電子添文には、特定の背景を有する患者に関する以下の記載があります。
[ネオフィリン錠100mg・原末共通]
9.特定の背景を有する患者に関する注意(引用1、2)
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかんの患者
中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。
9.1.2 甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 急性腎炎の患者
腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
血中濃度測定等の結果により減量すること。
テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている。また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある。
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。
ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある。
9.7 小児等
9.7.1 小児、幼児、乳児
(1)テオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。
小児、特に乳幼児は成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすい。なお、次の小児にはより慎重に投与すること。
・てんかん及び痙攣の既往歴のある小児
痙攣を誘発することがある。
・発熱している小児
テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。
・6ヵ月未満の乳児
乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない。テオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。
(2)小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。
(3)本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するなどの適切な対応をするように注意を与えること。小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣る。
9.7.2 低出生体重児、新生児
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。
非高齢者に比べ最高血中濃度の上昇及びAUCの増加が認められたとの報告がある。
【関連情報】
インタビューフォームには、特定の背景を有する患者に関する以下の記載があります。
■腎機能障害患者(引用3)
(解説)
キサンチン系薬剤は利尿作用があるので、腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。
■肝機能障害患者(引用4)
(解説)
テオフィリンは85~90%が肝臓で代謝されるため、肝障害など肝薬物代謝機能が低下している場合には、テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがあるので、血中濃度測定等の結果により減量すること。(引用5)
■妊婦(引用6)
(解説)
動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている。(引用7、8、9)
また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある。(引用10)
■授乳婦(引用11)
(解説)
ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある。(引用12)
【引用】
1)ネオフィリン錠100mg電子添文 2023年10月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意
2)ネオフィリン原末電子添文 2023年10月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意
3)ネオフィリン錠100mg・原末インタビューフォーム 2023年10月改訂(第11版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (2)腎機能障害患者
4)ネオフィリン錠100mg・原末インタビューフォーム 2023年10月改訂(第11版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (3)肝機能障害患者
5)野村文夫ら : 臨床病理. 1991 ; 39 (10) : 1093-1097[N-2142]
6)ネオフィリン錠100mg・原末インタビューフォーム 2023年10月改訂(第11版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (5)妊婦
7)Tucci S. M. et al. : Toxicol. Lett.. 1978 ; 1 : 337-341[N-1619]
8)Lindström P. et al. : Fundam. Appl. Toxicol.. 1990 ; 14 (1) : 167-178[TEO-0471]
9)Shibata M. et al. : Meth. Find. Exp. Clin. Pharmacol.. 2000 ; 22 (2) : 101-107 [TEO-0823]
10)Yeh T. F. et al. : Lancet. 1977 ; 1 (8017) : 910[N-0548]
11)ネオフィリン錠100mg・原末インタビューフォーム 2023年10月改訂(第11版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (6)授乳婦
12)Yurchak A. M. et al. : Pediatrics. 1976 ; 57 (4) : 518-520[N-0482]
【更新年月】
2024年5月