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  • No : 9587
  • 公開日時 : 2019/02/27 00:00
  • 更新日時 : 2019/06/20 08:32
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【アクトネル】 抜歯・インプラント等の歯科処置を行う場合に休薬は必要ですか。

回答

侵襲的歯科治療前の休薬の可否に関して以下の見解が出されています。

 

<重篤副作用疾患別対応マニュアル>1)

平成30年に公開された厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 骨吸収抑制薬に関連する顎骨壊死・顎骨骨髄炎」2)(以下、重篤副作用マニュアル)には以下の情報が記載されています。 

ビスホスホネート系薬を低用量で4年以上投与されている場合やリスク因子を有する場合には、骨折リスクを含めた全身状態が許容すれば侵襲的な歯科処置の2ヶ月前から、処置後3ヶ月後まで(再開を早める必要がある場合には、術創部の上皮下がほぼ終了する2週間を待って術部に感染がないことを確認したうえで再開)の休薬を、処方医と協議・検討すべきである、との報告がある。ただし、休薬によって顎骨壊死の発生率を下げることが可能であるとの報告は現時点では得られていない。

 

<顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016>2)

侵襲的歯科治療前のビスホスホネート(BP) 休薬

骨吸収抑制薬の治療を受けている患者に対して歯科治療を行う際に、骨吸収抑制薬投与をそのまま継続するか、あるいは休薬するかについては様々な議論がある。

それらを整理すると、

①骨吸収抑制薬の休薬が顎骨壊死(ONJ) 発生を予防するか否かは不明である。

②骨に長期間残留するBP の物理化学的性質5)から推測すると、短期間のBP 休薬がビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ) 発生予防に効果を示すか否かは不明である。

③日本骨粗鬆症学会が行った調査結果では、骨粗鬆症患者においてBP を予防的に休薬してもONJ 発生の減少は認められていない。

④BP の休薬により骨粗鬆症患者での症状悪化、骨密度低下および骨折の発生が増加する。

⑤発生頻度に基づいた場合にBRONJ 発生のリスクよりも骨折予防のベネフィット(有益な効果)がまさっている。

⑥BRONJ 発生は感染が引き金となっており、歯科治療前に感染予防を十分に行えばBRONJ 発生は減少するとの結果が示されている。この報告で注目されるのは、口腔の他の部位に以前にBRONJ が発生したことがあり、ONJ 発生のリスクがきわめて高いがん患者においても、感染を予防すれば新たなBRONJ は発生しなかったという結果である。したがってBRONJ 発生予防には感染予防がきわめて効果的、重要であることが示唆される。

⑦米国歯科医師会は、骨粗鬆症患者における骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ) の発生頻度は最大に見積もっても0.1%程度であり、骨吸収抑制薬治療による骨折予防のベネフィット(有益な効果)は、ARONJ 発生のリスクを上回っており、また骨吸収抑制薬の休薬はARONJ 発生リスクを減少させる可能性は少なく、むしろ骨折リスクを高め負の効果をもたらすとの見解を示している。

 

これらの背景をEvidence-based Medicine(EBM)の観点に基づいて論理的に判断すると、侵襲的歯科治療前のBP 休薬を積極的に支持する根拠に欠ける。

しかしながら、一方において米国FDAおよびその他のいくつかのグループは骨粗鬆症患者においてBP 治療が4 年以上にわたる場合にはBRONJ 発生率が増加するとのデータを示している。これらの報告はいずれも後ろ向き研究の結果であり、症例数も少ないため慎重に解釈されなければならないが、米国口腔顎顔面外科学会(AAOMS)は骨吸収抑制薬投与を4 年以上受けている場合、あるいはONJ のリスク因子を有する骨粗鬆症患者に侵襲的歯科治療を行う場合には、骨折リスクを含めた全身状態が許容すれば2 カ月前後の骨吸収抑制薬の休薬について主治医と協議、検討することを提唱している8)。日本口腔外科学会、あるいは韓国骨代謝学会/ 口腔顎顔面外科学会はAAOMS の提唱に賛同しており、さらに国際口腔顎顔面外科学会(IAOMS)もAAOMS の提唱を支持している。


【引用】

1)重篤副作用疾患別対応マニュアル 骨吸収抑制薬に関連する顎骨壊死・顎骨骨髄炎

(平成30年6月改定)

2)骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理: 顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016


【作成年月】

2019年2月

 

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