製品特性は以下になります。(引用1)
1.ケアラムは、国内で創製、開発され抗リウマチ剤です。
2.作用機序として、転写因子Nuclear Factor κB(NFκB)の活性化を阻害します。
3.薬理作用は、単球/マクロファージ及び滑膜細胞に直接作用し、TNFα、IL-1β、IL-6等の炎症性サイトカインの産生を抑制し 、またB 細胞に直接作用し、免疫グロブリン(IgG、IgM)の産生を抑制しました。(in vitro)
4.臨床効果は、単剤試験、メトトレキサート(MTX)併用試験(MTX効果不十分例)において有効性が認められました。
5.副作用は、承認時までに実施された本剤単独投与の臨床試験では、副作用(臨床検査値の変動を含む)は
798例中462例(57.89%)に認められました。承認時までに実施された本剤とメトトレキサート(6~8mg/週)併用投与の臨床試験では、副作用(臨床検査値の変動を含む)は232例中136例(58.62%)に認められました(投与52週後)。
重大な副作用として、肝機能障害(0.49%)、黄疸(0.10%)、汎血球減少症(0.10%)、無顆粒球症 (頻度不明)、白血球減少(0.10%)、消化性潰瘍(0.68%)、間質性肺炎(0.29%)、感染症(0.19%)が報告されています。
【関連情報】
臨床効果(引用2)
1)単剤療法
(第III相臨床試験:多施設共同二重盲検並行群間比較試験)
1.プラセボ対照二重盲検比較試験(優越性の検証)
関節リウマチ患者において主要評価項目(検証的評価項目)である投与28週時のACR20反応率はケアラム群53.8%(71/132例)、プラセボ群17.2%(11/64例)で、プラセボ群に対するケアラム群の優越性が検証されました(P<0.001 Fisherの直接確率法)。
2.サラゾスルファピリジン対照二重盲検比較試験(非劣性の検証)
関節リウマチ患者において主要評価項目(検証的評価項目)である投与28週時のACR20反応率はケアラム群63.1%(65/103例)、サラゾスフファピリジン群57.7%(60/104例)で、サラゾスルファピリジン群に対するケアラム群の非劣性が検証されました(P=0.257 Fisherの直接確率法)。
2)メトトレキサート(MTX)併用療法
(第III相臨床試験:プラセボ対照比較試験)
MTX単剤投与にて効果不十分な関節リウマチに対する経口DMARD上乗せ併用における国内初の有効性のエビデンスを有しており、主要評価項目(検証的評価項目)である24週時のケアラム+MTX群のACR20反応率は、ケアラムへの切り替え群(プラセボ+MTX→ケアラム+MTX)に比べて有意に高いことが検証されました(P<0.001 Fisherの直接確率法)
副作用(引用1)
1)本剤単独投与時
承認時までに実施された本剤単独投与の臨床試験では、副作用(臨床検査値の変動を含む)は798例中462例(57.89%)に認められました。
主なものは、ALT(GPT)増加148例(18.55%)、AST(GOT)増加132例(16.54%)、γ-GTP増加86例(15.72%、547例中)、Al-P増加119例(14.91%)、NAG増加72例(9.02%)、尿中β2ミクログロブリン増加59例(7.39%)、総胆汁酸増加22例(5.71%、385例中)、腹痛44例(5.51%)、発疹41例(5.14%)等でした。
2)メトトレキサート(6~8mg/週)との併用試験
承認時までに実施された本剤とメトトレキサート(6~8mg/週)併用投与の臨床試験では、副作用(臨床検査値の変動を含む)は232例中136例(58.62%)に認められました(投与52週後)。
主なものは、AST(GOT)増加27例(11.64%)、ALT(GPT)増加27例(11.64%)、リンパ球減少21例(9.05%)、鼻咽頭炎19例(8.19%)、血中鉄減少19例(8.19%)、γ-GTP増加16例(6.90%)、尿中β2ミクログロブリン増加 13例(5.60%)等でした。
なお、本試験での本剤・メトトレキサート併用群及びメトトレキサート単剤群の副作用(臨床検査値の変動を含む)は、それぞれ164例中85例(51.83%)及び88例中29例(32.95%)に認められました(投与24週後)。
【引用】
1)ケアラム錠25mg特定項目製品情報概要 「関節リウマチの薬物治療に単剤および併用のエビデンスがあるcsDMARD」 p1(CRM1002JSG)
2)ケアラム錠25mg特定項目製品情報概要 「関節リウマチの薬物治療に単剤および併用のエビデンスがあるcsDMARD」 p3-8(CRM1002JSG)
【更新年月】
2023年4月