 : 2024/02/27 12:02
  • 印刷

【フィコンパ・点滴静注】 用法及び用量の設定理由を教えてください。

【フィコンパ・点滴静注】 
 
用法及び用量の設定理由を教えてください。
 
カテゴリー : 

回答

総合製品情報概要には、用法及び用量の設定理由について以下の記載があります。(引用1)
臨床第Ⅰ相バイオアベイラビリティ試験(外国試験、050試験)においてペランパネル注射剤投与時にペランパネル錠剤投与時と同程度以上の曝露量(Cmax及びAUC)となったこと、臨床第II相試験(国内試験、240試験)においてペランパネル錠剤とペランパネル注射剤との切り替え時のてんかん発作頻度に明らかな変化が認められなかったことから、経口製剤の代替療法としての本剤の有効性は期待され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられ、ペランパネル点滴静注製剤はペランパネルの経口投与時に準じた用法及び用量にて承認されました。
 
■12歳以上の小児および成人の投与時間について
【050試験】
日本人を含む健康成人48例(日本人18例)を対象に、クロスオーバー法によりペランパネル注射剤12mg を単回点滴静脈内投与(投与時間30分、60分または90分)又はペランパネル錠剤12mgを絶食下で単回経口投与したときの血漿中濃度の薬物動態パラメータを調べたところ、経口投与時と比較して30分間または60分間点滴静脈内投与時のCmaxは注射剤において錠剤より30分投与群と60分投与群がそれぞれ61%高値及び35%高値を示し、それぞれの90%信頼区間は下記の表の通りであったことから生物学的同等性の基準を満たしませんでした。
AUC(0-t)及びAUC(0-inf)の幾何平均値の比及びその90%信頼区間は下記の表の通りであり、30分投与群及び60分投与群のいずれにおいても、それぞれの90%信頼区間が80~125%以内であったことから生物学的同等性の基準を満たしました。90分投与群は参考として少数例で実施し、注射剤投与時のCmax、AUC(0-t)及びAUC(0-inf)は下記の表の通りでした。
 
(引用2、3)
 
注)経口製剤の部分発作(単剤療法)の用法及び用量は、以下の通りです。
通常、成人及び4歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後2週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。維持用量は1日1回4~8mgとする。
なお、症状により2週間以上の間隔をあけて2mg 以下ずつ適宜増減するが、1日最高8mg までとする。
 
ペランパネル注射剤12mgを単回点滴静脈内投与したときの外国人健康成人に対する日本人健康成人の薬物動態パラメータを比較したところ、外国人に対する日本人の幾何平均値の比はAUC(0-t)で93.70%(90%信頼区間:71.19%~123.34%)、AUC(0-inf)で79.56%(90%信頼区間:59.83%~105.81%)でした。また、Cmaxについて投与時間ごとに比較した結果、外国人に対する日本人の幾何平均値の比は、30分投与群で99.29%(90%信頼区間:70.08%~140.67%)、60分投与群で98.75%(90%信頼区間:85.77%~113.69%)、少数例の比較ですが90分投与群で81.58%(90%信頼区間:44.28%~150.27%)でした。
 
上記の050試験及び048試験(ペランパネル懸濁剤と錠剤の生物学的同等性試験)の薬物動態データを用いて構築した母集団薬物動態モデルに基づくシミュレーションにおいて、ペランパネルの経口反復投与時に対するペランパネルの30分静脈内反復投与時のCmaxの幾何平均値の比の90%信頼区間は概ね生物学的同等性の基準の範囲内になると推定されたこと(引用4)、また患者負担軽減の観点から、臨床第II相試験(国内試験、240試験)のペランパネル注射剤の投与時間を30分間と設定しました。
*ペランパネル懸濁液は国内未承認
 
■注射剤を経口製剤の代替療法とした際の安全性及び忍容性
【240試験】
ペランパネル8~12mg を継続的に経口投与している部分発作(二次性全般化発作を含む)または強直間代発作を有するてんかん患者21例を対象に、本薬錠剤から同一用量の本薬注射剤へ切り替えを行いました。
 
観察期(錠剤)、治療期(注射剤)及びフォローアップ期(錠剤)における有害事象の発現割合は、それぞれ3/21例(14.3%)、15/21例(71.4%)、並びに6/21例(28.6%)でした。注射剤投与開始後(治療期開始後)に認められた全有害事象のうち、発現割合が最も高かった事象は浮動性めまい6/21例(28.6%)であり、次いで傾眠及び感覚鈍麻が各3/21例(14.3%)の発現割合が高くなっていました。また、浮動性めまい、傾眠、感覚鈍麻の治療期(注射剤投与)における発現割合はそれぞれ28.6%(6/21例)、14.3%(3/21例)、9.5%(2/21例)(以下同順)であり、いずれも錠剤を投与した観察期(4.8%、0%、4.8%)及びフォローアップ期(4.8%、0%、4.8%)に比べて高くなっていました。治療期(注射剤投与)において、注射部位局所の有害事象として注射部位疼痛、注射部位発疹、並びに注射部位小水疱が各1例(4.8%)に認められました。
 
錠剤から注射剤の30分間点滴静脈内投与に切り替えた際、4日間の注射剤投与日(Day1~ Day4)における血漿中ペランパネル濃度は投与終了直後に最高値Cmaxを示すと考えられ、錠剤(Day-1)のCmaxに対する比は、用量8mg の被験者群で1.03~1.16、10mg 群で1.33~1.39、12mg群で1.21~1.35でした。また、全被験者の平均値は1.17~1.25でした。したがって、錠剤から注射剤に切り替えることで血漿中ペランパネル濃度のCmax は上昇するものの、顕著な変化ではないことが示唆されました。また、ペランパネルの用量間で上昇の程度に明確な違いは認められませんでした。
 
同一用量別の血漿中ペランパネル濃度について、錠剤を投与したDay-1 における投与前値と、注射剤の点滴静脈内投与に切り替えたDay1~Day4における投与前値を比較したところ、比較した結果は下記の表の通りであった。したがって、錠剤から注射剤への切り替えを行っても血漿中ペランパネル濃度のトラフ濃度は一定に保たれることが示唆されました。
 
 (引用5、6)
 
部分発作(二次性全般化発作を含む)又は強直間代発作を有するてんかん患者に対して、ペランパネル錠剤から注射剤の30分間静脈内持続投与に切り替えた前後における、部分発作(二次性全般化発作を含む)の1日あたりの発作頻度の中央値は、観察期(錠剤)、治療期(注射剤)及びフォローアップ期(錠剤)でそれぞれ0.30(範囲:0.0~2.5)、0.00(範囲:0.0~2.6)及び0.09(範囲:0.0~0.9)でした。また強直間代発作の1日あたりの発作頻度は下記の表の通りでした。
 
 (引用7)
 
以上より、錠剤から注射剤への切り替えを行っても血漿中ペランパネル濃度に顕著な変化は示唆されず、注射部位に関連する有害事象を除き、本薬の錠剤と注射剤で発現状況が大きく異なる傾向は認められませんでした。
 
■小児の投与量、投与時間について
小児に対してペランパネル注射剤を投与した臨床試験成績は得られていない中での推定ではあるものの12歳以上の小児と成人でペランパネル経口製剤投与時の曝露量、有効性及び安全性に大きな差異はないことが確認されていること(引用6)を踏まえると、12歳以上の小児において成人と同一の用法及び用量を設定することは可能であること。
 
4歳以上12歳未満の小児は、ペランパネル経口製剤投与時に成人及び12歳以上の小児と比較して曝露量が高くなる傾向が認められたこと(引用8)から、注射剤投与時の曝露量が臨床試験で有効性及び安全性が確認されている経口製剤投与時の曝露量と同程度となるように投与時間を長く設定することにより、注射剤において経口製剤と同様の有効性及び安全性が期待できること。
 
以上より、ぺランパネル注射剤について12歳以上小児と成人の本薬経口製剤と同じ用法及び用量とした上で、4歳以上12歳未満の小児については投与時間を90分と設定する用法及び用量が設定されました。
 
【関連情報】
6. 用法及び用量(引用9)
ペランパネルの経口投与から本剤に切り替える場合:
〈部分発作(二次性全般化発作を含む)に用いる場合〉
[単剤療法][併用療法]
通常、成人及び4歳以上の小児にはペランパネル経口投与と同じ1日用量を、1日1回30分以上かけて点滴静脈内投与する。ただし、4歳以上12歳未満の小児への投与時間は90分とする。
 
〈強直間代発作に用いる場合〉
[併用療法]
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネル経口投与と同じ1日用量を、1日1回30分以上かけて点滴静脈内投与する。
 
ペランパネルの経口投与に先立ち本剤を投与する場合:
〈部分発作(二次性全般化発作を含む)に用いる場合〉
[単剤療法]
通常、成人及び4歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの投与より開始し、その後2週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増し、維持用量は1日1回4~8mgとし、30分以上かけて点滴静脈内投与する。
ただし、4歳以上12歳未満の小児への投与時間は90分とする。
 
[併用療法]
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの投与より開始し、その後1週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増し、本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回4~8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとし、30分以上かけて点滴静脈内投与する。
通常、4歳以上12歳未満の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの投与より開始し、その後2週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増し、本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回4~8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとし、90分かけて点滴静脈内投与する。
 
〈強直間代発作に用いる場合〉
[併用療法]
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの投与より開始し、その後1週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増し、本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとし、30分以上かけて点滴静脈内投与する。
 
ペランパネルの経口投与から本剤に切り替える場合、及びペランパネルの経口投与に先立ち本剤を投与する場合のいずれにおいても、症状により適宜増減できるが、1日最高投与量及び増減方法は以下のとおりとすること。
〈部分発作(二次性全般化発作を含む)に用いる場合〉
[単剤療法]
成人及び4歳以上の小児には、2週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減し、1日最高8mgまでとする。
 
[併用療法]
成人及び12歳以上の小児には、1週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減し、1日最高12mgまでとする。
4歳以上12歳未満の小児には、2週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減し、1日最高12mgまでとする。
 
〈強直間代発作に用いる場合〉
[併用療法]
成人及び12歳以上の小児には、1週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減し、1日最高12mgまでとする。
 

【引用】
1)フィコンパ錠2mg・錠4mg・細粒1%・点滴静注用2mg総合製品情報概要 臨床成績 5. 臨床第I相バイオアベイラビリティ試験(外国試験、050試験)の臨床成績 P65‐66 (FYC1001ISG)
2)フィコンパ錠2mg・錠4mg・細粒1%・点滴静注用2mg総合製品情報概要 臨床成績 5. 臨床第I相バイオアベイラビリティ試験(外国試験、050試験)の臨床成績 P72 (FYC1001ISG)
3)(承認時評価資料): 臨床第I相バイオアベイラビリティ試験(外国試験、050試験) [FYC-0651]
4)社内資料:健康被験者を対象としたペランパネル錠剤及び注射剤の母集団薬物動態解析
5)フィコンパ錠2mg・錠4mg・細粒1%・点滴静注用2mg総合製品情報概要 臨床成績 6. 臨床第II相試験(国内試験、240試験)の臨床成績 P80 (FYC1001ISG)
6)(承認時評価資料): 臨床第II相試験(国内試験、240試験) [FYC-0650]
7)フィコンパ錠2mg・錠4mg・細粒1%・点滴静注用2mg総合製品情報概要 臨床成績 6. 臨床第II相試験(国内試験、240試験)の臨床成績 P81 (FYC1001ISG)
8)フィコンパ錠、細粒 審査結果報告書(令和元年12月4日)
9)フィコンパ点滴静注用2mg電子添文 2024年1月作成(第1版) 6. 用法及び用量
 
【作成年月】
2024年1月

 

アンケート:ご意見をお聞かせください