電子添文には、合併症・既往歴等のある患者に関する以下の記載があります。
■禁忌
(1)出血している患者(消化管出血、尿路出血、後腹膜出血、頭蓋内出血、喀血)[出血をさらに助長し、止血が困難になるおそれがある。](引用1)
(2)出血を起こすおそれの高い以下の患者[出血を惹起し、止血が困難になるおそれがある。]
・ 頭蓋内あるいは脊髄の手術又は障害を受けた患者(2カ月以内)
・ 頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤のある患者
・ 出血性素因のある患者
・ 重篤な高血圧症患者(引用2)
(3)デフィブロチドナトリウムを投与中の患者[10.1参照]注(引用3)
■特定の背景を有する患者に関する注意
(1)合併症・既往歴等のある患者
1)出血するおそれがある以下の患者
出血を惹起するおそれがある。
・ 大手術、臓器生検、血管穿刺(動注療法、動脈穿刺等)後日の浅い患者(10日以内)
・ 外傷後日の浅い患者(10日以内)
・ 脳血管障害の既往歴のある患者
・ 消化管潰瘍、消化管の憩室炎、大腸炎のある患者
・ 活動性結核のある患者
・ 月経期間中の患者
・ 糖尿病性出血性網膜症又は他の出血性眼疾患のある患者(引用4)
2)左心房内血栓の疑いのある患者(心房細動を伴う僧帽弁狭窄症患者等)
脳塞栓を惹起するおそれがある。(引用5)
3)亜急性細菌性心内膜炎又は急性心膜炎のある患者
脳塞栓又は心?液貯留を惹起するおそれがある。(引用6)
4)脳梗塞のある患者
出血性脳梗塞を惹起するおそれがある。(引用7)
5)本剤又は蛋白製剤に対して過敏症の既往歴のある患者(引用8)
注:文中の番号は電子添文の項目を示しています。
【関連情報】
(解説)
■禁忌
(1)本剤の血栓溶解作用により、出血をさらに助長し、止血が困難になるおそれがあるため、出血を合併している患者は禁忌とした。(引用9)
(2)本剤の血栓溶解作用により、出血を惹起し、止血が困難になるおそれがあるため、予後不良な重篤な出血をきたしやすい危険因子を有する患者は禁忌とした。(引用9)
(3)デフィブロチドナトリウムは、凝固・線溶系の各種因子に影響すると考えられ、本剤を含む血栓溶解剤との併用により血栓溶解剤の作用を増強し出血リスクを増大させるおそれがあるためデフィブロチドナトリウム投与中の患者への投与を禁忌と設定した。(引用9)
■特定の背景を有する患者に関する注意
(1)合併症・既往歴等のある患者
1)本剤の血栓溶解作用により、出血を惹起するおそれがある。(引用10)
2)本剤の血栓溶解作用により、左心房内血栓由来の塞栓症、特に脳塞栓を惹起するおそれがある。(引用10)
3)本剤の血栓溶解作用により、亜急性細菌性心内膜炎に伴う塞栓症、特に脳塞栓を惹起するおそれがある。
また、急性心膜炎に伴う心?液貯留を惹起するおそれがある。(引用10)
4)本剤の血栓溶解作用により、出血性脳梗塞を惹起するおそれがある。(引用10)
5)本剤は蛋白製剤であることから、過敏症を起こす可能性がある。(引用10)
【引用】
1)クリアクター静注用40万・静注用80万電子添文 2022年2月改訂(第1版) 2.禁忌 2.1
2)クリアクター静注用40万・静注用80万電子添文 2022年2月改訂(第1版) 2.禁忌 2.2
3)クリアクター静注用40万・静注用80万電子添文 2022年2月改訂(第1版) 2.禁忌 2.3
4)クリアクター静注用40万・静注用80万電子添文 2022年2月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.1合併症・既往歴等のある患者 9.1.1出血するおそれがある以下の患者
5)クリアクター静注用40万・静注用80万電子添文 2022年2月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.1合併症・既往歴等のある患者 9.1.2左心房内血栓の疑いのある患者(心房細動を伴う僧帽弁狭窄症患者等)
6)クリアクター静注用40万・静注用80万電子添文 2022年2月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.1合併症・既往歴等のある患者 9.1.3亜急性細菌性心内膜炎又は急性心膜炎のある患者
7)クリアクター静注用40万・静注用80万電子添文 2022年2月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.1合併症・既往歴等のある患者 9.1.4脳梗塞のある患者
8)クリアクター静注用40万・静注用80万電子添文 2022年2月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.1合併症・既往歴等のある患者 9.1.5本剤又は蛋白製剤に対して過敏症の既往歴のある患者
9)クリアクター静注用40万・静注用80万インタビューフォーム 2022年6月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由
10)クリアクター静注用40万・静注用80万インタビューフォーム 2022年6月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (1)合併症・既往歴等のある患者
【更新年月】
2022年12月