肝機能障害を有する患者について、電子添文には以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.3 肝機能障害患者(引用1)
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。
肝機能障害を有する患者の設定理由として、インタビューフォームの特別な背景を有する患者の設定理由の解説に以下の記載があります。(引用2)
外国臨床試験から、軽度、中等度及び高度肝機能障害患者では健康成人と比較して本剤のAUC0-infがそれぞれ4%減少、5%及び80%増加し、中等度及び高度の肝機能障害患者では、エスゾピクロンのt1/2の幾何平均値は9.6時間及び14.3時間であり、健康成人の6.5時間と比較して延長がみられた。また、軽度、中等度及び高度腎機能障害患者では、健康成人と比較して本剤のAUC0-infがそれぞれ40%、28%及び45%増加することが確認されており、本剤の作用が強くあらわれるおそれがある。なお、高度の肝機能障害患者又は高度の腎機能障害患者では、1回1mgを投与することとし、増量する場合には、1回2mgを超えないこととしている。
【関連情報】
電子添文には、肝機能障害を有する患者に関連する記載として以下の記載があります。
7. 用法及び用量に関連する注意(引用3)
7.3 高度の肝機能障害又は高度の腎機能障害のある患者では、1回1mgを投与することとし、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお増量する場合には、1回2mgを超えないこと。
ルネスタ錠の用法及び用量は以下の通りです。(引用4)
通常、成人にはエスゾピクロンとして1回2mgを、高齢者には1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えないこととする。
16. 薬物動態
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.2 肝機能障害患者(引用5)
軽度、中等度及び高度の肝機能障害患者におけるエスゾピクロンのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ13%、29%及び25%低下し、AUC0-infは軽度では4%減少し、中等度及び高度では5%及び80%増加した。また、t1/2はそれぞれ2%、66%及び130%延長した(外国人データ)。(引用6)
肝機能障害患者の薬物動態についてインタビューフォームに以下の記載があります。
肝機能障害患者(外国人データ)(引用7 )
外国人健康成人及び肝機能障害患者[ChildPugh分類5~6 点(軽度)、7~9点(中等度)、10~12点(高度)の患者]に、本剤 2mgを単回経口投与し、薬物動態を比較した。
健康成人と比較してエスゾピクロンのCmaxは、軽度、中等度、高度の順に、13%、29%、25%減少し、AUC0infは、軽度では4%減少し、中等度及び高度では5%及び80%増加した。また、中等度及び高度の肝機能障害患者では、エスゾピクロンのt1/2の幾何平均値は、9.6時間及び14.3時間であり、健康成人のt1/2の6.5時間と比較して、それぞれ3.2時間及び7.9時間の延長がみられた。(引用8)
【引用】
1)ルネスタ錠1mg・錠2mg・錠3mg電子添文 2022年7月改訂(第1版) 9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.3肝機能障害患者
2)ルネスタ錠1mg・錠2mg・錠3mgインタビューフォーム 2022年9月改訂(第11版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目6.特定の背景を有する患者に関する注意(3)肝機能障害患者
3)ルネスタ錠1mg・錠2mg・錠3mg電子添文 2022年7月改訂(第1版) 7. 用法及び用量に関連する注意7.3
4)ルネスタ錠1mg・錠2mg・錠3mg電子添文 2022年7月改訂(第1版) 6.用法及び用量
5)ルネスタ錠1mg・錠2mg・錠3mg電子添文 2022年7月改訂(第1版) 16. 薬物動態 16.6 特定の背景を有する患者16.6.2 肝機能障害患者
6)社内資料:肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験(外国試験)(2012年1月18日承認、CTD 2.7.6.10) [LUN-0004]
7) ルネスタ錠1mg・錠2mg・錠3mgインタビューフォーム 2022年9月改訂(第11版) VII.薬物動態に関する項 10.特定の背景を有する患者 (2)肝機能障害患者(外国人データ)
8)社内資料:肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験(外国試験)(2012年1月18日承認、CTD 2.7.6.10) [LUN-0004]
【更新年月】
2024年4月