電子添文には、肝機能障害患者への投与に関して以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.3 肝機能障害患者(引用1)
肝機能障害を有する患者に投与する場合は、減量を考慮すること。本剤のAUCが増加し、好中球減少の発現頻度が高くなる傾向がある。
16. 薬物動態
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.2 肝機能障害患者(引用2)
固形がん患者18例の肝機能をChild-Pugh分類によって、正常、軽度肝機能障害(Child-Pugh A)及び中等度肝機能障害(Child-Pugh B)に分類し、それぞれ本剤を1.4mg/m2、1.1mg/m2及び0.7mg/m2投与した際の薬物動態パラメータにおいて、肝機能の低下に伴いクリアランスの低下、半減期の延長、AUC(投与量補正時)の増加及びCmax(投与量補正時)の増加が認められた(外国人データ)。(引用3)
肝機能正常患者及び肝機能障害患者における薬物動態パラメータ
注)エリブリン1mgあたりに補正した数値を示す。
なお、本剤の承認された効能又は効果、用法及び用量は以下の通りです。
4. 効能又は効果(引用4)
手術不能又は再発乳癌、悪性軟部腫瘍
6. 用法及び用量(引用5)
通常、成人には、エリブリンメシル酸塩として、1日1回1.4mg/m2(体表面積)を2~5分間かけて、週1回、静脈内投与する。これを2週連続で行い、3週目は休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
【引用】
1)ハラヴェン静注1mg電子添文 2022年1月改訂(第1版) 9. 特定の背景を有する患者に関する注意9.3 肝機能障害患者
2)ハラヴェン静注1mg電子添文 2022年1月改訂(第1版) 16. 薬物動態16.6 特定の背景を有する患者 16.6.2 肝機能障害患者
3)Devriese LA et al.: Cancer Chemother Pharmacol 2012; 70: 823-832[HAL-0168](著者にエーザイ株式会社の社員が含まれる。)
4)ハラヴェン静注1mg電子添文 2022年1月改訂(第1版) 4. 効能又は効果
5)ハラヴェン静注1mg電子添文 2022年1月改訂(第1版) 6. 用法及び用量
【更新年月】
2025年1月
【図表あり】