臨床効果を検討した臨床試験のデータはありません。
入院患者から採集した検体(粘稠な喀痰及び膿性痰)による有効性検証試験の結果は以下になります。
■有効性検証試験(引用1)
入院患者から採集した検体(粘稠な喀痰及び膿性痰)1mLに20%アセチルシステイン(NAC)0.1mLを混和し、Brookfield SynchrolectricViscometer(毎分5回転の速度で回転)で粘稠度を測定した。なお、対照として水、膵臓性ドルナーゼ、結晶トリプシン、3%食塩液、Superinone、Sodium ethasulfateについても同様の方法で測定比較した。20%アセチルシステイン(NAC)の喀痰溶解作用は、いずれの対照よりも著明に効果が認められた。(引用2)
【関連情報】
咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019には、以下の記載があります。
■表1 喀痰治療薬より抜粋(引用3)
ムコフィリン
粘液溶解による分泌物排除の促進
作用:ムチンを分解して気道粘液の粘稠度を低下させる
効果が期待される喀痰の性状:粘稠性喀痰
■小児の喀痰について(引用4)
気管支肺異形成症(BPD)のない小児の急性上・下気道感染症に対するアセチルシステインの有効性を検討したシステマティックレビュー※では、2歳以上の小児において、限定的ではあるが有効性を認め、安全性も確認された。(引用5)
※海外では、吸入以外にも経口、筋注製剤があり、合わせて検討しています。
本邦では、小児等を対象とした臨床試験は実施しておりません。(引用6)
小児への投与については、よくあるご質問「【ムコフィリン】 小児への投与について教えてください。」を参照ください。
【引用】
1)ムコフィリン吸入液20% インタビューフォーム 2023年11月改訂(第6版) Ⅴ.治療に関する項目 5.臨床成績 (4)検証的試験 1)有効性検証試験
2)Hurst G. A. et al. : Am. Rev. Respir. Dis.. 1967 ; 95 : 962-970 (PMID: 6059205) [MF-0027]
3)咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019 Chapter 3喀痰総論 3.喀痰診療の原則と喀痰治療薬 p20-28 [ZZZ-1319]
4)咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019 Chapter 3喀痰総論 4.小児の喀痰 p115-119 [ZZZ-1318]
5)Chalumeau M et al.,: Cochrane Database of Syst. Rev. 2013 (5), : CD003124.[ MF-0256]
6)ムコフィリン吸入液20% 電子添文2023年1月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7.小児等
【更新年月】
2024年9月