電子添文には、小児への投与に関する以下の記載があります。
[ネオフィリン錠100mg・原末共通]
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.7 小児等(引用1、2)
9.7.1 小児、幼児、乳児
(1)テオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。
小児、特に乳幼児は成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすい。
なお、次の小児にはより慎重に投与すること。
・てんかん及び痙攣の既往歴のある小児
痙攣を誘発することがある。
・発熱している小児
テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。
・6ヵ月未満の乳児
乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない。テオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。
(2)小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。
(3)本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するなどの適切な対応をするように注意を与えること。
小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣る。
9.7.2 低出生体重児、新生児
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
【関連情報】
インタビューフォームには、小児への投与に関する以下の記載があります。
■小児等(引用3)
(解説)
小児ではテオフィリンクリアランスが変動しやすいためテオフィリン血中濃度のモニタリングを行い慎重に投与すること。(引用4、5)
・てんかん及び痙攣の既往歴のある小児:
痙攣を誘発することがある。
熱性痙攣の既往のある小児にキサンチン系薬剤を投与したところ、全身性痙攣を認めた症例が報告されている。痙攣の既往歴のある患者は、キサンチン系薬剤投与により痙攣が重症化(潜在因子が顕在化)することがある。(引用6)
全身性強直発作の既往のある小児で、気管支喘息のためテオフィリンを投与していたところ、間代性痙攣、チアノーゼを認めた症例が報告されている。
・発熱している小児:
テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。(引用7)
また、小児において痙攣の副作用例135例を検討したところ、中枢神経症状の既往がない症例では半分の症例が発熱していたとの報告がある。(引用8)
・6カ月未満の乳児:
乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない。6ヵ月未満の乳児ではテオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。(引用9)
【引用】
1)ネオフィリン錠100mg電子添文 2023年10月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7 小児等
2)ネオフィリン原末電子添文 2023年10月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7 小児等
3)ネオフィリン錠100mg・原末インタビューフォーム 2023年10月改訂(第11版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (7)小児等 (解説)
4)上野和行ら : 病院薬学. 1994 ; 20 (6) : 497-501[N-2297]
5)市川邦男ら : 日本小児アレルギー学会誌. 1992 ; 6 (2) : 75-81[N-2134]
6)小田島安平ら : 日本小児臨床薬理学会誌. 1997 ; 10 (1) : 9-13[TEO-0964]
7)鳥羽 剛ら : アレルギー. 1994 ; 43 (2) : 113-119[N-2255]
8)北林 耐ら : 日本小児臨床薬理学会雑誌. 1998 ; 11 (1) : 11-15[TEO-0776]
9)森川みきら : 日本小児アレルギー学会誌. 1995 ; 9 (1) : 46-53[N-2303]
【更新年月】
2024年10月