電子添文及びインタビューフォームには、小児への投与に関する以下の記載があります。
(1)小児等に本剤を使用する場合、小児等の不整脈治療に熟練した医師が監督すること。[5.3参照]注1(引用1)
(解説)
治療を必要とする小児の不整脈という疾患の重篤性や、本剤使用に関する日本でのエビデンスは非常に限られており検討された症例数が少ないことから、上記のとおり記載した。(引用2)
(2)特に乳幼児に使用する場合には十分注意すること。母乳及び乳製品の摂取により、本薬の吸収が抑制され、有効性が低下するおそれがある。また、母乳及び乳製品の摂取中止時には、本薬の血中濃度の上昇に十分注意すること。[8.6、16.1.2参照]注1(引用3)
(解説)
海外の一例報告において、母乳摂取時と非摂取時でフレカイニドの血清中濃度を比較すると、母乳摂取時は非摂取時に比べて血清中濃度が低かったとの報告があること、また乳児用調整粉乳等の乳製品でも本薬の吸収を抑制する可能性は否定できないことから、上記のとおり記載とした。(引用2)
【関連情報】
■母乳摂取中止時の血中濃度
発作性上室性頻拍の新生児1名において、フレカイニド酢酸塩25mgを6時間ごとに経口投与(40mg/kg/日注2)した際の投与2時間後の血清中濃度を、母乳摂取下及び非摂取下で比較すると、母乳摂取下では990ng/mLであったが、母乳非摂取下では1,824ng/mLに上昇したとの報告がある。[8.6、9.7.2参照]注1(引用4、5)
注1:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
注2:本剤の承認された用量は、成人は通常1日100-200mg、小児の1日最高用量は200mg/m2(体表面積)である。
【引用】
1)タンボコール錠50mg・錠100mg・細粒10%電子添文 2021年12月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7小児等 9.7.1
2)タンボコール錠50mg・錠100mg・細粒10%インタビューフォーム 2022年9月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (7)小児等
3)タンボコール錠50mg・錠100mg・細粒10%電子添文 2021年12月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7小児等 9.7.2
4)タンボコール錠50mg・錠100mg・細粒10%電子添文 2021年12月改訂(第1版) 16.薬物動態 16.1血中濃度 16.1.2母乳摂取中止時の血中濃度
5)Russell,G.A.B. et al.:Arch. Dis. Child. 64(6),p860-862(1989) [TMB-0624]
【更新年月】
2023年2月