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  • No : 18977
  • 公開日時 : 2023/12/22 09:06
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【レケンビ】 国際共同第III相プラセボ対照比較試験(301試験Core Study)の選択基準と除外基準を教えてください。

【レケンビ】 
 
国際共同第III相プラセボ対照比較試験(301試験Core Study)の選択基準と除外基準を教えてください。
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回答

国際共同第III相プラセボ対照比較試験(301試験Core Study)の主な選択基準・主な除外基準について、適正使用ガイドに以下のように記載されています。(引用1、2、3)
 
試験概要
目的:早期アルツハイマー病(早期AD)患者※1を対象に、Clinical Dementia Rating-Sum of Boxes(CDR‐SB)を指標として、レケンビ10mg/kg隔週投与のプラセボに対する優越性を検証し、その有効性を評価するとともに、安全性を評価した。
 
試験デザイン:国際共同、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較
 
対象:早期AD患者1795例(日本人患者152例)
 
※1:アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI due to AD)の可能性が中等度である患者または軽度アルツハイマー型認知症患者

【主な選択基準(14点)】
診断
アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI due to AD)の可能性が中等度である :
1. NIA-AA※2によるMCI due to ADの中核となる臨床基準を満たし、その可能性が中等度に区分される者
2. スクリーニング期及びベースライン期のCDRスコアが0.5、かつMemory Box score が0.5以上である者
3. 主観的記憶障害が潜行性に発症し、スクリーニング開始前1年の間に緩徐に進行しているとの自覚症状を有する者。ただし、情報提供者によってその症状が確認される必要がある。軽度のアルツハイマー病による認知症(軽度AD-D) :
4. NIA-AAによるAD-D(臨床的確診)の中核となる臨床基準を満たす者
5. スクリーニング期及びベースライン期のCDRスコアが0.5~1.0、かつMemory Box score が0.5以上である者
※2:National Institute of Aging-Alzheimer’s Association : 米国国立老化研究所-アルツハイマー病協会
 
全例が満たす必要がある重要な選択基準
6. WMS-IV LMIIの点数が年齢調整済み平均値を少なくとも1標準偏差下回り(下記基準参照)、エピソード記憶障害が客観的に示された者 :
a. 50~64歳では15以下
b. 65~69歳では12以下
c. 70~74歳では11以下
d. 75~79歳では9以下
e. 80~90歳では7以下
7. 脳内アミロイド病理を反映する以下のバイオマーカーのいずれかによりアミロイド陽性所見が確認されている者
a. アミロイドPET検査による脳内へのPET薬剤の取り込みの評価
スクリーニング時のアミロイドPETは各国の規制当局のガイドラインに従って実施される。したがって、CSF検査に伴う腰椎穿刺の施行が適切でない者に対しても、アミロイドPET検査の実施が制限される可能性があるので留意すること。
b. CSF中t-tau/Aβ[1-42]比の評価
抗凝固療法を受けている被験者ではCSF検査は実施できない。
被験者がPET検査及びCSF検査の両者に同意する場合があるが、適格性を確認するには、(たとえ両者の結果のうちいずれかが適格基準を満たさない場合でも)いずれかがアミロイド陽性であればよい。以前に実施されたアミロイドPETの結果(無作為化予定日前12ヵ月以内に実施)を適格性の確認のために使用してもよいが、直近のアミロイドPET検査後に抗アミロイド薬を用いた臨床試験に参加した場合、その検査結果は使用できない。
8. 性別は不問、同意取得時の年齢が50~90歳
9. スクリーニング期及びベースライン期のMMSEスコアが22以上30以下
10. スクリーニング期の体格指数(BMI)が17超35未満
11. アルツハイマー病の治療にAChEIs又はメマンチンあるいはAChEIとメマンチンを服用している患者については、ベースライン前12週間以上にわたって一定の用量を服用する必要がある。アルツハイマー病の薬物治療経験のない患者であっても治験に組み入れることができる。特に明記のない限り、(アルツハイマー病に無関係な)これ以外の全併用可能薬剤も、ベースラインの4週間以上前から一定の用量を服用している必要がある。日本では、メマンチンを服用中の患者を治験に組み入れることはできない
12. 特定のスタディパートナー(治験期間を通じて患者を支援でき、かつ患者とともに週8時間以上過ごすことが可能な者)を有する者。スタディパートナーからの文書同意の取得は必須とする。スタディパートナーは、治験への協力意思があり、かつ患者のフォローアップ情報を治験期間を通じて提供できる者でなければならず、さらに、患者とともに過ごす時間を十分かつ定期的に確保でき、スタディパートナーに必要な要件を十分満たしていると治験責任医師又は治験分担医師が判断した者でなければならない。患者とスタディパートナーとの同居の有無は問わない。ただし、別居している患者については、両者が離れている状況下でも容易にスタディパートナーへの連絡が可能であることを、治験責任医師又は治験分担医師は確認しなければならない。患者の介護の現状が治験参加に適切かどうか疑問である場合には、治験責任医師又は治験分担医師はこの点についてメディカルモニターと協議する必要がある。スタディパートナーは、CDR、CDR-SB、EQ-5D-5L、QOL-AD、ADCS MCI-ADL及びZBIの評価を実施するVisitに同席する必要がある。
13. 文書で治験参加に同意できる患者。患者が同意能力に欠けると治験責任医師又は治験分担医師が判断し、現地の法律、規制及び慣例によって必要とされる場合には、患者の同意のほかに代諾者の文書同意を取得する必要がある(同意能力及び代諾者の定義は、現地の法律及び規制に従う)。
14. 治験実施計画書を全面的に遵守する意思及び能力がある者
 
【主な除外基準(28点)】
1.女性の場合には、スクリーニング期又はベースライン期に、授乳中である、あるいは妊娠している(β-hCG又はhCG検査[検出感度25IU/L又は同等値]で陽性が確認された者)。スクリーニング期の検査で陰性であっても、これらの検査から治験薬の初回投与までの間が72時間以上経過している場合には、ベースライン期に再度検査を実施すること
2.妊娠する可能性がある女性の場合
注:全ての女性は妊娠する可能性があるものとみなす。ただし、閉経後の女性(適切な年齢において、その他の原因が疑われず、少なくとも12ヵ月間連続して無月経である場合)、不妊手術を受けている女性(治験薬投与開始日の1ヵ月以上前に両側卵管結紮術、子宮摘出又は両側卵巣摘除のいずれかを受けている場合)については例外とする。
3. 原疾患のAD以外の要因が認知機能障害に影響を及ぼし得る状態にある者
4. スクリーニング前12ヵ月以内に一過性脳虚血発作、脳卒中又は痙攣発作の既往を有する者
5. 治験実施に支障をきたすおそれがある精神疾患又は精神症状(例えば幻覚、大うつ病又は妄想)がある者
6. スクリーニング期のGeriatric Depression Scale(GDS)スコアが8以上の者
7. 心臓ペースメーカー/除細動器、磁性体金属製インプラント(例えば、MRIスキャナでの使用が安全であると承認されている機器以外の頭蓋骨用機器及び心臓用機器)などの使用により、MRI検査が禁忌である者
8. スクリーニング期の脳MRI検査で、AD以外の認知症を示唆する臨床的に問題となる病巣が認められる者
9. スクリーニング期のMRI検査において、臨床的に問題となる所見が認められる者。以下に該当所見を示すが、これらに限定されるものではない:
脳微小出血(最大径10mm以下)5ヵ所以上、最大径10mm超の脳出血1ヵ所、脳表ヘモジデリン沈着症、血管原性浮腫、脳挫傷、脳軟化、動脈瘤、血管奇形、感染病巣、多発性ラクナ梗塞又は大血管支配領域の脳卒中、重度の小血管疾患又は白質疾患又は占拠性病変又は脳腫瘍(ただし、髄膜腫又はくも膜嚢胞と診断される病変で、最大径が1cm未満であれば除外する必要はない)
10. 本剤又は賦形剤、あるいはモノクローナル抗体治療に対して過敏症を有する者
11. 十分にコントロールされていないか又は治験中に免疫グロブリン、全身性モノクローナル抗体(若しくはモノクローナル抗体誘導体)、全身性免疫抑制剤又は血漿交換療法による治療を必要とする免疫疾患を有する者
12.十分にコントロールされていない出血性疾患を有する者(ワーファリン等の抗凝固療法を受けていない被験者においては、血小板数50,000未満又は国際標準比[INR]1.5超を含む)。抗凝固療法を受けている被験者においては、治療が最適化されており、スクリーニングの4週間以上前から一定の用量で服用している場合は、除外する必要はない。抗凝固療法を受けている被験者ではCSF検査は実施できない。
13.甲状腺刺激ホルモンが基準値を超える者。他の甲状腺機能検査の結果が基準値から外れている者については、治験責任医師又は治験分担医師が臨床的に意味があると判断した場合に限り除外する必要がある。これは、甲状腺ホルモン補充剤の服用の有無に関係なく、全例に適用する
14. 検査機関での血清中ビタミンB12濃度が異常低値の者(ビタミンB12注射を受けている場合、検査機関での濃度は基準値下限以上である必要がある)。該当地域でメチルマロン酸(MMA)検査を含めた反射テストが利用可能であれば、その検査によってビタミンB12濃度を確認することも可能である。
15. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査で陽性の者
16. スクリーニング期又はベースライン期の身体的診察、バイタルサイン、臨床検査又は心電図検査で、臨床的に意味のある異常所見があり、検査又は治療がさらに必要である、あるいは治験実施又は安全性に支障をきたすと治験責任医師又は治験分担医師が判断した者
17. スクリーニング前3年以内に悪性新生物に罹患した者(皮膚の基底細胞癌又は上皮内扁平上皮癌又は男性患者の限局性前立腺癌は除く)。悪性新生物に罹患したが、スクリーニング前3年以上にわたって寛解が持続していた者は除外する必要はない。
18. スクリーニング前6ヵ月以内、スクリーニング期又はベースライン期に、コロンビア自殺評価スケール(C-SSRS)の自殺念慮に関する質問4若しくは5、又は何らかの自殺行動評価に「はい」と回答した、あるいはスクリーニング前5年間に自殺行動で入院した又は治療を受けた者
19. スクリーニング前2年以内に薬物又はアルコール乱用/依存の既往又は疑いがある、あるいはスクリーニング期の尿薬物検査が陽性である者。尿薬物検査でベンゾジアゼピン又はオピオイドが陽性である者については、ベンゾジアゼピン又はオピオイドを含有する治療薬を以前に服用していたか又は併用しているためであり、薬物乱用によるものではないと治験責任医師又は治験分担医師が臨床的に判断すれば、除外しなくてもよい。
20. コントロール不良、あるいは治験責任医師又は治験分担医師が患者の安全性確保又は治験の評価に支障をきたし得ると判断した他の疾患(例えば心疾患、呼吸器疾患、胃腸疾患、腎疾患)を有する者
21. 併用禁止薬剤を服用している者
22. スクリーニング前6ヵ月以内に、治療用モノクローナル抗体、モノクローナル抗体に由来するタンパク質、免疫グロブリン療法又はワクチンに関する臨床試験に参加した者。ただし、プラセボのみが投与されたことが文書記録から確認できる場合は除く。
23. 抗アミロイド療法(モノクローナル抗体及びβ-site amyloid precursor protein cleaving enzyme[BACE]阻害療法)に関する臨床試験に参加したことがある者。ただし、プラセボのみが投与されたことが文書記録から確認できる場合は除く。
24. これまでに本剤を投与された経験がある者
25. スクリーニング前6ヵ月以内に、ADに対する新規化合物に関する臨床試験に参加した者。ただし、プラセボのみが投与されたことが文書記録から確認できる場合は除く
26. その他の治験薬又は治験機器の臨床試験に無作為化前8週間(あるいは当該治験薬の消失半減期の5倍に相当する期間のいずれか長い方)以内に参加した者。ただし、プラセボのみが投与されたことが文書記録から確認できる場合は除く。
27. 全身麻酔が必要な手術を治験中に施行する予定がある者。局所麻酔だけが必要な手術、術後に入院しない日帰り入院で施行可能な手術を予定している場合、治験責任医師又は治験分担医師が治験実施及び患者の安全性確保に支障をきたさないと判断すれば、除外する必要はない。
28. 心理検査を正確に行う妨げとなる重度の視力障害又は難聴を有する者
 

【引用】
1)レケンビ点滴静注200㎎・500㎎適正使用ガイド p35-38 (DI-J‐947)
2)van Dyck CH, et al.: N Engl J Med 2023; 388(1): 9-21 [LEQ-0002]
[利益相反:本試験はエーザイ(株)の支援によって行われた。著者にエーザイ(株)の社員が含まれる。]
3)[承認時評価資料] 国際共同第III相プラセボ対照比較試験(301試験Core Study)[LEQ-0009]
 
【作成年月】
2023年12月

 

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