電子添文及びインタビューフォームには、警告に関する以下の記載があります。
(1)本剤の有効成分は、ボツリヌス菌によって産生されるB型ボツリヌス毒素であるため、使用上の注意を熟読した上で、用法・用量を厳守し、痙性斜頸以外には安全性が確立されていないので絶対使用しないこと。頸部以外の筋痙直、流涎過多、頭痛及び注射部位が不明なジストニーの患者で、本剤による治療中に因果関係を否定できない死亡例の報告がある。(引用1)
(2)本剤の投与は、講習を受けた医師で、本剤の安全性及び有効性を十分理解し、高度な頸部筋の解剖学的知識、筋電図測定技術及び本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が行うこと。本剤による治療中に因果関係を完全に否定できない死亡例の報告がある。また、呼吸障害、嚥下障害等頸部関連筋に関する副作用があらわれるおそれがある。(引用2)
(3)本剤の投与により、呼吸困難があらわれることがある。嚥下障害から嚥下性肺炎を引き起こし、また、投与部近位への拡散により呼吸機能低下に至ったとする報告がある。[8.1.5、11.1.2参照]注(引用3)
注:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
【関連情報】
(解説)
(1)本剤の有効成分はボツリヌス菌によって産生される毒素であり、使用にあたっては使用上の注意を十分に熟知する必要がある薬剤であるため、本項を設定した。また、本剤は痙性斜頸以外には安全性が確立されていないため、用法及び用量を必ず遵守し、痙性斜頸以外には絶対に使用してはならない。(引用4)
(2)本剤を安全かつ有効に使用するには、本剤の特性(貯法や組成・性状等)、有効性や安全性、頸部筋の解剖学的知識、目標とする投与筋の同定や投与量の選択方法、施注手技等を十分に熟知する必要があるため、本項を設定した。本剤の特性、安全性や有効性、解剖学的知識、投与手技等を取得することを目的とした講習会を開催し、講習を受けた医師に限定して本剤を使用いただく体制としている。(引用4)
(3)外国市販後において本剤投与後、嚥下性肺炎や呼吸困難等の重篤な症状に至った症例が報告されているため、本項を設定した。本剤の投与に際しては嚥下障害や呼吸困難の発現に十分留意する必要がある。(引用4)
【引用】
1)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 1.警告 1.1
2)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 1.警告 1.2
3)ナーブロック筋注2500単位電子添文 2021年2月改訂(第1版) 1.警告 1.3
4)ナーブロック筋注2500単位インタビューフォーム 2021年2月改訂(第6版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 1.警告内容とその理由
【更新年月】
2022年9月