総合製品情報概要には、国際共同第III相プラセボ対照比較試験について以下のように記載されています(引用1、2、3)
■試験概要
注)5. 効能又は効果に関連する注意(一部抜粋)
5.2 承認を受けた診断方法、例えばアミロイドPET、脳脊髄液(CSF)検査、又は同等の診断法によりアミロイドβ病理を示唆する所見が確認され、アルツハイマー病と診断された患者のみに本剤を使用すること。
■有効性:主要評価項目 CDR-SBのベースラインからの変化量(各評価時点)
[18ヵ月:主要評価項目(検証的解析結果)]
国際共同第III相プラセボ対照比較試験の主要評価項目の結果は以下の通りでした。
主要評価項目(検証的解析結果)である投与18ヵ月後におけるCDR-SBのベースラインからの変化量(調整済み平均値)は、プラセボ群1.66、レケンビ群1.21、その差は-0.45であり、レケンビ群ではプラセボ群と比較して有意な悪化抑制が示され(27.1%抑制※、p<0.0001、MMRM解析)、レケンビ群のプラセボ群に対する優越性が検証された。
■安全性
副作用の発現率は、プラセボ群22.0%(197/897例)、レケンビ群44.7%(401/898例)であった。
主な副作用は、プラセボ群では、アミロイド関連画像異常-微小出血およびヘモジデリン沈着7.5%(67例)、注入に伴う反応7.1%(64例)、脳表ヘモジデリン沈着症2.2%(20例)、アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留1.7%(15例)、レケンビ群では、注入に伴う反応26.1%(234例)、アミロイド関連画像異常-微小出血およびヘモジデリン沈着13.6%(122例)、アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留12.6%(113例)、脳表ヘモジデリン沈着症5.2%(47例)、頭痛1.8%(16例)であった。
重篤な副作用は、プラセボ群では、心房細動、脳梗塞、認知障害発作、くも膜下出血および巨細胞性動脈炎が各1例であった。レケンビ群では、注入に伴う反応11例、アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留7例、アミロイド関連画像異常-微小出血およびヘモジデリン沈着2例、口の感覚鈍麻、過敏症、再発非ホジキンリンパ腫、感覚鈍麻および急性腎障害が各1例であった。
死亡に至った副作用は認められなかった。
投与中止に至った副作用は、プラセボ群では、過敏症、転倒、注入に伴う反応、肝酵素上昇、リウマチ熱、アミロイド関連画像異常-微小出血およびヘモジデリン沈着、浮動性めまい、認知障害発作、嗜眠、片頭痛、痙攣発作、くも膜下出血、失神および類天疱瘡が各1例であった。レケンビ群では、アミロイド関連画像異常-微小出血およびヘモジデリン沈着15例、アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留14例、注入に伴う反応12例、脳表ヘモジデリン沈着症4例、低体温、過敏症、再発非ホジキンリンパ腫、脳出血、うつ病、咳嗽および蕁麻疹が各1例であった。
有害事象(ARIAに関する有害事象)
レケンビ群における症候性※2ARIA-E、ARIA-Hの有害事象発現率はそれぞれ2.8%(25例)、1.4%(13例)であった。
※2 臨床症状を有する状態。ARIAは臨床症状を伴わないことが多いが、痙攣やてんかん重積等の重篤な事象が起こることがある。ARIAに関連する症状としては、頭痛、錯乱、視覚障害、めまい、吐き気、歩行障害等が報告されている。
【引用】
1)レケンビ点滴静注200mg・500mg総合製品情報概要 臨床成績 p28‐40 (LEQ1001CSG)
2)[承認時評価資料]国際共同臨床第III相試験(301試験) [LEQ-0009]
3)van Dyck CH, et al.: N Engl J Med. 2023; 388(1): 9-21. [LEQ-0002]
[利益相反:本試験はエーザイ(株)の資金提供によって行われた。著者にエーザイ(株)の社員が含まれる。]
【更新年月】
2024年9月