電子添文には薬効薬理に関する以下の記載があります。
18.薬効薬理(引用1)
18.1 作用機序
神経細胞膜のNa+チャネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制する作用により、知覚神経の求心性伝導を抑制する。(引用2)
18.2 局所麻酔作用
本薬の局所麻酔作用は、ウサギの角膜においてプロカインの4,000倍、コカインの500倍を示す。また、本薬の局所麻酔作用はpH1.0~2.0の強酸性下でも影響を受けず、強力な局所麻酔作用を示す。 (引用3、4)
18.3 ガストリン遊離抑制作用
Heidenhain pouchイヌを用いた実験では、本薬の経口投与により、アセチルコリン刺激による胃幽門部からのガストリンの遊離を抑制する。 (引用5)
18.4 胃酸分泌抑制作用
イヌを用いた実験では、本薬の経口投与により、ペンタガストリン又は食餌刺激による胃酸分泌を抑制する。(引用6)
消化性潰瘍患者に本薬を経口投与し、胃内pHの変動をpH電極を胃内に挿入して測定すると、投与 1 時間後には全例の胃内pHは 3 以上に上昇する。(引用7)
18.5 胃腸管運動抑制作用
麻酔イヌに本薬を経口投与すると胃の自律運動は抑制され、更に塩化バリウムによって実験的に引き起こされた胃、十二指腸の運動亢進を本薬は緩解させる。(引用8)
【引用】
1)ストロカイン錠5mg電子添文2023年9月改訂(第1版)18.薬効薬理
2)第十八改正日本薬局方解説書(廣川書店). C-1227-C-1230 [SR-0044]
3)Farrar G.E. et al.:Pa. Med. J. 1962;65:1369-1372 [SR-0003]
4)Seifter J. et al.:Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 1962;109:664-668 [SR-0004]
5)Posey E.L. et al.:Am. J. Gastroenterol. 1971;55:54-57 [SR-0006]
6)Posey E.L. et al.:Am. J. Dig. Dis. 1969;14(11):797-800 [SR-0005]
7)山形敞一ら:診療. 1968;21:1035-1041 [SR-0008]
8)難波良司ら:日本消化器病学会雑誌. 1966;63(3):271-274-C [SR-0007](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
【更新年月】
2024年9月
【図表あり】