電子添文には放射性ヨウ素による治療歴のない分化型甲状腺癌患者への投与に関して以下の記載があります。
5. 効能又は効果に関連する注意
〈根治切除不能な甲状腺癌〉
5.1 放射性ヨウ素による治療歴のない分化型甲状腺癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。(引用1)
【甲状腺癌】適正にご使用いただくためのガイドブックには以下の記載があります。(引用2)
放射性ヨウ素による治療の適応となる患者では、「甲状腺癌の放射性ヨウ素内用療法に関するガイドライン」を参照し、放射性ヨウ素による治療を優先して行ってください。
国際共同第III相試験(303試験, SELECT)において、対象である放射性ヨウ素治療抵抗性・難治性の症例には、下記aのみを満たす放射性ヨウ素治療歴のない症例も含まれました(レンバチニブ群8例及びプラセボ群3例)。(引用3、4)
<参考> 国際共同第III相試験(303試験, SELECT)における放射性ヨウ素治療抵抗性・難治性の基準
以下のうち、少なくとも1つ以上を満たす。
a. いずれかの放射性ヨウ素検査によってヨウ素の取り込みが認められない測定可能病変を1つ以上有する。
b. 放射性ヨウ素治療前又は治療後の検査で、放射性ヨウ素の取り込みが認められたにも関わらず、放射性ヨウ素治療後の12ヵ月以内にRECIST version 1.1に基づく病勢進行が認められた測定可能病変を1つ以上有する。当該患者は根治的切除に不適でなければならない。
c. 放射性ヨウ素の最終投与が登録の6ヵ月以上前であり、600mCi又は22GBqを超える放射性ヨウ素の積算活性を認める。
【引用】
1)レンビマカプセル4mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第5版) 5. 効能又は効果に関連する注意 5.1
2)【甲状腺癌】レンビマカプセル4mg・10mg適正にご使用いただくためのガイドブック I. 投与に際しての注意事項 2.効能又は効果 p8 (LEN1002ISG)
3)日本核医学会分科会 腫瘍・免疫核医学研究会 甲状腺RI治療委員会 編:放射線ヨウ素内用療法に関するガイドライン第6版改訂, 2018
:oncology.jsnm.org/sites/default/files/2020-11/thyroid-guideline_06_2018.pdf(最終閲覧日:2024年5月10日)
4)[承認時評価資料]131I 難治性の甲状腺分化癌患者を対象とした臨床第III相試験(国際共同303試験: SELECT)[LEN-0012]
【更新年月】
2024年9月