薬物乱用に対する影響を外国103試験(外国人データ)において検討し、電子添文に以下の記載があります。
17. 臨床成績
17.1.2 臨床薬理試験
(4)薬物乱用に対する影響(103試験)(引用1)
健康成人の薬物乱用経験者(39例)に本剤10、20※1又は30※1㎎を投与したとき、本剤の薬物嗜好性及びその他の乱用傾向に関する主観的評価は、プラセボより高く、ゾルピデム※230mg及びスボレキサント※340mgと同程度であった。
■薬物乱用に対する影響(健康成人)[外国103試験](外国人データ) (引用2、3)
目的:健康成人薬物乱用経験者(依存性なし)を対象に、レンボレキサントを単回経口投与後の薬物乱用傾向をDrug Liking VASの最大効果(Emax)を指標としてプラセボを対照に評価する。
対象:健康成人(18~50歳)の薬物乱用経験者(依存性なし)39例
試験方法:適格性確認期に、陽性対照(ゾルピデム酒石酸塩及びスボレキサント)及びプラセボを被験者が区別できることを確認した。投与期に、レンボレキサント10mg 群、20mg群※1、30mg群※1、ゾルピデム30mg群※2、スボレキサント40mg群※3又はプラセボ群を6つの投与順序のいずれかに無作為に割り付け、一晩(8時間以上)絶食後に単回経口投与し、各投与期の治験薬投与前日(Day-1)から投与後72時間(Day4)までの間に複数回にわたり評価を行った。各投与期の間は、14日以上のウォッシュアウト期間を設けた。
評価項目
薬力学評価項目:
<主要解析>
Drug Liking VASの最大効果(Emax)
安全性評価項目:
有害事象、臨床検査、バイタルサイン、心電図、身体所見
解析方法
経時測定クロスオーバー型混合効果モデルを用いて解析した。モデルには、投与、時点、投与順序及び1次の持ち越し効果(該当する場合)を固定効果、ベースライン値(投与前値)を共変量(該当する場合)、被験者を変量効果に含めた。ただし、持ち越し効果がα=0.25の条件下で有意でなかった場合、モデルに含めないこととした。各モデルに基づき、投与と投与の差異に関する最小二乗平均値、標準誤差、95%信頼区間及びp値を算出した。
結果:デエビゴ各用量群のEmax(平均値)はそれぞれ78.4、80.5、83.6であり、プラセボ群57.8と比較して有意差が認められた(p=0.995、p=0.999、p=1.000)※4。一方、デエビゴ各用量群とゾルピデム群及びスボレキサント群のいずれの比較においても有意差は認められなかった。
※1:承認用法及び用量は「通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。」である。
※2:ゾルピデム酒石酸塩の用法及び用量
通常、成人にはゾルピデム酒石酸塩として1回5~10mgを就寝直前に経口投与する。なお、高齢者には1回5mgから投与を開始する。年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日10mgを超えないこととする。
※3:スボレキサントの用法及び用量
通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。
※4:H0:μデエビゴの各用量-μプラセボ≧11、Ha:μデエビゴの各用量-μプラセボ<11
p値が0.05を超える場合に、デエビゴとプラセボの差(デエビゴの各用量-プラセボ)が11以上である(デエビゴの各用量がプラセボに比べ有意に大きい)ことを示す。
安全性評価項目:
有害事象発現率は、プラセボ群38.9%(14/36例)、ゾルピデム群97.1%(34/35例)、スボレキサント群91.2%(31/34例)、レンボレキサント10mg群94.6%(35/37例)、20mg群97.1%(33/34例)、30mg群97.1%(34/35例)であった。
主な有害事象は、プラセボ群では傾眠16.7%(6/36例)、頭痛8.3%(3/36例)、ゾルピデム群では傾眠85.7%(30/35例)、複視28.6%(10/35例)、スボレキサント群では傾眠85.3%(29/34例)、頭痛8.8%(3/34例)、レンボレキサント各群(以下、10mg、20mg、30mgの順)では傾眠(91.9%[34/37例]、88.2%[30/34例]、97.1%[34/35例])、頭痛(16.2%[6/37例]、17.6%[6/34例]、8.6%[3/35例])であった。
試験期間中、重篤な有害事象、死亡例、投与中止に至った有害事象はなかった。
【引用】
1)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 17.臨床成績 17.1.2.臨床薬理試験 (4)薬物乱用に対する影響(103試験)
2)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mgインタビューフォーム 2024年2月改訂(第9版) Ⅴ.治療に関する項目5. 臨床成績 (2)臨床薬理試験 4)薬物乱用に及ぼす影響
3)社内資料:外国103試験 CTD2.7.6.14 [DVG-0021]
【更新年月】
2024年5月