電子添文及びインタビューフォームには、重要な基本的注意として以下の記載があります。
(1)脳梗塞患者への投与にあたっては、他の血小板凝集を抑制する薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと。(引用1)
(2)長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。(引用2)
(3)川崎病の急性期に対して投与する場合には、適宜、肝機能検査を行い異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。(引用3)
【関連情報】
(解説)
(3)川崎病では、アスピリン治療時にしばしば血清トランスアミナーゼ値の上昇等の肝機能障害がみられることが報告されており、川崎病自体の肝機能障害の他に、アスピリンによる肝機能障害が指摘されている。
厚生省川崎病研究班(代表:草川三治)により、川崎病患児345例を対象とする川崎病の急性期治療に対するアスピリン療法、フルルビプロフェン療法及びプレドニゾロン+ジピリダモール療法の3療法群を比較したプロスペクティブ研究が行われ、入院時にAST(GOT)50KU未満のアスピリン群80例(肝機能障害によって登録取り消しとなった6例を含む)、フルルビプロフェン群79例、プレドニゾロン+ジピリダモール群83例のうち、アスピリン群45%、フルルビプロフェン群25%、プレドニゾロン+ジピリダモール群20%がAST(GOT)50KU以上となったことから、アスピリンが最も肝機能障害を起こしやすいと結論された。(引用4、5)
【引用】
1)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 8.重要な基本的注意 8.1
2)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 8.重要な基本的注意 8.2
3)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 8.重要な基本的注意 8.3
4)バファリン配合錠A81インタビューフォーム 2022年5月改訂(改訂第7版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 5.重要な基本的注意とその理由
5)草川三治 他: 日本小児科学会雑誌. 1983 ; 87 (12) : 2486-2491 [BF-0014]
【更新年月】
2022年6月