電子添文及びインタビューフォームには、過量投与に関する以下の記載があります。
■症状
投与部位及び周辺部位に過剰な筋力低下等の副作用があらわれることがある。
また、外国において、投与筋以外の遠隔筋に対する影響が疑われる呼吸困難、筋無力症等が報告されており、類薬では動物実験においても遠隔筋に対する影響が認められている。[8.3、9.1.1、15.2.2参照](引用1)
■処置
投与直後の場合には抗毒素の投与を検討してもよいが、治療上の有益性と危険性を慎重に判断すること。なお、既にボツリヌス中毒症状(全身性の脱力及び筋肉麻痺など)が発現した時点での抗毒素投与は、無効である。また、必要に応じて入院を考慮し、投与筋以外への影響(全身性の脱力や筋肉麻痺等の徴候及び呼吸器への影響)についても十分観察すること。(引用2)
【関連情報】
(解説)
■症状
用法及び用量を超えて本剤を過量に投与した場合、投与部位及び周辺部位に過剰な筋力低下等の副作用があらわれることがある。また外国市販後において、投与筋以外の遠隔筋への影響が疑われる呼吸困難、筋無力症等が報告されている。なお、類薬(A型ボツリヌス毒素製剤)では、動物実験においても遠隔筋に対する影響が認められている。(引用3)
■処置
過量投与となった場合、投与直後では抗毒素の効果が期待できるが、ボツリヌス中毒症状(全身性の脱力及び筋肉麻痺など)が発現した時点ではボツリヌス毒素が膜受容体に結合しており、抗毒素の効果はほとんど期待できない。抗毒素には血清病のリスクもあるため、治療上の有益性と危険性を慎重に判断した上で使用する必要がある。また、患者の状態により必要に応じて入院を考慮し、重篤な筋力低下、嚥下障害等の徴候だけでなく、全身性の脱力及び呼吸器系への影響についても十分観察するとともに適切な処置を行う必要がある。(引用3)
【引用】
1)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 13.過量投与 13.1症状
2)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 13.過量投与 13.2処置
3)ナーブロック筋注2500単位インタビューフォーム 2021年2月改訂(第6版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 10.過量投与
【更新年月】
2022年9月