●総合製品情報概要には、臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、335試験)の臨床成績に関して以下の記載があります。(引用1、2)
◆臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、335試験)の臨床成績
~部分発作を有するてんかん患者を対象とした併用試験~
(承認時評価資料:臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、335試験)部分発作を有するてんかん患者を対象とした併用試験 FYC-0019)
■試験概要
●目的
部分発作を有するてんかん患者を対象に、他剤併用時におけるペランパネル(4mg、8mg、12mg)の有効性及び安全性を評価すること。
●対象
12歳以上の部分てんかん患者(710例)
[ペランパネル群529例(日本人患者185例)、プラセボ群175例(日本人患者60例)]
参加国:日本、中国、韓国、オーストラリア、マレーシア、台湾、タイ
参加施設数:119施設 実施期間:2012年5月~2015年8月(1年データカットオフにおける最終被験者の来院日)
●試験デザイン
●評価項目(主なもの)
有効性評価項目
主要評価項目(検証的評価項目)
観察期からの治療期における28日間あたりの発作頻度変化率
副次評価項目
・全部分発作の観察期からの治療維持期(LOCF*)における28日間あたりの発作頻度50%減少達成率
・複雑部分発作と二次性全般化発作を合せた発作の観察期からの治療維持期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度50%減少達成率(サブグループ解析)
・二次性全般化発作の観察期からの治療維持期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度50%減少達成率(サブグループ解析)
・医師による全般改善度評価
*LOCF(Last Observation Carried Forward analysis: 欠測データを直近の先行観測値で補完する解析方法)
安全性評価項目
有害事象、臨床検査(血液生化学検査、血液学的検査、尿検査)、バイタルサイン(血圧、脈拍数、体温)、体重、12誘導心電図、C-SSRS、退薬症状調査
[有効性]
■観察期からの治療期における28日間あたりの発作頻度変化率
(ITT解析対象例)(主要評価項目〈検証的評価項目〉)
治療期における全部分発作の発作頻度変化率の中央値は、プラセボ群−10.76%、4mg群−17.32%、8mg群−28.95%、12mg群−38.03%でした。8mg群及び12mg群ではプラセボ群に対する有意な差が認められ、優越性が検証されました(p=0.0003及び p<0.0001;rank ANCOVA)。8mg 群及び12mg 群のプラセボ群に対する優越性が検証されたため、解析計画に従い実施した4mg群とプラセボ群の比較においては有意な差は認められませんでした(p=0.2330;rank ANCOVAa)。また、ペランパネル投与各群とプラセボ群との中央値の差bは、4mg群(−5.09%)、8mg群(−16.45%)、12mg群(−24.95%)でした(Hodges-Lehmann法)。
[安全性]
■主な副作用(ペランパネル群全体における発現率2%以上のPT、安全性解析対象例)
Core Studyにおいて、副作用*は531例中306例(57.6%)に認められました。
ペランパネル群の全体で発現頻度の高かった主な副作用は、浮動性めまい161例(30.3%)、傾眠87例(16.4%)、
易刺激性20例(3.8%)、疲労16例(3.0%)、頭痛16例(3.0%)でした。
*治験薬との因果関係が否定できない有害事象。副作用基本語(PT)別の副作用例数には、一人の被験者が複数の副作用を発現した場合の重複した数が含まれています。
■死亡に至った有害事象(安全性解析対象例)
本試験において、治験薬投与後に認められた死亡例は2例(プラセボ群1例、8mg群1例)報告されました。プラ
セボ群の1例は心突然死であり、8mg群の1例の死因は特定できませんでした。いずれの死亡も治験薬との因
果関係は否定されました。
■重篤な副作用・投薬中止に至った副作用(安全性解析対象例)
重篤な副作用は707例中8例(1.1%)に認められました。ペランパネル群で認められた重篤な副作用は531例中7例(1.3%)であり、攻撃性が2例(0.4%)、自殺企図、自傷念慮、てんかん重積状態、てんかん、急性精神病が各1例(0.2%)でした。
投与中止に至った副作用は707例中52例(7.4%)に認められました。ペランパネル群で認められた投与中止に至った副作用は531例中50例(9.4%)であり、複数例認められた副作用は、浮動性めまい15例(2.8%)、易刺激性、攻撃性が各7例(1.3%)、傾眠5例(0.9%)、悪心4例(0.8%)、運動失調3例(0.6%)、異常行動、痙攣、自殺企図、不安、平衡障害、発疹が各2例(0.4%)でした。
●総合製品情報概要には、臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、311試験)の臨床成績に関して以下の記載があります。(引用3、4)
◆臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、311試験)の臨床成績
~小児てんかん患者(4歳以上12歳未満)を対象とした併用試験~
オープンラベル非対照試験(承認時評価資料:臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、311試験)小児てんかん患者(4歳以上12歳未満)を対象とした併用試験 FYC-0445)
■試験概要
●目的
小児てんかん患者(4歳以上12歳未満)における他剤併用時のペランパネルの安全性及び忍容性を検討する。
日本においては、小児における部分発作に対する有効性を従前の12歳以上を対象とした試験結果(335試験)(引用2)と比較する形で評価する。
●対象・症例数(評価例数)
コントロール不十分な部分発作又は強直間代発作※1を伴う小児てんかん患者(4歳以上12歳未満)180例
[日本人65例、白人93例、その他アジア人6例、その他・不明16例]
参加国:日本、米国、フランス、スペイン、ハンガリー、ポーランド、ベルギー、韓国、ラトビア
参加施設:日本22施設を含む計58施設
実施期間:2016年11月~2019年2月
※1:海外試験における強直間代発作コホート31例が含まれています。強直間代発作コホートの有効性の結果については、本薬の本邦における承認審査の対象ではないため記載していません。
●試験デザイン
●評価項目
・安全性評価項目
有害事象、臨床検査(血液生化学検査、血液学的検査、尿検査)、バイタルサイン(血圧、脈拍数、呼吸数、体温)、12誘導心電図、身体所見、神経学的検査、成長及び発育(体重、身長、甲状腺機能及びインスリン様成長因子-1[IGF-1])、認知機能検査、A-B neuropsychological assessment schedule(ABNAS)、子どもの行動チェックリスト(CBCL)及びLafayette Grooved Pegboard Test(LGPT)を用いた視覚運動能の検査、C-SSRS(同意/アセント時6歳以上の被験者)、脳波(覚醒状態及び睡眠状態)TEAE(treatment-emergent adverse event)の部分集団解析(全集団及び日本人集団の発現時用量別、発現時期別、年齢別、Inducer併用の有無別)(サブグループ解析)
・有効性評価項目
主要評価項目
設定なし(主目的は、小児てんかん患者(4歳以上12歳未満)における他剤併用時のペランパネルの安全性及び忍容性の検討)
副次評価項目(主なもの)
・投与前期からの治療期(LOCF*)における28日間あたりの発作頻度変化率
・患者背景別(年齢区分別、Inducer併用有無別)の投与前期から治療維持期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度変化率(サブグループ解析)
・投与前期からの治療維持期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度50%減少達成率
・投与前期からの治療維持期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度100%減少達成(seizure free)率
・患者背景別(年齢区分別、Inducer 併用有無別)の投与前期からの治療維持期(LOCF) における28日間あたりの発作頻度50%減少達成率(サブグループ解析)
・患者背景別(年齢区分別、Inducer併用有無別)の投与前期からの治療維持期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度100%減少達成(seizure free)率(サブグループ解析)
・日本人集団における投与前期からの治療期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度変化率(サブグループ解析)
・日本人集団における患者背景別(年齢区分別)の投与前期からの治療期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度変化率(サブグループ解析)
*LOCF(Last Observation Carried Forward analysis:欠測データを直近の先行観測値で補完する解析方法)
[有効性]
※強直間代発作コホートの有効性の結果については、本薬の本邦における承認審査の対象ではないため記載していません。
■投与前期からの治療期(LOCF)における28日間あたりの発作頻度変化率
(FAS全集団)(副次評価項目)
治療期における発作頻度変化率の中央値は、部分発作コホートの部分発作で−40.11%〔95%信頼区間:−52.55%、−31.38%〕、二次性全般化発作サブセットの二次性全般化発作で−58.65%〔−70.17%、−48.85%〕でした。
[安全性]
■主な副作用
(全集団の2%以上のPT、安全性解析対象例)
Core Study及び継続投与期Aにおいて、副作用*は180例中124例(68.9%)に認められました。主な副作用は、傾眠40例(22.2%)、浮動性めまい23例(12.8%)、易刺激性21例(11.7%)でした。
日本人集団においては副作用は65例中34例(52.3%)に認められ、主な副作用は、傾眠18例(27.7%)、浮動性めまいと易刺激性各11例(16.9%)でした。
*治験薬との因果関係が否定できない有害事象。副作用基本語(PT)別の副作用例数には、一人の被験者が複数の副作用を発現した場合の重複した数が含まれています。
※全集団の全体数には、海外試験における強直間代発作コホート31例が含まれています。
■死亡に至った有害事象(安全性解析対象例)
本試験のCore Studyにおいて、死亡例が1例認められました。
当該症例は4歳、男性、部分発作コホートであり、Inducer(オクスカルバゼピン)併用例でした。本薬8mgの最終投与翌日に死亡し、死因はウイルス性心筋炎でした。治験薬との因果関係は関連なしと判断されています。
■重篤な副作用・投与中止に至った副作用(安全性解析対象例)
全集団※のCore Study及び継続投与期において、重篤な副作用は180例中9例(5.0%)に認められました。重篤
な副作用は、痙攣発作2例(1.1%)、小発作てんかん、てんかん、群発発作、運動失調、認知障害発作、歩行障害、構語障害、重篤気分調整症、傾眠、幻視が各1例(0.5%)でした。
投与中止に至った副作用は180例中20例(11.1%)に認められました。
投与中止に至った副作用は、攻撃性、易刺激性が各3例(1.7%)、運動失調、平衡障害、痙攣発作が各2例(1.1%)、
異常行動、怒り、不安、精神緩慢、認知障害、重篤気分調整症、浮動性めまい、薬疹、構語障害、疲労、認知障害発作、歩行障害、幻視、気分変化が各1例(0.5%)でした。
※ 全集団の全体数には、海外試験における強直間代発作コホート31例が含まれています。
【効能又は効果】
・てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
・他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法
【用法及び用量】(一部抜粋)
・部分発作(二次性全般化発作を含む)に用いる場合
[併用療法]
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後1週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回4~8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとする。なお、症状により1週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減するが、1日最高12mgまでとする。通常、4歳以上12歳未満の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後2週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回4~8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとする。なお、症状により2週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減するが、1日最高12mg までとする。
・強直間代発作に用いる場合
[併用療法]
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mg の就寝前経口投与より開始し、その後1週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとする。なお、症状により1週間以上の間隔をあけて2mg以下ずつ適宜増減するが、1日最高12mgまでとする。
【引用】
1)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%・点滴静注用2㎎総合製品情報概要 臨床成績 3. 臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、335試験)の臨床成績 p45(FYC1001KSG)
2)承認時評価資料:臨床第Ⅲ相試験(日本を含む国際共同試験、335試験)部分発作を有するてんかん患者を対象とした併用試験 [FYC-0019]
3)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%・点滴静注用2㎎総合製品情報概要 臨床成績 2. 臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、311試験)の臨床成績 p25(FYC1001KSG)
4)承認時評価資料:臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、311試験)小児てんかん患者(4歳以上12歳未満)を対象とした併用試験 [FYC-0445]
【更新年月】
2024年10月