妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。
電子添文には、妊婦への投与について以下のように記載されています。
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦(引用1)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。
【関連情報】
インタビューフォームには以下の記載があります。
■妊婦(引用2)
(解説)
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
非臨床(ラット及びウサギ)の試験において、臨床曝露量と比べて極めて高い曝露量で妊婦、胎児並びに出生児に対する毒性が認められた。ラットにおいては、母動物に著しい毒性が認められる極めて高い用量(臨床曝露量の388倍、ラット投与量として600mg/kg)で催奇形性も認められたが、別施設で実施した同様の試験では再現性は認められず、さらにウサギにおいては催奇形性は認められなかった。いずれも極めて高用量でのみ認められた所見であるが、本剤投与による潜在的リスクを完全に否定することは困難であることから、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとした。
■生殖発生毒性試験(引用3)
雄ラットの受胎能及び初期胚の発生に関する試験では、1,000mg/kgまで毒性学的に意義のある所見はみられなかった。雌ラットの受胎能及び初期胚の発生に関する試験では、1,000mg/kgにおいて投与期間中に体重減少、体重増加抑制及び摂餌量の減少がみられた。レンボレキサントの薬理作用(オレキシン受容体拮抗作用)に基づく変化として、1,000mg/kgで黄体数、着床数及び生存胎児数の減少、100mg/kg以上で性周期の不規則化と受胎率の低下がみられた。雌ラットの一般状態及び初期胚の発生に関する無毒性量は100mg/kg、受胎能に関しては30mg/kgであった。
レンボレキサントは、ラットの600mg/kgで催奇形性を示し、臍帯ヘルニア及び口蓋裂を含む胎児の外表異常並びに膜性部心室中隔欠損が観察された。この用量では、母動物に活動性の低下、摂餌量の減少及び体重減少がみられたことから、母動物の毒性用量と考えられた。なお、別途実施した追加試験において催奇形性は再現しなかった。これらの結果から、ラットの胚・胎児発生の無毒性量は200mg/kgと考えられた。レンボレキサントは、ウサギにおいては催奇形性を示さなかった。
出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験では、300mg/kgで母動物に体重減少、体重増加抑制及び摂餌量の減少がみられた。300mg/kgでは、第一世代(F1)出生児に体重の低値、大腿骨長の低値、聴覚性驚愕反応の低下及び最大反応振幅までの潜時の延長傾向がみられた。聴覚性驚愕反応の低下は、体重の低値に関連すると考えられた。母動物の一般毒性及びF1出生児の成長に関する無毒性量は100mg/kg、母動物の生殖能及びF1出生児のその他の測定項目の無毒性量は300mg/kgであった。(引用4)
【引用】
1)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.5妊婦
2)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mgインタビューフォーム 2024年2月改訂(第9版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意(5)妊婦
3)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mgインタビューフォーム 2024年2月改訂(第9版) IX.非臨床試験に関する項目2.毒性試験 (5)生殖発生毒性試験
4)社内資料:生殖発生毒性試験(2020 年 1 月 23 日承認,CTD2.6.6.6)[DVG-0064]
【更新年月】
2024年5月
KW:出産、周産期、妊産婦