hhcホットライン (平日9時~18時 土日・祝日9時~17時)
フリーダイヤル0120-419-497
Eisai hhc hotline Product Q&A
キーワードまたは文章で検索できます(200文字以内)
Q&A検索
キーワードの間に半角スペースを入れるとAND検索になります。
キーワードの間に"|"を入れるとOR検索になります。
キーワードの間に" -"を入れるとハイフンの後ろのキーワードを除外して検索します。
Drug Information
使用期限検索
  • 文字サイズ変更
  • S
  • M
  • L
PAGE TOP
  • No : 1393
  • 公開日時 : 2017/10/12 00:00
  • 更新日時 : 2021/03/18 11:20
  • 印刷

【ワーファリン】 III‐3.一般的維持量(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)

【ワーファリン】 
 
III‐3.一般的維持量(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)
カテゴリー : 

回答

ワルファリン療法での維持量は、個人差が大きく、血液凝固能検査(トロンボテスト、プロトロンビン時間)を行いつつ決定する(Ⅲ-1「ワルファリン療法への導入」の項参照)。

また、目標とする治療域によっても維持量は異なる(各適応疾患の治療域についてはⅢ-7「治療域の設定根拠」の項参照)。

成人の場合1~10mgまでの広範囲にわたるが、一般には1~5mgのことが多い8)。

維持量が9mg以上の場合は、服薬コンプライアンス・アドヒアランス不良などを含むワルファリンレジスタンス(Ⅲ-10「血液凝固能が不安定な時(原因と対応)」の項、Ⅶ-3「耐性(レジスタンス)」の項参照)を疑い、注意深い対応が必要である。


ワルファリンの代謝酵素の一つであるチトクロームP-450(CYP2C9)には遺伝子多型が確認され、ワルファリンの光学異性体S体の代謝能低下に影響することが知られており(Ⅳ-5「代謝」の項参照)2,3)、1mg以下の少量でも治療域に達する可能性がある。一方、ワルファリンが阻害するビタミンK代謝サイクルのビタミンK依存性エポキシドレダクターゼのサブユニット(VKORC1)の遺伝子多型が数種発見されている4)。その一部がワルファリンの抗凝固作用の感受性低下に関与し、維持投与量を増加することが報告5,6,7)され、耐性への関与も考えられている。

つまり、CYP2C9の遺伝子多型の症例では少量で作用が発現し、VKORC1の遺伝子多型の症例では維持量が2倍前後増える可能性が考えられ、維持量の個人差を考慮する場合、遺伝子多型の情報は重要と考えられる。

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]

1)青﨑 正彦:循環器科,    10,    218(1981)    WF-0017
2)Takahashi H et al.: Clin. Pharmacol. Ther.,    63,    519(1998)    WF-1118
3)Aithal GP et al.: Lancet,    353,    717(1999)    WF-1154
4)Rost S et al.: Nature,    427,    537(2004)    WF-2220
5)Sconce EA et al.: Blood,    106,    2329(2005)    WF-2224
6)Rieder MJ et al.: N. Engl. J. Med.,    252,    2285(2005)    WF-2247
7)Mushiroda T et al.: J. Hum. Genet.,    51,    249(2006)    WF-2308
8)市川 創造ら:新薬と臨床,    61,    299(2012)    WF-3605

 

【更新年月】

2021年1月

 

アンケート:ご意見をお聞かせください