電子添文には、過量投与に関する以下の記載があります。
[ネオフィリン錠100mg・原末共通]
13.過量投与(引用1、2)
13.1 症状
テオフィリン血中濃度が高値になると、血中濃度の上昇に伴い、消化器症状(特に悪心、嘔吐)や精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等)、心・血管症状(頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等)、低カリウム血症その他の電解質異常、呼吸促進、横紋筋融解症等の中毒症状が発現しやすくなる。なお、軽微な症状から順次発現することなしに重篤な症状が発現することがある。
13.2 処置
過量投与時の処置には、テオフィリンの除去、出現している中毒症状に対する対症療法がある。消化管内に残存するテオフィリンの除去として催吐、胃洗浄、下剤の投与、活性炭の経口投与等があり、血中テオフィリンの除去として輸液による排泄促進、活性炭の経口投与、活性炭を吸着剤とした血液灌流、血液透析等がある。なお、テオフィリン血中濃度が低下しても、組織に分布したテオフィリンにより血中濃度が再度上昇することがある。
13.2.1 痙攣、不整脈の発現がない場合
(1)服用後短時間しか経過していないと思われる場合、嘔吐を起こさせることが有効である。服用後1時間以内の患者では特に有効である。
(2)下剤を投与する。ただし、体液、電解質の異常に注意すること。
(3)活性炭を反復投与し、テオフィリン血中濃度をモニターする。
(4)痙攣の発現が予測されるようなら、フェノバルビタール等の投与を考慮する。ただし、フェノバルビタールは呼吸抑制作用を示すことがあるので、使用に際しては注意すること。
13.2.2 痙攣の発現がある場合
(1)気道を確保する。
(2)酸素を供給する。
(3)痙攣治療のためにジアゼパム静注等を行う。痙攣がおさまらない場合には全身麻酔薬投与を考慮する。
(4)バイタルサインをモニターする。血圧の維持及び十分な水分補給を行う。
13.2.3 痙攣後に昏睡が残った場合
(1)気道を確保し、酸素吸入を行う。
(2)大口径の胃洗浄チューブを通じて下剤及び活性炭の投与を行う。
(3)テオフィリン血中濃度が低下するまでICU管理を継続し、十分な水分補給を続ける。活性炭を反復経口投与しても血中濃度が下がらない場合には、活性炭による血液灌流、血液透析も考慮する。
13.2.4 不整脈の発現がある場合
(1)不整脈治療としてペーシング、直流除細動、抗不整脈薬の投与等適切な処置を行う。
(2)バイタルサインをモニターする。血圧の維持及び十分な水分補給を行う。また、電解質異常がある場合はその補正を行う。
【引用】
1)ネオフィリン錠100mg電子添文 2023年10月改訂(第1版) 13.過量投与
2)ネオフィリン原末電子添文 2023年10月改訂(第1版) 13.過量投与
【更新年月】
2024年10月