添付文書及びインタビューフォームには、薬物相互作用に関する以下の記載があります。
■併用禁忌とその理由
設定されていない。(引用1)
■併用注意(併用に注意すること)(引用2)
表中の番号は添付文書の各項目を示しています。
■薬物相互作用
・抗てんかん薬
(1)他の抗てんかん薬に対するルフィナミドの影響
母集団薬物動態解析の結果より、ルフィナミド併用によるカルバマゼピン、ラモトリギン、フェノバルビタール及びフェニトインの血漿中濃度の変動は21%以内であった。また、フェニトインの血漿中濃度を7~21%上昇させると予測されたが、フェニトインは非線形性の薬物動態を示すため、フェニトインの血漿中濃度はモデル予測値を上回る可能性がある。なお、トピラマート及びバルプロ酸への影響は認められなかった(外国人データ)。(引用3、4)
(2)ルフィナミドに対する他の抗てんかん薬の影響
母集団薬物動態解析の結果より、カルバマゼピン、フェニトイン、プリミドン及びフェノバルビタールは、ルフィナミドの血漿中濃度を低下させることが示された。一方、バルプロ酸は、ルフィナミドの血漿中濃度を上昇させ、特に30kg未満の患者において、85%まで上昇させる可能性がある。なお、ラモトリギン、トピラマート及びベンゾジアゼピン系の薬剤の影響は認められなかった(外国人データ)。(引用3、5)
・トリアゾラム
健康成人21例にルフィナミド800mg/日注)を1日2回に分けて11日間食後に反復経口投与し、最終投与時にトリアゾラム0.25mgを食後併用投与したとき、単独投与時と比較してトリアゾラムのCmax及びAUC はそれぞれ24%及び36%低下した(外国人データ)。(引用6、7)
・オランザピン
健康成人男性19例にルフィナミド800mg/日注)を1日2回に分けて11日間食後に反復経口投与し、最終投与時にオランザピン5mgを食後に併用投与したとき、単独投与時と比較してオランザピンのCmax及びAUC に影響は認められなかった(外国人データ)。(引用7、8)
・経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg及びノルエチステロン1mg合剤)
健康成人女性24例に経口避妊薬(1日1回)及びルフィナミド1600mg/日注)を1日2回に分けて14日間食後に反復経口投与したとき、ルフィナミド併用時のエチニルエストラジオールのCmax及びAUCは、ルフィナミド非併用時と比較してそれぞれ31%及び22%低下した。一方、ノルエチステロンのCmax及びAUC は、それぞれ18%及び14%低下した(外国人データ)。(引用7、9)
・In vitro 試験
ルフィナミドのカルボキシエステラーゼによる代謝はバルプロ酸により阻害される可能性が示された。(引用10、11)
注) 国内での承認用法及び用量と異なる。
【関連情報】
バルプロ酸ナトリウムとの併用により本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤の投与の際には、慎重に症状を観察しながら増量してください。体重30.0kg未満の患者では体重30.0kg以上の患者よりも大きな影響が認められているため特に注意してください。(引用12)
【引用】
1)イノベロン錠100mg・錠200mgインタビューフォーム 2020年5月改訂(第5版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 7.相互作用 (1)併用禁忌とその理由
2)イノベロン錠100mg・錠200mg添付文書 2019年9月改訂(第1版) 10.相互作用 10.2併用注意
3)イノベロン錠100mg・錠200mg添付文書 2019年9月改訂(第1版) 16.7薬物相互作用 16.7.1抗てんかん薬
4)社内資料:併用抗てんかん薬の母集団薬物動態解析(2013年3月25日承認、CTD 2.7.2.3.2.4.3) [INO-0008]
5)社内資料:ルフィナミドの母集団薬物動態解析(2013年3月25日承認、CTD 2.7.2.3.2.4.2) [INO-0009]
6)イノベロン錠100mg・錠200mg添付文書 2019年9月改訂(第1版) 16.7薬物相互作用 16.7.2トリアゾラム
7)Perucca, E. et al.: Epilepsia, 2008;49(7):1123-1141 [INO-0010] (本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
8)イノベロン錠100mg・錠200mg添付文書 2019年9月改訂(第1版) 16.7薬物相互作用 16.7.3オランザピン
9)イノベロン錠100mg・錠200mg添付文書 2019年9月改訂(第1版) 16.7薬物相互作用 16.7.4経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg及びノルエチステロン1mg合剤)
10)イノベロン錠100mg・錠200mg添付文書 2019年9月改訂(第1版) 16.7薬物相互作用 16.7.5In vitro 試験
11)Williams, E. T. et al.: Drug Metab. Lett., 2011;5(4):280-289 [INO-0011] (本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
12)イノベロン錠100mg・錠200mg添付文書 2019年9月改訂(第1版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.2
【更新年月】
2020年9月