電子添文には、根治切除不能な甲状腺癌の臨床成績に関して以下の記載があります。
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
<根治切除不能な甲状腺癌>
17.1.1国際共同第III相試験(引用1)
放射性ヨウ素治療抵抗性・難治性(ヨウ素の取込みが認められない、放射性ヨウ素治療後12ヵ月以内に病勢の進行が認められた、又は累積線量が600mCi[22GBq]を超える放射性ヨウ素治療を受けている)の分化型甲状腺癌患者(乳頭癌、濾胞癌、Hürthle細胞癌、及び低分化癌)392例(本剤群261例[日本人患者30例]、プラセボ群131例[日本人患者10例])において、プラセボを比較対照として本剤24mgを1日1回投与した場合の有効性と安全性を評価した。
なお、心不全の既往、心血管系疾患の既往、不整脈、出血性疾患、血栓性疾患又は活動性の喀血がある患者、抗凝固剤を投与されている患者、3週間以内に大手術を受けた患者、及びQTc間隔が480ms超の患者は除外された。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は本剤投与群で18.3ヵ月、プラセボ群で3.6ヵ月であり、本剤はプラセボ群に対してPFSを有意に延長した(P<0.0001;層別Log Rank検定、ハザード比:0.21、99%信頼区間:0.14、0.31)。(引用2)
無作為化期において、本剤が投与された261例(日本人30例を含む)中254例(97.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧177例(67.8%)、下痢159例(60.9%)、食欲減退135例(51.7%)、体重減少123例(47.1%)、悪心107例(41.0%)、疲労104例(39.8%)、口内炎96例(36.8%)、蛋白尿85例(32.6%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群83例(31.8%)等であった。
17.1.2 国内第II相試験(引用3)
甲状腺癌(放射性ヨウ素治療抵抗性・難治性の分化型甲状腺癌[ヨウ素の取込みが認められない、放射性ヨウ素治療後12ヵ月以内に病勢の進行が認められた、又は累積線量が600mCi[22GBq]を超える放射性ヨウ素治療を受けている]、切除不能の甲状腺髄様癌及び切除不能の甲状腺未分化癌)43例に対し、本剤24mgを1日1回投与した場合の安全性と有効性を評価した。主要評価項目を安全性とし、副次評価項目として有効性を評価した。有効性解析対象例はそれぞれ23例、8例及び11例であった。(引用4)
43例中全例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、高血圧37例(86.0%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群34例(79.1%)、食欲減退33例(76.7%)、疲労31例(72.1%)、蛋白尿25例(58.1%)、口内炎24例(55.8%)及び下痢22例(51.2%)であった。
【引用】
1)レンビマカプセル4mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第5版) 17.臨床成績 17.1 有効性及び安全性に関する試験 〈根治切除不能な甲状腺癌〉 17.1.1国際共同第III相試験
2)[承認時評価資料]:131I難治性の甲状腺分化癌患者を対象とした臨床第III相試験(国際共同試験)(2015年3月26日承認、CTD 2.7.6.17) [LEN-0012]
3)レンビマカプセル4mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第5版) 17.臨床成績 17.1 有効性及び安全性に関する試験 〈根治切除不能な甲状腺癌〉 17.1.2 国内第II相試験
4)[承認時評価資料]:進行性甲状腺癌患者を対象とした臨床第II相試験(国内試験)(2015年3月26日承認、CTD 2.7.6.16) [LEN-0014]
【更新年月】
2024年5月