電子添文には、易刺激性・攻撃性・敵意に関して以下の記載があります。
8.重要な基本的注意(引用1)
8.1 易刺激性、攻撃性・敵意、不安、自殺企図等の精神症状があらわれ、自殺に至った例も報告されているので、本剤投与中及び投与終了後一定期間は患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。
8.2 患者及びその家族等に易刺激性、攻撃性・敵意、不安、幻覚(幻視、幻聴等)、妄想、せん妄、自殺企図等の精神症状発現の可能性について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うように指導すること。
8.4 本剤を増量した場合に易刺激性、攻撃性・敵意、不安等の精神症状、運動失調(ふらつき)等が多く認められ、特に本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン)を併用しない患者では多く認められるため、患者の状態を慎重に観察すること。
11.副作用
11.1 重大な副作用
11.1.1 攻撃性等の精神症状(引用2)
易刺激性(6.8%)、攻撃性(3.5%)、不安(1.5%)、怒り(1.1%)、幻覚(幻視、幻聴等)(0.6%)、妄想(0.3%)、せん妄(頻度不明)等の精神症状があらわれることがある。
適正使用ガイドには、対処法に関して以下の記載があります。(引用3)
■対処法
・易刺激性や攻撃性などが見られた場合には、症状に応じて減量あるいは投与中止等の適切な処置を行うこと。
・特に小児では攻撃性の発現に注意すること。
・易刺激性や攻撃性等のリスクについて家族等に十分に説明するとともに、兆候が認められた場合には医師に連絡するよう指導すること
【関連情報】
適正使用ガイドには、敵意・攻撃性に関して以下の記載があります。(引用5)
4.敵意・攻撃性
■有害事象の発現状況
国内試験(231試験、233試験)及び日本人を含む国際共同試験(335試験、332試験)の4試験の併合集計において、敵意・攻撃性関連有害事象の全集団における発現状況、年齢別発現状況、日本人集団における発現状況及びInducer併用有無別の発現状況をそれぞれ表に示した。
敵意・攻撃性関連事象の発現は、プラセボ群と比較して本剤群で高く、また、Inducer併用なしで高い傾向が認められた。敵意・攻撃性関連事象を患者の年齢別に解析した結果、特に攻撃性については成人と比較して18歳未満の患者で発現が高い傾向が見られており、小児では攻撃性に注意が必要と考えられた。
また、小児てんかん患者(4歳以上12歳未満)を対象とした併用療法の臨床第III相試験(311試験)及び部分発作を有する未治療のてんかん患者を対象とした単剤療法の臨床第III相試験(342試験)において、発現状況をそれぞれ表に示した。342試験では他の試験と比較して低く、311試験では他の試験と比較して高い傾向がみられた。
【引用】
1)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%電子添文 2024年2月改訂(第5版) 8. 重要な基本的注意 8.1、8.2、8.4
2)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%電子添文 2024年2月改訂(第5版) 11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.1 攻撃性等の精神症状
3)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%・点滴静注用2㎎ 適正使用ガイド VIII.フィコンパの注意すべき有害事象/副作用とその対策 4.敵意・攻撃性 p30 (DI-J-974)
【更新年月】
2024年10月
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