電子添文には、用法及び用量に関する以下の記載があります。
■用法及び用量
通常、成人にはB型ボツリヌス毒素として以下の用量を緊張筋注)に筋肉内注射する。緊張筋が複数ある場合は、分割して投与する。
・初回投与の場合には、合計で2500~5000単位を投与する。
・効果不十分または症状再発の場合には、合計で10000単位を上限として再投与することができる。ただし、2ヵ月以内の再投与は避けること。
注)緊張筋:胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋、肩甲挙筋、頭板状筋、頭半棘筋等(引用1)
■用法及び用量に関連する注意
1.本剤の力価(単位)は、本剤特有のもので、他のボツリヌス毒素製剤(A型ボツリヌス毒素製剤)とは異なること、また換算もできないことに留意し、必ず本剤の投与量を慎重に確認してから投与すること。(引用2)
2.緊張筋が深部であるなど、触診で緊張筋の同定が困難な場合には、筋電計を用いて注意深く目標とする部位を同定すること。(引用3)
3.効果が認められない場合は、用量及び投与部位について再検討した上で次の投与を行うこと。(引用4)
4.本剤投与筋の筋緊張が低下した後、その協働筋側の緊張が亢進し、異常姿勢をきたすことがあるため、初回投与以降も緊張筋を注意深く同定して投与すること。(引用5)
5.初回及び再投与により全く効果が認められない場合は、より高頻度・高投与量で投与を行っても効果が期待できない場合があるため、本剤の投与中止を考慮すること。(引用6)
6.筋ごとの適切な部位及び投与量に留意し、注射すること。臨床成績等から、以下のような投与部位及び投与量が推奨されている。(引用7)
注1)胸鎖乳突筋に投与する場合は、嚥下障害発現のリスクを軽減するため、両側への投与を避けること。
注2)肩甲挙筋へ投与する場合は、嚥下障害及び呼吸器感染のリスクが増大するおそれがあるので注意すること。
注3)各筋に対し、初めて投与する場合の投与量を示す。
注4)各投与部位への投与量の上限は通常1000単位までとし、最大でも2500単位を上限とすること。
7.他のボツリヌス毒素製剤(A型ボツリヌス毒素製剤)を投与後に本剤を使用する場合には、少なくとも他のボツリヌス毒素製剤の用法及び用量で規定されている投与間隔をあけるとともに、患者の症状を十分に観察した上で、効果が消失し、安全性上の問題がないと判断された場合にのみ投与すること。A型ボツリヌス毒素製剤の投与後3ヵ月以内に本剤を投与した場合の有効性及び安全性は確立されていない。先に投与された他のボツリヌス毒素の効果が消失する前に本剤を投与した場合には、神経筋接合部の麻痺等が増強し、呼吸困難、嚥下障害等の重篤な副作用が発現するおそれがある。(引用8)
【引用】
1)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 6.用法及び用量
2)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.1
3)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.2
4)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.3
5)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.4
6)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.5
7)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.6
8)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.7
【更新年月】
2022年9月