電子添文には、合併症・既往歴等のある患者様に関する以下の記載があります。
■禁忌
(1)本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者(引用1)
(2)重篤な血液障害のある患者[血液障害を悪化させることがある。](引用2)
■特定の背景を有する患者に関する注意
(3)腎機能障害患者
作用が強くあらわれやすい。[8.2参照]注(引用3)
(4)肝機能障害患者
作用が強くあらわれやすい。[8.2参照]注(引用4)
(5)妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎盤を通過することが報告されており、本剤を妊娠中に投与された患者において、口唇裂等を有する児を出産したとの報告がある。また、新生児に離脱症状又は鎮静症状が認められたとの報告がある。(引用5)
(6)授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中に移行することが報告されている。(引用6、7)
(7)高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。(引用8)
注:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
【関連情報】
(解説)
(1)過敏症の既往歴のある患者では、再投与によって重篤な過敏症を引き起こす可能性がある。(引用9)
(2)本剤の副作用として、再生不良性貧血、白血球減少、好酸球増多等の血液障害が報告されており、血液障害を悪化させることがある。(引用9)
(5)胎盤を通過することが報告されており、本剤を妊娠中に投与された患者において、奇形を有する児(口唇裂等)を出産したとの報告がある。また、新生児に離脱症状又は鎮静症状が認められたとの報告がある。(引用7、10)
(6)ヒト母乳中に移行することが報告されている。(引用7、11)
<参考>(外国のデータ)
妊娠中又は授乳中にエトスクシミドによる治療を受けたてんかんの女性患者10名と、その新生児13名について検討したところ、新生児/産婦のエトスクシミド血中濃度比は0.97±0.02(n=7)であった。
新生児の血中濃度半減期は32~38時間(n=3)であった。エトスクシミドを服用している授乳婦における乳汁中/血漿中のエトスクシミド濃度比は0.86±0.08(n=12)であった。授乳を受けている新生児の定常状態の血中濃度は、15~40μg/mLであり、対応する母親の血中濃度は28~84μg/mLであった。また、新生児2名に、口唇裂等の奇形が認められた。これらの母親はエトスクシミドとフェノバルビタールあるいはプリミドンの併用投与を受けていた。新生児4名に鎮静作用、5名に離脱症状が認められた。これらの症状のあった新生児7名のうち6名の母親は、エトスクシミドのほかにフェノバルビタール、プリミドンなど、他の抗てんかん薬による治療を受けていた。
【引用】
1)エピレオプチマル散50%電子添文 2022年1月改訂(第1版) 2.禁忌 2.1
2)エピレオプチマル散50%電子添文 2022年1月改訂(第1版) 2.禁忌 2.2
3)エピレオプチマル散50%電子添文 2022年1月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者
4)エピレオプチマル散50%電子添文 2022年1月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.3肝機能障害患者
5)エピレオプチマル散50%電子添文 2022年1月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.5妊婦
6)エピレオプチマル散50%電子添文 2022年1月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.6授乳婦
7)Kuhnz W. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol.18(5),p671-677, 1984[EO-0085]
8)エピレオプチマル散50%電子添文 2022年1月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.8高齢者
9)エピレオプチマル散50%インタビューフォーム 2022年1月改訂(改訂第8版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由
10)エピレオプチマル散50%インタビューフォーム 2022年1月改訂(改訂第8版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (5)妊婦
11)エピレオプチマル散50%インタビューフォーム 2022年1月改訂(改訂第8版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (6)授乳婦
【更新年月】
2022年8月