電子添文には、妊婦への投与について以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(引用1)
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの妊娠及び授乳期間中に投与したとき、一般状態の悪化の認められる用量(3mg/kg/日以上)で分娩及び哺育状態の異常、死亡産児数の増加、出生率及び生存率の減少、10mg/kg/日で出生児に体重抑制と形態分化の遅延がみられ、妊娠ウサギに投与したとき、体重及び摂餌量の減少が認められる用量(10mg/kg)で、早産がみられた。
インタビューフォームには生殖発生毒性試験について、以下の記載があります。
生殖発生毒性試験(引用2)
ペランパネルによるラットでの受胎能・初期胚発生試験、ラット及びウサギでの胚・胎児発生(EFD)試験、ラットでの出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験を実施した。
ラットでの受胎能・初期胚発生試験において、中枢神経症状及び体重への影響が認められた30mg/kgで性周期の延長、不規則化及び連続発情休止期がみられたが、受胎能及び初期胚発生には影響はみられなかった。ラット及びウサギの胚・胎児発生(EFD)試験では、1、3mg及び10mg/kgを投与した結果、母動物の毒性用量(3及び10mg/kg)でも胎児発育への影響は認められなかった。ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験では、1、3、及び10mg/kgを投与した結果、1mg/kg以上で薬理作用に基づく中枢神経症状がみられ、さらに3mg/kg以上では、体重及び摂餌量の減少、分娩及び哺育状態の異常がみられた。出生児では、3mg/kg以上で死亡産児数の増加、出生率及び生後4日生存率の減少、10mg/kgで体重増加抑制及び出生児の形態分化の遅延がみられたが、出生児の行動及び生殖機能への影響はみられなかった。
また、幼若動物での毒性は、ラット及びイヌを用いて評価した。幼若ラットでは、生後7日齢より12週間経口投与し、その後4週間の回復期間を設定した。投与量は、1、3mg/kg及び3/10/30mg/kg(漸増投与)とした。3mg/kg以上で薬理作用に基づく臨床症状、摂餌量の減少、及び成長遅延(体重、頭臀長、大腿骨及び脛骨長の低値)が認められた。これはペランパネルによる直接的な影響ではなく、薬理作用に起因した中枢神経症状に伴う離乳前の哺乳時間の減少、及び離乳後の摂餌量の減少に基づく二次的な影響と考えられた。臓器毒性はみられず、神経行動機能検査及び生殖機能検査にも変化はみられなかった。幼若イヌにおける試験では、生後日齢より33週間経口投与し、その後4週間の回復期間を設けた。投与量は、1、5mg/kg及び5/10mg/kg(漸増投与)とした。薬理作用に基づく中枢神経症状が用量と相関して認められたが、体重、成長、中枢神経系の発達(行動及び神経学的検査)に変化はみられなかった。(引用3)
【引用】
1)フィコンパ点滴静注用2mg 電子添文 2024年1月作成(第1版)9. 特定の背景を有する患者に関する注意9.5妊婦
2)フィコンパ点滴静注用2mgインタビューフォーム 2024年2月作成(第1版) IX. 非臨床試験に関する項目 2.毒性試験 (5)生殖発生毒性試験
3)社内資料:ペランパネルの生殖発生毒性試験(2016年3月28日承認、CTD 2.6.6.6) [FYC-0046]
【作成年月】
2024年2月