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【ハラヴェン・手術不能又は再発乳癌】
重大な副作用「末梢神経障害(末梢性ニューロパチー)」について教えてください。
目次
● 投与中は、観察を十分に行い、しびれなどの症状が認められた場合には、減量や休薬などの適切な処置を行ってください。(引用1)
国内臨床試験(221試験)、外国臨床試験(201、211、305試験)において、末梢神経障害が下表の通り認められました。また、重篤と判断されたのは、外国臨床試験での5例でした。
なお、投与前の末梢神経障害の発現状況や前治療歴の種類により、末梢神経障害が発現しやすくなったり、より高いGradeのものが発現するという傾向はみられませんでした。(引用1)
(KW:錯感覚、末梢性運動ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチー、多発ニューロパチー、末梢性感覚運動ニューロパチー)
末梢神経障害が発現するまでの期間の中央値は、国内臨床試験(221試験)では投与開始39.1週後、外国臨床試験(201、211、305試験)では投与開始23.4週後でした。(引用1)
外国臨床試験(201、211、305試験)において、末梢神経障害が投与前までに回復するまでの期間の中央値は、最終投与日から8.1週後でした。
なお、末梢神経障害による投与中止は、国内臨床試験(221試験)では1例、外国臨床試験(201、211、305試験)では47例(5.7%)でした。(引用1)
乳癌患者を対象とした国内使用成績調査で末梢神経障害を発現した174例について、処置薬投与の有無、本剤の投与状況および転帰についてGrade別に示しました。(引用1)
※末梢神経障害のうち同一症例で複数回発現している場合は、Gradeの最も高いものを抽出した
末梢神経障害が認められた場合には、下図を参考に必要に応じて、投与を延期または休薬してください。(引用1)
ハラヴェンの長期投与に伴う末梢神経障害の発現に蓄積毒性は認められませんでした。
● ハラヴェンは神経細胞の軸索に作用して神経障害を発症します。
● ハラヴェンは微小管に結合して微小管伸長を抑制することで抗腫瘍効果を発揮しますが、その結合部位はパクリタキセルとは異なります。(引用3)
現在、末梢神経障害が発症した場合の治療法は確立されていませんが、国内第II相試験(221試験)と使用成績調査(HAL01調査)では以下のような薬剤が使用されていました。(引用4)
1)【手術不能又は再発乳癌】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド II 重大な副作用とその対策 p9-11 (DI-J-642)
2)【手術不能又は再発乳癌】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド VI Q&A p41 (DI-J-642)
3)ハラヴェン静注1mg適正使用情報<末梢神経障害> 作用機序 p17 (DI-J-631)
4)ハラヴェン静注1mg適正使用情報<末梢神経障害> 処置3 p16 (DI-J-631)