電子添文には、過量投与に関する以下の記載があります。
[ワソラン錠40mg、ワソラン静注5mg共通]
13.過量投与(引用1、2)
13.1 徴候・症状
ショック、著明な血圧低下、心不全の悪化、完全房室ブロック等が認められたとの報告がある。
13.2 処置
13.2.1 ショックや心不全の悪化の場合
投与を中止し、昇圧剤、強心薬、輸液等の投与やIABP等の補助循環の適用を考慮すること。
13.2.2 心停止や完全房室ブロックの場合
投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン等の投与や心臓ペーシングの適用を考慮すること。
【関連情報】
インタビューフォームには、過量投与に関する以下の記載があります。
[ワソラン錠40mg]
■過量投与(引用3)
(解説)
ベラパミル過量投与による2症例について報告する。
2症例は、ベラパミルを各々、3.2g、4g服用し、両症例とも血圧低下と重篤な徐脈を呈していた。両症例のベラパミル最高血漿中濃度は、2,200ng/mL、2,700ng/mLであった。ベラパミルの血漿中濃度2,000ng/mL以上の時のベラパミルの遊離率は、12~15%で、ベラパミルの血漿中濃度1,000ng/mL以下の時の遊離率2~6%に比べ高く、急性中毒時には、ベラパミルの代謝が飽和に達していることが示唆された。(引用4)
注)電子添文に本剤の承認された用法及び用量として以下を記載しています。
6.用法及び用量(引用5)
成人:
〈 頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)〉
通常成人、1回1~2錠(ベラパミル塩酸塩として1回40~80mg)を、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により
適宜減量する。
〈 狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患〉
通常成人、1回1~2錠(ベラパミル塩酸塩として1回40~80mg)を、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により
適宜増減する。
小児:
〈 頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)〉
通常、小児には、ベラパミル塩酸塩として1日3~6mg/㎏(ただし、1日240mgを超えない)を、1日3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
【引用】
1)ワソラン錠40mg電子添文 2022年9月改訂(第1版) 13.過量投与 13.1 徴候・症状
2)ワソラン静注5mg電子添文 2022年2月改訂(第1版) 13.過量投与 13.1 徴候・症状
3)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 10.過量投与
4)Kivisto K.T. et al.:Hum. Exp. Toxicol., 1997;16:p35‒37 [VA-3194]
5)ワソラン錠40mg電子添文 2022年9月改訂(第1版) 6.用法及び用量
【更新年月】
2024年11月