作用部位・作用機序(引用1、2)
サフィナミドは、選択的かつ可逆的なMAO-B阻害作用を有し、内因性及びレボドパ製剤由来のドパミンの脳内濃度を高める。このMAO-B阻害作用がサフィナミドの主要な作用機序と考えられる。また、サフィナミドは非ドパミン作動性作用(電位依存性ナトリウムチャネル阻害作用を介するグルタミン酸放出抑制作用)を併せ持つと考えられる。
1.MAO-Bに対する阻害作用(in vitro)(引用3)
サフィナミドのMAO-Bに対する阻害作用はヒト脳でIC50=79nM、ラット脳でIC50=98nMであり、MAO-A阻害作用よりヒト脳で約1000倍、ラット脳で約6000倍強かった。また、サフィナミドのMAO-B阻害作用は可逆的であった。
2.MAO-Bに対する阻害作用(ラット)(引用3)
サフィナミド経口投与1時間後の脳内MAO-B阻害のED50値は1.1mg/kgであったが、MAO-Aに対しては60mg/kgでも影響しなかった。サフィナミド5mg/kgの経口投与では、脳内MAO-B阻害率は1時間後に79%、24時間後に13%であり、サフィナミドが可逆的で選択的なMAO-B阻害薬である可能性が考えられた。
3.電位依存性ナトリウムチャネル阻害作用(in vitro)(引用3)
静止状態のチャネルと不活性化状態のチャネルに対するサフィナミドのIC50値に違いがみられ、サフィナミドは電位依存性ナトリウムチャネルを活動状態依存的に阻害した。
4.グルタミン酸放出に対する作用(ラット)(引用3)
サフィナミドの腹腔内投与は、サフィナミド単独では海馬におけるグルタミン酸放出量に影響を及ぼすことなく、veratridine(ナトリウムチャネル開口薬)注)が誘発するグルタミン酸放出を投与1時間後のピーク値から71%低下し、有意差が認められた。
注)国内未承認薬
【引用】
1)エクフィナ錠50mg総合製品情報概要 薬効薬理 p45(EQF1005DSG)
2)社内資料:薬理作用(CTD2.5.1.3)[EQF-0039]
3)社内資料:薬効薬理試験(CTD2.6.2.2)[EQF-0035]
【更新年月】
2022年12月