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  • No : 15102
  • 公開日時 : 2020/03/11 22:54
  • 更新日時 : 2025/05/12 12:55
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【デエビゴ】 高齢者で有効性・安全性を検討した報告はありますか?

【デエビゴ】 


高齢者で有効性・安全性を検討した報告はありますか?

 

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回答

高齢者(65歳以上)のみを対象とした臨床試験は実施していません。ご参考として海外第Ⅲ相プラセボ/ゾルピデムER対照比較試験[外国304試験](海外データ)では男性65歳以上、女性55歳以上を対象として有効性・安全性を検討しています。

 

海外第III相プラセボ/ゾルピデムER対照比較試験[外国304試験](海外データ)(引用1、2、3)
試験概要

デエビゴの承認された用法及び用量は「通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする」です。(引用4)

 

また、電子添文には高齢者への投与について以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.8 高齢者(引用5)
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者での薬物動態試験において、非高齢者と比較して血漿中濃度が高くなる傾向が認められている。また、一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。

 

■有効性
睡眠潜時(LPS)のベースラインからの変化量
(Day 29/30 プラセボ群との比較)[主要評価項目(検証的評価項目)]
(Day 29/30 ゾルピデムER群との比較、Day 1/2 プラセボ群及びゾルピデムER群との比較)[副次評価項目]
※:LPSは正規分布しないことから、解析では対数変換を用いた。群間比較は対比に基づき行い、p値、最小二乗幾何平均値の比(デエビゴ/プラセボ、ゾルピデムER/プラセボ又はデエビゴ/ゾルピデムER)とその95%信頼区間を算出した。

 

Day 29/30における睡眠潜時のベースラインからの変化量(中央値)は、デエビゴ5mg群では-12.00分、10mg群で
は-16.25分であった。
ベースラインからの変化量のプラセボ群との比(最小二乗幾何平均値)は、デエビゴ5mg群では0.773(p=0.0003)、
10mg群では0.723(p<0.0001)であり、プラセボ群と比較して有意な短縮が認められ、優越性が検証された。
睡眠潜時の短縮は、プラセボ群と比較してDay 1/2において有意に認められ、プラセボ群に対する変化量の比(最小二乗幾何平均値)は、デエビゴ5mg群では0.850(p=0.0092)、10mg群では0.795(p=0.0002)であった。
ゾルピデムER群との比較では、Day 29/30におけるベースラインからの変化量のゾルピデムER群との比(最小二乗幾何平均値)は、デエビゴ5mg群では0.634(p<0.0001)、10mg群では0.594(p<0.0001)であり、ゾルピデムER群と
比較して有意な短縮が認められた。


睡眠潜時(sSOL)のベースラインからの変化量
(投与開始後7日間、投与期終了前7日間 プラセボ群及びゾルピデムER群との比較)[副次評価項目]
※:sSOLは正規分布しないことから、解析では対数変換を用いた。群間比較は対比に基づき行い、p値、最小二乗幾何平均値の比(デエビゴ/プラセボ、ゾルピデムER/プラセボ又はデエビゴ/ゾルピデムER)とその95%信頼区間を算出した

 

睡眠潜時について主観的評価により検討した結果、投与期終了前7日間における睡眠潜時のベースラインからの変化量(平均値)は、デエビゴ5mg群では-25.20分、10mg群では-24.79分であった。
ベースラインからの変化量のプラセボ群、ゾルピデムER群との比(最小二乗幾何平均値)は、デエビゴ5mg 群ではそれぞれ0.750(p<0.0001)、0.882(p=0.0176)、10mg 群ではそれぞれ0.689(p<0.0001)、0.811(p<0.0001)
であり、プラセボ群、ゾルピデムER群と比較して有意な短縮が認められた。
睡眠潜時の短縮は、プラセボ群、ゾルピデムER群と比較して投与開始後7日間において有意に認められ、プラセボ群、ゾルピデムER群に対する変化量の比(最小二乗幾何平均値)は、デエビゴ5mg 群ではそれぞれ0.815(p<0.0001)、0.898(p=0.0122)、10mg 群ではそれぞれ0.753(p<0.0001)、0.830(p<0.0001)であった。

 

中途覚醒時間(WASO)のベースラインからの変化量
(Day 1/2、Day 29/30 プラセボ群及びゾルピデムER群との比較)[副次評価項目※1
夜間後半部分の中途覚醒時間(WASO2H)のベースラインからの変化量
(Day 1/2、Day 29/30 プラセボ群との比較)[副次評価項目※1
(Day 1/2、Day 29/30 ゾルピデムER群との比較)[探索的評価項目※2

 

※1:副次評価項目は、WASOのデエビゴ各用量群とプラセボ群及びゾルピデムER群との比較、WASO2Hのデエビゴ各用量群とプラセボ群との比較である。
※2:探索的評価項目は、WASO2Hのデエビゴ各用量群とゾルピデムER群との比較である。

 

Day 29/30における中途覚醒時間のベースラインからの変化量のプラセボ群、ゾルピデムER群との差(最小二乗平均値)は、デエビゴ5mg群ではそれぞれ-23.96分(p<0.0001)、-7.72分(p=0.0073)、10mg群ではそれぞれ-25.35分(p<0.0001)、-9.10分(p=0.0016)であり、プラセボ群、ゾルピデムER群と比較して有意な短縮が認められた。
中途覚醒時間の短縮は、プラセボ群、ゾルピデムER群と比較してDay 1/2において有意に認められ、プラセボ群、ゾルピデムER群に対する変化量の差(最小二乗平均値)は、デエビゴ5mg群ではそれぞれ-33.40分(p<0.0001)、-6.16分(p=0.0154)、10mg群ではそれぞれ-42.27分(p<0.0001)、-15.03分(p<0.0001)であった。

 

■安全性
副作用発現率は、プラセボ群7.7%(16/209例)、ゾルピデムER 群15.2%(40/263例)、デエビゴ5mg 群11.3%
(30/266例)、10mg 群14.6%(39/268例)であった。
主な副作用は、プラセボ群では頭痛1.9%(4/209例)、浮動性めまい、傾眠がそれぞれ1.4%(3/209例)、ゾルピデムER群では浮動性めまい2.7%(7/263例)、頭痛2.3%(6/263例)、傾眠1.5%(4/263例)、デエビゴ5mg群では傾眠3.8%(10/266例)、頭痛3.4%(9/266例)、浮動性めまい0.8%(2/266例)、10mg群では傾眠6.3%(17/268例)、頭痛
3.0%(8/268例)、下痢、浮動性めまいがそれぞれ0.4%(1/268例)であった。
試験期間中、重篤な副作用及び死亡例はなかった。

 

投与中止に至った有害事象は、プラセボ群2例、ゾルピデムER群7例、デエビゴ5mg 群2例、10mg 群3例に認められ、有害事象は、プラセボ群では口腔腫脹、舌不快感、浮動性めまい、傾眠、寝汗が各1例、ゾルピデムER群では冠動脈疾患、過敏症、肺炎、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、背部痛、傾眠、不安、頻呼吸、末梢血管障害が各1例、デエビゴ5mg群では認知障害、頭痛、傾眠、悪夢が各1例、10mg群ではγ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、頭痛、嗜眠、坐骨神経痛が各1例であった。

 

 

【引用】
1)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg総合製品情報概要 臨床成績 5. 海外第Ⅲ相プラセボ/ゾルピデムER対照比較試験[外国304試験](海外データ) (DVG1001FSG)
2)外国304試験(承認時評価資料) [DVG-0019]
3)Murphy P. et al.: J Clin Sleep Med. 16(5), 765-773, 2020 [DVG-0078]
〔利益相反:本論文の著者のうち3名は、エーザイ(株)の社員である(過去の在籍者を含む)。著者にエーザイ(株)より資金提供を受領している者が含まれる。〕
4)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年12月改訂(第3版) 6. 用法及び用量
5)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年12月改訂(第3版) 9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.8


【更新年月】
2025年5月

KW:老人、前期高齢者、後期高齢者、高齢者への投与方法、心機能、心機能低下

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