電子添文には、過量投与に関する以下の記載があります。
13. 過量投与(引用1)
13.1 症状
うとうと状態から昏睡等の中枢神経抑制作用に基づく症状
13.2 処置
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。
【関連情報】
インタビューフォームには、過量投与に関する以下の記載があります。
■過量投与(引用2)
(解説)
・症状
中枢神経系の抑制…意識レベルの低下、昏睡
呼吸器系の抑制…呼吸数の減少、一回換気量の低下、舌根沈下、気道閉塞
循環器系の抑制…血圧下降、ショック
・処置
呼吸、脈拍、血圧を監視する。
1.胃洗浄
一般的対症療法としては、投与直後に胃洗浄を行う。
2.気道の確保
気道閉塞時には、枕をはずし、下顎を持ち上げて前頸部を伸長し、気道を確保するが、不十分な場合には気管挿管を行う。
3.全身状態の改善
全身状態の改善には、糖液又は電解質輸液500mLを点滴静注する。
4.血圧降下に対する処置
血圧降下の改善には昇圧剤を点滴静注する。
ノルアドレナリンあるいは、ドパミン塩酸塩(5μg/kg/分以下では利尿効果、5~10μg/kg/分では心収縮力増加、10μg/kg/分以上では末梢血管収縮作用)を投与する。
血圧降下が持続する場合には重曹の静注(1回20~40mL)も有効である。
5.薬物の排泄促進
薬物の排泄促進のために血液吸着、血液透析も有効なことがあるので、大量投与が疑われる時には血液吸着(活性炭)、血液透析の使用を考える。
6.拮抗薬
ベンゾジアゼピン系薬剤の拮抗薬であるフルマゼニルの静注は、ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静や呼吸抑制の改善に有効である。
通常1~4の処置で間に合うが、昏睡状態が持続する場合には5~6の処置を行う。
【引用】
1)サイレース錠1mg・錠2mg電子添文 2023年4月改訂(第1版) 13.過量投与
2)サイレース錠1mg・錠2mgインタビューフォーム 2024年3月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 10.過量投与
【更新年月】
2025年2月