電子添文及びインタビューフォームには、川崎病に対する基本的な注意について、以下の記載があります。
川崎病の急性期に対して投与する場合には、適宜、肝機能検査を行い異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。(引用1)
【関連情報】
(解説)
川崎病では、アスピリン治療時にしばしば血清トランスアミナーゼ値の上昇等の肝機能障害がみられることが報告されており、川崎病自体の肝機能障害の他に、アスピリンによる肝機能障害が指摘されている。
厚生省川崎病研究班(代表:草川三治)により、川崎病患児345例を対象とする川崎病の急性期治療に対するアスピリン療法、フルルビプロフェン療法及びプレドニゾロン+ジピリダモール療法の3療法群を比較したプロスペクティブ研究が行われ、入院時にAST(GOT)50KU未満のアスピリン群80例(肝機能障害によって登録取り消しとなった6例を含む)、フルルビプロフェン群79例、プレドニゾロン+ジピリダモール群83例のうち、アスピリン群45%、フルルビプロフェン群25%、プレドニゾロン+ジピリダモール群20%がAST(GOT)50KU以上となったことから、アスピリンが最も肝機能障害を起こしやすいと結論された。(引用2、3)
【引用】
1)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 8.重要な基本的注意 8.3
2)バファリン配合錠A81インタビューフォーム 2022年5月改訂(改訂第7版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 5.重要な基本的注意とその理由
3)草川三治 他: 日本小児科学会雑誌. 1983 ; 87 (12) : 2486-2491 [BF-0014]
【更新年月】
2022年6月