• No : 1198
  • 公開日時 : 2016/11/15 00:00
  • 更新日時 : 2025/01/22 10:38
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【アリセプト】 3mgを継続投与してもよいですか?

【アリセプト】 
 
3mgを継続投与してもよいですか?
 
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回答

電子添文「7.用法及び用量に関連する注意」に以下の記載があります。(引用1)
3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として1~2週間を超えて使用しないこと。
 
●軽度・中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象とした国内後期第II相試験として、アリセプト3㎎、5㎎またはプラセボのいずれかを1日1回12週間経口投与する3群間による平行群間二重盲検比較試験が実施されました。その層別解析において、ADAS-Jcogによる認知機能の変化については、アリセプト5㎎/日群においては投与前からの有意な改善が認められました(p<0.001,Wilcoxonの符号付き順位和検定)が、3mg/日群では有意差が認められませんでした(p=0.064,Wilcoxonの符号付き順位和検定)。(引用2)
 
●レビー小体型認知症を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験において、アリセプト3㎎、5㎎、10㎎またはプラセボを1日1回朝、12週間経口投与し、認知症への効果を検討しました。3mg/日投与群は3mg/日、5mg/日投与群は最初の2週間は3mg/日を投与し、その後5mg/日へ増量しました。10mg/日投与群は最初の2週間は3mg/日を投与し、その後4週間は5mg/日、さらにその後10mg/日へ増量しました。
有効性評価項目;CIBIC-plus(全般的臨床症状評価)※1、MMSEの投与開始時からの変化量※2、WMSーR注意/集中力指標の合計得点の投与開始時からの変化量※2、NPIー2(幻覚及び認知機能変動)の投与開始時からの変化量※2、NPI個別項目の投与開始時からの変化量※2
結果:CIBIC-plus(全般的臨床症状評価)およびMMSEの投与開始時からの変化量に関しては3㎎/日投与群とプラセボ群において有意差があったものの、(CIBIC-plus:p<0.001、2標本Wilcoxon検定、最終時点でのMMSEの変化量:p=0.046、t検定)それ以外の試験項目において3㎎/日投与群ではプラセボ群と有意差は認められませんでした。(引用3)
※1投与開始時、12週、最終
※2投与開始時、投与4、8、12週、最終
 
上記の2試験において、アリセプト3㎎/日投与群での有効性は認められませんでした。
 
【試験概要】
●軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象とした後期臨床第Ⅱ相試験(アリセプト3mg、5mg、プラセボによる並行群間二重盲検試験)(引用2)
目的:アルツハイマー型認知症に対するアリセプトの用量設定試験。
試験デザイン:国内第II相、3㎎、5㎎、プラセボ対照、並行群間、二重盲検比較試験
対象:軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症患者187例にアリセプト3㎎、5㎎、またはプラセボを投与した(3㎎群:64例、5㎎:64例、プラセボ群:59例)。
方法:観察期間(4週間以内)ののち、アリセプト3㎎、5㎎、あるいはプラセボのいずれかを1日1回、12週間経口投与した。
評価項目 
有効性評価項目:
主要評価項目  全般的臨床症状評価(最終)、ADAS‐Jcog得点の投与開始時からの変化量(最終)。副次評価項目  全般的臨床症状評価、ADAS-Jcog得点の投与開始時からの変化量、CDR合計点数の投与開始時からの変化量、CMCS(家族または介護者の印象)合計得点の投与開始時からの変化量
安全性評価項目:
副作用 等
 
●レビー小体型認知症を対象とした国内第II相臨床試験(プラセボ対照二重盲検比較試験、用量探索試験)(431試験)(引用3、4)
目的:レビー小体型認知症(DLB)患者におけるアリセプトの有効性及び安全性を探索的に検討した。
試験デザイン:国内第II相、多施設共同、プラセボ対照、二重盲検,無作為化、並行群間比較試験
対象:レビー小体型認知症患者140例(プラセボ群34例、3mg35例、5mg群33例、10mg群37例)
方法:観察期間(2週間)ののち、アリセプトまたはプラセボを1日1回朝、12週間経口投与し、下記項目にて評価した。
なお、3mg投与群は3mg/日、5mg投与群は最初の2週間は3mg/日を投与し、その後5mg/日へ増量した。
10mg投与群は最初の2週間は3mg/日を投与し、その後4週間は5mg/日、さらにその後10mg/日へ増量した。
評価項目
主要評価項目:本試験は探索的試験であり、主要評価項目は選択していない。
有効性評価項目 CIBIC-plus(全般的臨床症状評価)※3、MMSEの投与開始時からの変化量※4、WMSーR注意/集中力指標の合計得点の投与開始時からの変化量※4、NPIー2(幻覚及び認知機能変動)の投与開始時からの変化量※4、NPI個別項目の投与開始時からの変化量※3
※3 投与開始時、12週、最終
※4 投与開始時、投与4、8、12週、最終
安全性評価項目 有害事象、副作用、UPDRS partⅢ(パーキンソン病統一スケール) 等
 
適正使用の観点より、電子添文の「用法及び用量」通りのご使用をお願いしております。
 
【関連情報】
錠、D錠、内服ゼリーの用法及び用量は以下の通りです。
用法及び用量(引用5)
〈アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制〉 
通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。 
 
〈レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制〉 
通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により5mgまで減量できる。 投与開始12週間後までを目安に、認知機能検査、患者及び家族・介護者から自他覚症状の聴取等による有効性評価を行い、認知機能、精神症状・行動障害、日常生活動作等を総合的に評価してベネフィットがリスクを上回ると判断できない場合は、投与を中止すること。投与開始12週間後までの有効性評 価の結果に基づき投与継続を判断した場合であっても、定期的に有効性評価を行い、投与継続の可否を判断すること。
 

【引用】
1)アリセプト錠3mg・5mg・10mg・細粒0.5%・D錠3mg・5mg・10mg・内服ゼリー3mg・5mg・10mg・ドライシロップ1%電子添文 2024年9月改訂(第4版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.1
2)本間昭ら:臨床評価 26,p251-284(1998)[ART-0039] (本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施されました。)
3)アリセプト錠3㎎・5㎎・10㎎・細粒0.5%・D錠3㎎・5㎎・10㎎・内服ゼリー3㎎・5㎎・10㎎・ドライシロップ1%製品情報概要 臨床成績 レビー小体型認知症を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験p12 (ART1692CSG)
4) Mori, E. et al.: Ann. Neurol., 72(1), 41-52(2012)[ART-2536](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施されました。著者にエーザイ(株)から金銭を受け取った者が含まれます。)
5)アリセプト錠3mg・5mg・10mg・D錠3mg・5mg・10mg・内服ゼリー3mg・5mg・10mg電子添文 2024年9月改訂(第4版) 6.用法及び用量
 
【更新年月】
2025年1月

 
【図表あり】