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  • No : 3182
  • 公開日時 : 2018/07/30 00:00
  • 更新日時 : 2024/09/13 16:21
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【レンビマ・甲状腺癌】 気管及び食道への出血の危険性を伴う腫瘍浸潤を認める患者への投与について教えてください。

【レンビマ・甲状腺癌】 
 
気管及び食道への出血の危険性を伴う腫瘍浸潤を認める患者への投与について教えてください。
 
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回答

電子添文には頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤のある患者について以下の記載があります。
 
8. 重要な基本的注意
〈根治切除不能な甲状腺癌〉
8.10 本剤投与前には頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤を十分確認するとともに、本剤の投与期間中は患者の状態の観察や瘻孔形成の有無の確認を十分に行うこと。(引用1)
 
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.5 頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤のある患者(引用2)
腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈露出、頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。なお、甲状腺未分化癌患者では、頸動脈・静脈への腫瘍浸潤例が多いので、特に注意すること。
 
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.1.3 出血(14.9%)(引用3)
鼻出血、血尿、消化管出血、喀血、脳出血、肺出血、腫瘍出血等の出血があらわれることがある。また、甲状腺癌患者において、腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈露出、頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。頸動脈露出部位や皮膚瘻形成部位より大量出血した例が認められており、気管瘻や食道瘻を形成している場合には、喀血や吐血のおそれがある。重篤な出血があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
【甲状腺癌】適正にご使用いただくためのガイドブックには以下の記載があります。(引用4)
Q
気管及び食道への出血の危険性を伴う腫瘍浸潤を認める患者に投与できますか?
A
一般的に局所進行性甲状腺癌では50%に気管浸潤、23%に食道浸潤が認められると報告されています(海外データ)。一方、根治切除不能な甲状腺癌を対象とした国際共同第III相試験(303試験,SELECT)では、局所再発や遠隔転移が見られる分化型甲状腺癌患者を対象としていたことから、本臨床試験においても気管又は食道に浸潤がある患者が含まれていたと考えられます。また、本臨床試験では「活動性喀血(少なくとも小さじ1/2の鮮血)が治験薬投与開始前3週間以内に認められた患者」を除外する規定であり、気管又は食道に出血があった患者は含まれていなかったと考えられますが、気管及び食道に腫瘍浸潤があった患者に対する規定はありませんでした。したがって、気管及び食道への出血の危険性を伴う腫瘍浸潤を認める患者に対してレンビマを投与した際の安全性は確立していません。また、腫瘍縮小に伴い瘻孔形成のおそれがあります。レンビマの使用は、VEGF受容体の阻害により、腫瘍内の血管・止血機構を破綻させ出血事象を引き起こす契機になり得ると考えられますので、気管及び食道へ腫瘍浸潤のある患者に対しては、まず適切な局所療法を行うことを考慮ください。その上で慎重にレンビマを投与することを検討ください。(引用5、6)
 

【引用】
1)レンビマカプセル4mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第5版) 8. 重要な基本的注意 8.10
2)レンビマカプセル4mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第5版) 9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者 9.1.5 頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤のある患者
3)レンビマカプセル4mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第5版) 11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.2 出血
4)【甲状腺癌】レンビマカプセル4mg・10mg適正にご使用いただくためのガイドブック IV Q&A 3 p87 (LEN1002ISG)
5)Dralle H, et al.: Textbook of endocrine surgery 2nd ed. Elsevier Saunders 2005 : 322
6)Elice F, et al.: Am J Hematol 2008; 83(11): 862-870

【更新年月】 
2024年9月

 

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