レケンビの電子添文の「2.禁忌」、「9.特定の背景を有する患者に関する注意」には精神疾患のある患者に関する記載はありません。(引用1)
なお、国際共同第III相プラセボ対照比較試験(301試験Core Study)の除外基準には以下の記載があり、精神疾患のある患者の有効性・安全性は検討されていません。(引用2)
・原疾患のAD以外の要因が認知機能障害に影響を及ぼし得る状態にある者
・治験実施に支障をきたすおそれがある精神疾患又は精神症状(例えば幻覚、大うつ病又は妄想)がある者
・スクリーニング期のGeriatric Depression Scale(GDS)スコアが8以上の者
・スクリーニング前6ヵ月以内、スクリーニング期又はベースライン期に、コロンビア自殺評価スケール(C-SSRS)の自殺念慮に関する質問4若しくは5、又は何らかの自殺行動評価に「はい」と回答した、あるいはスクリーニング前5年間に自殺行動で入院した又は治療を受けた者
・スクリーニング前2年以内に薬物又はアルコール乱用/依存の既往又は疑いがある、あるいはスクリーニング期の尿薬物検査が陽性である者。尿薬物検査でベンゾジアゼピン又はオピオイドが陽性である者については、ベンゾジアゼピン又はオピオイドを含有する治療薬を以前に服用していたか又は併用しているためであり、薬物乱用によるものではないと治験責任医師又は治験分担医師が臨床的に判断すれば、除外しなくてもよい。
上記規定を踏まえ、投与可否をご判断いただき、投与される場合は安全性にご注意ください。
レケンビの投与対象となる患者要件については、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドライン(医薬薬審発1219第2号令和5年12月19日)もあわせてご確認ください。
【引用】
1)レケンビ点滴静注200mg・500mg電子添文2024年6月改訂(第3版)
2)レケンビ点滴静注200mg・500mg適正使用ガイドVII.臨床成績(1)試験概要 p36-37 (DI-J‐948)
【更新年月】
2024年9月