軽度・中等度アルツハイマー型認知症患者を対象とした米国の臨床試験において、アリセプトを24週投与した後に、アリセプトの投与を中止したところ、中止後6週間でADAS‐cogは以下のとおりでした。(引用1)
ADAS-cogの経時変化(海外データ)[主要評価項目](引用1)より作図

【試験概要】
対象:軽度・中等度アルツハイマー型認知症患者473例
方法:アリセプト5mg、10mgまたはプラセボを1日1回24週間経口投与し、その後6週間のウォッシュアウトを行った。
評価項目:主要評価項目ADAS-cog、CIBIC plus
副次評価項目 MMSE、QOL、CDR-SB
有害事象:アリセプト5mg/日群でめまい15例(10%)、下痢14例(9%)など、10mg/日群で下痢27例(17%)、 嘔気26例(17%)など、プラセボ群で下痢11例(7%)、めまい7例(4%)などが認められた。
本剤は海外・国内の試験結果をもとに承認されたため、一部国内の承認と異なる成績が含まれています。
本邦でのアルツハイマー型認知症において承認されている用法及び用量は、錠・D錠・内服ゼリーでは以下の通りです。(引用2)
〈アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制〉
通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。
【関連情報】
ADAS-Jcogについてはインタビューフォーム「V.治療に関する項目」に以下の記載があります。(引用3)
■ADAS-Jcog
認知機能を評価するための方法であり、「単語再生、口頭言語能力、言語の聴覚的理解、自発話における喚語困難、口頭命令に従う、手指および物品呼称、構成行為、観念運動、見当識、単語再認、テスト教示の再生能力」の項目より評価する。得点の範囲は 0~70点(正常→重度)である。
【引用】
1)Rogers,S.L. et al. : Neurology. 50,p136-145,1998 [ART-0042] (本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施されました)
2)アリセプト錠3mg・5mg・10mg・細粒0.5%・D錠3mg・5mg・10mg・内服ゼリー3mg・5mg・10mg・ドライシロップ1%電子添文 2024年9月改訂(第4版) 6. 用法及び用量
3)アリセプト錠3mg・5mg・10mg・細粒0.5%・D錠3mg・5mg・10mg・内服ゼリー3mg・5mg・10mg・ドライシロップ1%インタビューフォーム 2024年9月改訂(第34版) V.治療に関する項目 5.臨床成績 (4)検証的試験 1)有効性検証試験・臨床試験 軽度および中等度のアルツハイマー型認知症
【更新年月】
2024年12月
【図表あり】