電子添文には、臨床成績に関する以下の記載があります。
<骨粗鬆症>
■国内第III相試験(非劣性二重盲検比較試験注1):骨密度に対する効果)
骨粗鬆症患者を対象に、リセドロン酸ナトリウムとして1日1回2.5mg注2)又は週1回17.5mgを48週間経口投与した結果、 48週後の腰椎平均骨密度(L2-4BMD)増加率は1日1回2.5mg注2)投与群で5.87%(n=195うち男性9例)、週1回17.5mg投与群で5.36%(n=214うち男性3例)であり、週1回17.5mg投与は、1日1回2.5mg注2)投与に対する非劣性が確認された。副作用発現頻度は週1回17.5mg投与群で24.9%(62/249)であり、主な副作用は胃不快感6%(15/249)、上腹部痛1.6%(4/249)であった。(引用1、2)
■国内第III相試験(二重盲検比較試験注3):骨折発生頻度に対する効果)
骨粗鬆症患者を対象に、1日1回起床時にリセドロン酸ナトリウムとして2.5mg注2)を96週間経口投与した結果、本剤投与群(163例)での非外傷性の椎体骨折(既存骨折の増悪を含む)発生頻度は12.3%であった。本試験により、椎体骨折抑制効果が確認された。副作用発現頻度は31.5%(86/273)であり、主な副作用は上腹部痛6.2%(17/273)、嘔気2.2%(6/273)であった。(引用3、4)
<骨ページェット病>
■国内第III相試験
骨ページェット病患者を対象に、1日1回リセドロン酸ナトリウムとして17.5mgを8週間経口投与した結果、投与開始24週後のExcess血清AL-P値注4)の平均変化率は-85.3%(n=11)、投与開始48週後のExcess血清AL-P値注4)の平均変化率は-82.1%(n=11)であった。副作用発現頻度は25%(3/12)であり、その内訳は、下痢、胃不快感、末梢性浮腫であった。(引用5、6)
■海外第III相試験
骨ページェット病患者を対象とした外国における二重盲検比較試験の結果、リセドロン酸ナトリウム1日1回30mg投与群(60日間投与)注5)及びエチドロン酸二ナトリウム1日1回400mg投与群(180日間投与)において、投与開始12ヵ月後までにおけるExcess血清AL-P値注4)の最大75%以上低下した被験者の割合は、それぞれ85.0%(51/60例)及び23.3%(14/60例)であり、投与開始後180日目でのExcess血清AL-P値注4)の平均変化率はそれぞれ-87.9%(n=56)及び-40.6%(n=57)であった。
また、投与開始18ヵ月後において、血清AL-P値が正常に達し、維持されたのはリセドロン酸ナトリウム投与群で53%(17/32例)であり、エチドロン酸二ナトリウム投与群で14%(4/29例)であった。
副作用発現頻度は47.5%(29/61)であり、主な副作用は下痢11.5%(7/61)、悪心8.2%(5/61)、関節痛8.2%(5/61)、頭痛4.9%(3/61)であった。(引用7、8)
注1)基礎治療薬として1日1回夕食後にカルシウムとして200mgを経口投与
注2)本剤の骨粗鬆症に対する国内承認用量は週1回17.5mgである。
注3)基礎治療薬として1日1回昼食後にカルシウムとして200mgを経口投与
注4)Excess血清AL-P値=血清AL-Pの実測値-(基準値の最大値+基準値の最小値)/2
注5)本剤の骨ぺージェット病に対する国内承認用量は1日1回17.5mgを8週間連日投与である。
【引用】
1)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.1国内第III相試験(非劣性二重盲検比較試験:骨密度に対する効果)
2)H. Kishimoto et al.: J. Bone Miner. Metab. 2006; 24: p405-413 [ACL-0160]
3)アクトネル錠17.5mg添付文書 2023年1月改訂(第3版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.2国内第III相試験(二重盲検比較試験:骨折発生頻度に対する効果)
4)K. Kushida et al.: J. Bone Miner. Metab. 2004; 22: p469-478 [ACL-0094]
5)アクトネル錠17.5mg添付文書 2023年1月改訂(第3版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.3国内第III相試験
6)リセドロン酸ナトリウムの臨床試験成績(承認年月日:2008年7月16日:CTD 2.7.3.2) [ACL-0412]
7)アクトネル錠17.5mg添付文書 2023年1月改訂(第3版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.4海外第III相試験
8)P. D. Miller et al.: Am. J. Med. 1999; 106: p513-520 [ACL-0046]
【更新年月】
2023年5月