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  • No : 17990
  • 公開日時 : 2022/11/11 20:16
  • 更新日時 : 2024/12/06 15:36
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【アザクタム】 静脈内注射においては、どのくらいの投与時間、投与速度で行えばよいですか?

【アザクタム】 

静脈内注射においては、どのくらいの投与時間、投与速度で行えばよいですか?
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回答

投与時間、投与速度の規定はありません。
電子添文には、薬剤投与時の注意に関する以下の記載があります。
 
14.適用上の注意
14.2薬剤投与時の注意(引用1)
<静脈内注射>
14.2.1静脈内大量投与により血管痛、静脈炎、灼熱感を起こすことがあるので、これを予防するために注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射の速度はできるだけ遅くすること。
 
ご参考として、各種疾患の文献に記されているアザクタムの投与方法(希釈方法と投与時間)は、以下になります。
[成人]
・Pharmacokinetics and Safety of Azthreonam in Healthy Japanese Volunteers健常成人 薬物動態試験(引用2)
1gを250mL生食水で溶解し、1時間点滴
・呼吸器感染症に対するAztreonamとCefoperazoneとの薬効比較試験成績(引用3)
1回1g、生食もしくは5%ぶどう糖液100~300mLに溶解し、約1時間点滴、1日2回投与
・造血器腫瘍に続発する重症感染症に対するAztreonamの臨床効果の検討(引用4)
1回1gないし2g、生食水か5%ぶどう糖液250mLに溶解、1時間点滴、1日2回投与
・複雑性尿路感染症に対するAztreonamとCefoperazoneの比較検討(引用5)
1回1g、生食水か5%ぶどう糖液100~300mL 1時間かけて点滴、1日2回投与 
[小児]
・Aztreonamの基礎的、臨床的検討に関する小児科領域総合評価(引用6)
通常1回投与量を体重1Kgあたり20mgとし、1日3~4回靜注、又は30分~1時間の点滴静注
<参考(解析対象:267例)>
●患児の年齢分布
1歳未満:50例(18.7%)、1~6歳未満:128例(47.9%)、6歳~12歳未満:77例(28.8%)、12歳以上:12例(4.5%)
●1日投与量
17~39mg:5例(1.9%)、40~59mg:32例(12.0%)、60~79mg:110例(41.2%)、80~99mg:83例(31.1%)、100~119mg:15例(5.6%)、120~400mg:22例(8.2%)、
 
・Aztreonamの薬物動態と投与計画に関する解析(引用7)
1~14歳までの小児感染症の患児を対象として1回30㎎/kgを8時間間隔で30分かけて急速点滴静注(但し、1症例20㎎/kg投与あり)
 
電子添文には、用法及び用量に関する以下の記載があります。
6.用法及び用量(引用8)

 
通常、成人には、1日1~2g(力価)を2回に分けて静脈内注射、点滴静注又は筋肉内注射する。ただし、通常、淋菌感染症及び子宮頸管炎には、1日1回1~2g(力価)を筋肉内注射又は静脈内注射する。
通常、小児には、1日40~80mg(力価)/kgを2~4回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、難治性又は重症感染症には、成人では1日量4g(力価)まで増量し2~4回に分けて投与し、小児では1日量150mg(力価)/kgまで増量し3~4回に分けて投与する。
通常、未熟児、新生児には、1回20mg(力価)/kgを生後3日までは1日2回、4日以降は1日2~3回静脈内注射又は点滴静注する。
 
【関連情報】
■PK-PD理論に基づくアザクタムの用法及び用量の設定に関して(引用9)
βラクタム薬に位置づけられるAZTはPK-PDパラメータにおいて、時間依存性に分類される薬剤です。
時間依存性抗菌薬は、血中濃度がMICを上回っている時間(Time above MIC※1※2が多いほど効果が高まる特徴があります。
菌種によっては、MIC値から1日の投与回数を増やす方がPK-PD理論上効果的となります。
※1 MIC(最小発育阻止濃度):抗菌力を示す指標で、対象菌の発育を抑制するのに必要な抗菌薬の最小の濃度
※2 Time above MIC:薬剤の血中薬物濃度がMICを超える時間の割合
 

【引用】
1)アザクタム注射用0.5g・1g電子添文 2024年6月改訂(第2版) 14.適用上の注意 14.2薬剤投与時の注意 14.2.1
2)Nakashima M et al.:臨床薬理,1985;16(2):409-416 [AZT-0045]
3)斉藤 篤ら:感染症学雑誌,1985;59(11):1084-1120 [AZT-0289]
4)沢田博義ら:Prog.Med,1985;5(S.2):2015-2020 [AZT-0151](エーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
5)大森弘之ら:Jpn.J.Antibiot.,1986;39(1):24-56 [AZT-0292]
6)藤井良知ら:Jpn.J.Antibiot.,1985;38(11):3195-3216 [AZT-0268]
7)川崎平八郎ら:Jpn.J.Antibiot.,1989;42(6):1271-1278 [AZT-0513]
8)アザクタム注射用0.5g・1g電子添文 2024年6月改訂(第2版) 6.用法及び用量
9)日本環境感染学会教育ツールVer.3(感染対策の基本項目改訂版) 09.抗菌薬の適正使用
効果的な抗菌薬の使用(2)
www.kankyokansen.org/modules/education/index.php?content_id=5 (最終閲覧日:2024年9月19日)
 
【更新年月】
2024年12月

 
KW:静脈、点滴、投与方法

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