電子添文には、中等度以上の呼吸機能障害のある患者に関する以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者(引用1)
9.1.3 中等度及び重度の呼吸機能障害を有する患者(閉塞性睡眠時無呼吸および慢性閉塞性肺疾患患者を除く)
これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。
9.1.4 中等度及び重度の閉塞性睡眠時無呼吸および慢性閉塞性肺疾患患者
長期投与におけるこれらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。
インタビューフォームに解説として以下の記載があります。
■特定の背景を有する患者に関する注意
(1)合併症・既往歴等のある患者(引用2)
(解説)
9.1.3 軽度の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)※1患者で呼吸器系に対する安全性試験を実施した結果、無呼吸低呼吸指数に影響はなかったが、呼吸機能に障害のある患者での臨床経験は限られているため、注意して投与することが必要であることから設定しました。
9.1.4 中等度から重度の呼吸機能障害を有する患者への影響を検討した米国製造販売後臨床試験において、中等度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)※1患者33例を対象に本剤10mgを8日間連続投与したとき、8日目における夜間睡眠時の無呼吸低呼吸指数はプラセボと比較して同程度であった。中等度から重度(1秒率(FEV1%)≦70%かつ30%≦対標準1秒量(%FEV1)<80%)の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者30例を対象に本剤10mgを8日間連続投与したとき、プラセボと比較して8日目における睡眠中のSpO2低下は認められませんでした。しかし、本剤の投与期間が8日間という試験限界があるため、これらの患者への長期投与における安全性は確立していないことから設定しました。
※1:承認効能又は効果は以下の通りです。
4. 効能又は効果(引用3)
不眠症
【関連情報】
電子添文には、呼吸機能への影響に関する以下の記載もあります。
17. 臨床成績
17.1.2 臨床薬理試験
(3) 呼吸機能への影響(102試験)(引用4)
健康成人及び健康高齢者に本剤10又は25mg注)を投与したとき、睡眠時SpO2に対する影響はプラセボと同程度であった。軽度閉塞性睡眠時無呼吸患者に本剤10mgを単回及び反復投与したとき、無呼吸低呼吸指数はプラセボと同程度であった。(外国人データ)(引用5)
注)本剤の承認用法及び用量は以下の通りです。
6. 用法及び用量(引用6)
通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。
17.3 その他
17.3.1 呼吸機能への影響(米国製造販売後臨床試験)(引用7)
中等度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸患者33例を対象に本剤10mgを8日間連続投与したとき、8日目における夜間睡眠時の無呼吸低呼吸指数はプラセボと比較して同程度であった。(引用7)
また、中等度から重度 (1秒率(70%かつ30%≦対標準1秒量 (%80%)の慢性閉塞性肺疾患患者 30例を対象に本剤10mgを8日間連続投与したとき、プラセボと比較して 8日目における睡眠中のSpO2低下は認められなかった。(外国人データ)
【引用】
1)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者 9.1.3 9.1.4
2)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mgインタビューフォーム 2024年2月改訂(第9版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (1)合併症・既往歴等のある患者
3)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 4. 効能又は効果
4)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 17.臨床成績 17.1 有効性及び安全性に関する試験 17.1.2臨床薬理試験 (3)呼吸機能への影響(102試験)
5)Cheng J. Y. et al.:J. Sleep Res., 2020;29(4):e13021. doi.org/10.1111/jsr.13021 [DVG-0083]
6)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 6.用法及び用量
7)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 17. 臨床成績 17.3 その他 17.3.1 呼吸機能への影響
8)Cheng J. Y. et al.:J Clin Sleep Med. 2024 ;20(1):57-65. [DVG-0258]
〔利益相反:本研究は、エーザイ(株)より資金提供により実施している〕
【更新年月】
2024年7月