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  • No : 3002
  • 公開日時 : 2018/07/12 00:00
  • 更新日時 : 2024/10/25 17:10
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【サイレース】 妊婦への投与について教えてください。

【サイレース】 
 
妊婦への投与について教えてください。
 
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回答

電子添文には、妊婦への投与に関する以下の記載があります。
 
9.5 妊婦(引用1、2)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
 
9.5.1 妊娠動物(ラット)に投与した実験で、50mg/kgの用量で催奇形作用が認められている。
 
9.5.2 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド等)を服用していた患者が出産した新生児において、口唇裂、口蓋裂等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
 
9.5.3 ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。
また、ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
 
9.5.4 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。
 
【関連情報】
インタビューフォームには、生殖発生毒性試験に関する以下の記載があります。
■サイレース錠の生殖発生毒性試験(引用3)
1)妊娠前・妊娠初期投与試験
ラット(SD系)を用い、雄は交配前 13 週間、雌は交配前 21 日間及び妊娠後 7 日間に、1、5、25、50mg/kg/日を経口投与したところ、50mg/kgで妊娠率の低下、胎児の軽度の発育遅延が認められた。
 
2)器官形成期投与試験
妊娠後 7 日~17 日の器官形成期のラット(SD系)に 1、5、25、50mg/kg/日を連続経口投与したところ、50mg/kgで胎児に対し催奇形作用が、25mg/kg以上で新生児に対し生存率の低下、体重の低下及び行動、学習能への影響が示唆された。
 
3)周産期・授乳期投与試験
ラット(SD系)に妊娠後期(妊娠期間の 1/3)から分娩後 20 日まで、1、5、25、100mg/kg/日を連続経口投与したところ、25mg/kg以上で母体の体重減少、分娩困難、哺育率の低下、新生児の発育遅延が認められたが、生殖能への影響は認められなかった。(引用4)
 
■サイレース静注の生殖発生毒性試験(引用5)
1)妊娠前・妊娠初期投与試験
ラット(CD系)を用い、雄は交配前 13 週間、雌は交配前 21 日間及び妊娠後 7 日間に、0.1、0.3、1mg/kg/日を静脈内投与したところ、雄の 1.0mg/kg、雌の 0.3mg/kg以上で軽度の体重の増加抑制が認められたが、生殖能及び胎児に異常は認められなかった。
 
2)器官形成期投与試験
妊娠後 7 日~17 日の器官形成期のラット(CD系)に 0.1、0.5、1mg/kg/日を静脈内投与したところ、薬物投与群で母体に軽度の体重の増加抑制が認められたが、胎児に異常は認められなかった。なお、ラット(SD系)の器官形成期投与試験において 50mg/kg/日を経口投与したところ、催奇形作用が認められた。
 
3)周産期・授乳期投与試験
ラット(CD系)に妊娠後期(妊娠期間の 1/3)から分娩後 20 日迄、0.1、0.5、1mg/kg/日を連続静脈内投与したところ、0.5mg/kg以上で母体に軽度の体重の増加抑制及び新生児の被毛発生の軽度遅延、また 1mg/kgで母体の哺育能の低下が認められた。
 

【引用】
1)サイレース錠1mg・2mg電子添文 2023年4月改訂(第1版) 9.5 妊婦
2)サイレース静注2mg電子添文 2023年4月改訂(第1版) 9.5 妊婦
3)サイレース錠1mg・2mgインタビューフォーム 2024年3月改訂(第10版) IX.非臨床試験に関する項目 2.毒性試験 (5)生殖発生毒性試験
4)Suzuki Y., et al.:基礎と臨床, 1983;17(8):2585‒2593 [SIL-0237]
5)サイレース静注2mgインタビューフォーム 2024年3月改訂(第9版) IX.非臨床試験に関する項目 2.毒性試験 (5)生殖発生毒性試験
 
【更新年月】 
2024年10月

 

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