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  • No : 1914
  • 公開日時 : 2017/10/25 00:00
  • 更新日時 : 2024/02/26 11:53
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【ワソラン】 特定の背景を有する患者に関する注意事項について教えてください。

【ワソラン】 
 
特定の背景を有する患者に関する注意事項について教えてください。
 
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回答

インタビューフォームには、合併症・既往歴等のある患者に関する以下の記載があります。
 
[ワソラン錠40mg]
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者(引用1)
9.1.1うっ血性心不全(重篤なうっ血性心不全を除く)又はその既往歴のある患者
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を更に低下させることがある。
 
9.1.2高度の徐脈(50拍/分未満)、又は第I度の房室ブロックのある患者
本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。
 
9.1.3低血圧の患者
本剤は血管拡張作用を有し、血圧を更に低下させることがある。
 
9.1.4 WPW、LGL症候群のある患者
本剤の房室伝導抑制作用により、心房興奮が副伝導路を通りやすくなる結果として心室細動を生じることがある。
 
9.1.5基礎心疾患(心筋症、弁膜症、高血圧性心疾患等)のある患者
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。
 
9.1.6筋ジストロフィーのある患者
本剤は主に平滑筋を弛緩させるが骨格筋に対しても作用を有し、筋収縮力を悪化させることがある。
 
9.1.7頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)のある患者
洞停止、洞不全症候群の誘発の危険性が高くなる。
 
9.2腎機能障害患者(引用2)
9.2.1重篤な腎不全のある患者
本剤は肝及び腎で代謝・排泄されるため、このような患者では本剤の血中濃度が予測以上に増加し、副作用に発展することがある。
 
9.3肝機能障害患者(引用3)
9.3.1重篤な肝不全のある患者
本剤は肝及び腎で代謝・排泄されるため、このような患者では本剤の血中濃度が予測以上に増加し、副作用に発展することがある。
 
9.5妊婦(引用4)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。
動物実験(マウス)で胎児毒性(死胚)が報告されている。
 
9.6授乳婦(引用5)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいて乳汁中への移行が報告されている。
 
9.7小児等(引用6)
小児等に本剤を使用する場合、小児等の不整脈治療に熟練した医師が監督すること。
新生児及び乳児はカルシウム拮抗剤の感受性が高く、徐脈、心停止等を生じる危険性が大きい。新生児及び乳児に本薬を静脈内投与した際、重篤な徐脈や低血圧、心停止等が認められたとの報告がある。
 
9.8高齢者(引用7)
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
 
[ワソラン静注5mg]
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者(引用8)
9.1.1低血圧の患者
本剤は血管拡張作用を有し、血圧を更に低下させることがある。
 
9.1.2第I度の房室ブロックのある患者
本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。
 
9.1.3 WPW、LGL症候群のある患者
本剤の房室伝導抑制作用により、心房興奮が副伝導路を通りやすくなる結果として心室細動を生じることがある。
 
9.1.4うっ血性心不全のある患者
本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させることがある。
 
9.1.5基礎心疾患(心筋症、弁膜症、高血圧性心疾患等)のある患者
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。
 
9.1.6筋ジストロフィーのある患者
本剤は主に平滑筋を弛緩させるが骨格筋に対しても作用を有し、筋収縮力を悪化させることがある。
 
9.1.7遺伝性果糖不耐症の患者
本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。
 
9.2腎機能障害患者(引用9)
9.2.1重篤な腎不全のある患者
本剤は肝及び腎で代謝・排泄されるため、このような患者では本剤の血中濃度が予測以上に増加し、副作用に発展することがある。
 
9.3肝機能障害患者(引用10)
9.3.1重篤な肝不全のある患者
本剤は肝及び腎で代謝・排泄されるため、このような患者では本剤の血中濃度が予測以上に増加し、副作用に発展することがある。
 
9.5妊婦(引用11)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。
動物実験(マウス)で胎児毒性(死胚)が報告されている。
 
9.6授乳婦(引用12)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいて本薬の経口投与で乳汁中への移行が報告されている。
 
9.7小児等(引用13)
新生児及び乳児はカルシウム拮抗剤の感受性が高く、徐脈、心停止等を生じる危険性が大きい。新生児及び乳児に本剤を投与した際、重篤な徐脈や低血圧、心停止等が認められたとの報告がある。
 
9.8高齢者(引用14)
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
 
【関連情報】
インタビューフォームには、特定の背景を有する患者に関する以下の記載があります。
 
[ワソラン錠40mg]
■特定の背景を有する患者に関する注意
(解説)
合併症・既往歴等のある患者(引用1)
9.1.2本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。
房室ブロックは伝導障害の程度により3種に大別され、比較的軽度の第I度には本剤は慎重な投与が必要であるが、中等症、重症のII、III度は禁忌である。
第I度ブロック:房室伝導時間が延長しているだけ、即ちPQ間隔が0.20秒以上のもの。
第II度ブロック:房室伝導が時折り中断されて心房から心室へ興奮が伝わらなくなる場合、心室収縮の脱落の状況によりWenckebach周期(房室伝導の杜絶と再回復を周期的に繰り返す)を示して脱落するMobitzI型とPQ延長を伴わずに急に1ないし幾つかの心室収縮が脱落するMobitzII型がある。
第III度ブロック:房室伝導路が完全に遮断され、心房は洞刺激により、心室は異所中枢によりおのおの独立して活動する完全房室ブロックである。
 
9.1.4本剤の房室伝導抑制作用により、心房興奮が副伝導路を通りやすくなる結果として心室細動を生じることがある。
WPW(Wolff‒Parkinson‒White)症候群を伴う心房粗動で心拍数が増加した例や、WPW症候群を伴う心房細動で心室細動を引き起こした例が報告されている。
WPW症候群やLGL(Lown‒Ganong‒Levine)症候群のように心房・心室間の副伝導路を伴う心房細動、心房粗動や発作性上室性頻拍では、本剤は房室結節を通る伝導は抑制するが、房室結節を迂回する副伝導路の順行性伝導を促進することがあるので、心室レートが著しく増加して、却って心房細動、心房粗動や発作性上室性頻拍を悪化させることがある。
 
9.1.5心筋症、弁膜症、高血圧性心疾患等の器質的心疾患を有する患者や心機能が低下した患者では、本剤の有する陰性変力作用により心機能を悪化させるおそれがある。
 
9.1.6本剤は主に平滑筋を弛緩させるが骨格筋に対しても作用を有し、筋収縮力を悪化させることがある。また、本剤投与により呼吸不全を起こしたとの報告があり、外国の添付文書にも記載されているため記載した。
 
9.1.7頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)の患者では、洞不全症候群の合併も予想される。このような患者に本剤を使用する場合には、洞機能不全が増強される可能性があるため、洞停止、洞不全症候群の誘発の危険性が高くなる。
 
肝機能障害患者(引用3)
腎不全の患者では腎クリアランスは低下するが、未変化体の尿中排泄は元来少ないこともあり、血中の薬物動態に変化は認められなかった。また、透析によっても血中濃度に変化は見られていなかった。
肝硬変、脂肪肝の患者にベラパミル5~10mgを5分で静注すると、分布相(1時間以内)では健康成人に比較して血中濃度の明らかな差は認められなかった。しかし、排泄相になると消失半減期は4~5倍に延長、クリアランスは1/2~1/3に減少し、血中濃度は健康成人より高値が持続した。
以上のように、肝・腎不全の患者への1回静注で作用が増強されることはないが、作用持続時間が延長することが考えられるので、特に反復して静注する場合はより一層の注意が必要となる。血圧と心電図上PR(PQ)間隔延長を厳重に監視し、少量から投与を始めること。なお、PR(PQ)間隔は房室伝導時間をよく反映するため、本剤の伝導抑制作用の指標となるものである。PQ間隔の正常域は0.12~0.20秒である。
 
小児等(引用6)
9.7.2国内外の教科書において、新生児、乳児への「ベラパミル塩酸塩」の投与は「禁忌」とされている場合もある。また、新生児、乳児は「Ca++拮抗剤への感受性が高く、徐脈、心停止等を生じる危険性が大きい」ため、投与は慎重に行う必要がある。
 
[ワソラン静注5mg]
■特定の背景を有する患者に関する注意
(解説)
合併症・既往歴等のある患者(引用8)
9.1.5本剤の作用機序であるCa++拮抗作用は、房室伝導抑制作用、洞結節抑制作用、心筋収縮力抑制作用、血管平滑筋弛緩作用(降圧作用)をあらわすため、低血圧、房室ブロック、心不全等を増悪させる可能性がある。これらの疾患が軽度な場合は慎重投与として、緩徐な静注速度、連続的心電図、頻回の血圧測定などを心がける。
・降圧作用    低血圧
・心抑制作用   うっ血性心不全、心筋症
・伝導抑制作用 第I度房室ブロック
房室ブロックは伝導障害の程度により3種に大別され、比較的軽度の第I度には本剤は慎重投与であるが、中等症、重症のII、III度には投与禁忌である。
第I度ブロック:房室伝導時間が延長しているだけ、即ちPQ間隔が0.20秒以上のもの。
第II度ブロック:房室伝導が時折り中断されて心房から心室へ興奮が伝わらなくなる場合、心室収縮の脱落の状況によりWenckebach周期(房室伝導の杜絶と再回復を周期的に繰り返す)を示して脱落するMobitzI型とPQ延長を伴わずに急に1ないし幾つかの心室収縮が脱落するMobitzII型がある。
第III度ブロック:房室伝導路が完全に遮断され、心房は洞刺激により、心室は異所中枢によりおのおの独立して活動する完全房室ブロックである。
心不全が重症でないか心拍数依存である(頻拍により心拍出量が低下している)場合には、ワソラン静注の使用は可能である。但し、最適なジギタリス及び利尿剤療法を行って、ワソラン静注投与前に心不全をコントロールしておかなければならない。
WPW(Wolff-Parkinson-White)症候群を伴う心房粗動で心拍数が増加した例や、WPW症候群を伴う心房細動で心室細動を引き起こした例が報告されている。
WPW症候群やLGL(Lown-Ganong-Levine)症候群のように心房・心室間の副伝導路を伴う心房細動、心房粗動や発作性上室性頻拍では、本剤は房室結節を通る伝導は抑制するが、房室結節を迂回する副伝導路の順行性伝導を促進することがあるので、心室レートが著しく増加して、却って心房細動、心房粗動や発作性上室性頻拍を悪化させることがある。
 
9.1.6本剤投与により呼吸不全を起こしたとの報告があり、外国の添付文書にも記載されているため記載した。(引用15)
 
9.1.7本剤の添加剤Dソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある(平成31年3月19日付、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知に基づき、記載した)。
 
腎機能障害患者(引用9)
腎不全の患者では、腎クリアランスは低下するが、未変化体の尿中排泄は元来少ないこともあり、血中の薬物動態に変化は認められなかった。また、透析によっても血中濃度に変化はみられていない。
以上のように、腎不全の患者への1回静注で作用が増強されることはないが、作用持続時間が延長することが考えられるので、特に反復して静注する場合はより一層の注意が必要となる。血圧と心電図上PR(PQ)間隔延長を厳重に監視し、少量から投与を始めること。なお、PR(PQ)間隔は房室伝導時間をよく反映するため、本剤の伝導抑制作用の指標となるものである。PQ間隔の正常域は0.12~0.20秒である。
 
肝機能障害患者(引用10)
肝硬変、脂肪肝の患者にベラパミル5~10注)mgを5分で静注すると、分布相(1時間以内)では健康成人に比較して血中濃度の明らかな差は認められなかった。しかし、排泄相になると消失半減期は4~5倍に延長、クリアランスは1/2~1/3に減少し、血中濃度は健康成人より高値が持続した。
以上のように、肝不全の患者への1回静注で作用が増強されることはないが、作用持続時間が延長することが考えられるので、特に反復して静注する場合はより一層の注意が必要となる。血圧と心電図上PR(PQ)間隔延長を厳重に監視し、少量から投与を始めること。なお、PR(PQ)間隔は房室伝導時間をよく反映するため、本剤の伝導抑制作用の指標となるものである。PQ間隔の正常域は0.12~0.20秒である。
注)成人の承認用法・用量は「ベラパミル塩酸塩として5mgを、必要に応じて生理食塩水又はブドウ糖注射液で希釈し、5分以上かけて徐々に静脈内に注射する。なお年齢、症状により適宜増減する。」である。
 
小児等(引用13)
新生児、乳児は、「Ca++拮抗剤への感受性が高く、徐脈、心停止等を生じる危険性が大きい」ため、投与は慎重に行う必要がある。
 

【引用】
1)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (1)合併症・既往歴等のある患者
2)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (2)腎機能障害患者
3)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (3)肝機能障害患者
4)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (5)妊婦
5)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (6)授乳婦
6)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (7)小児等
7)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (8)高齢者
8)ワソラン静注5mgインタビューフォーム 2022年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (1)合併症・既往歴等のある患者
9)ワソラン静注5mgインタビューフォーム 2022年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (2)腎機能障害患者
10)ワソラン静注5mgインタビューフォーム 2022年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (3)肝機能障害患者
11)ワソラン静注5mgインタビューフォーム 2022年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (5)妊婦
12)ワソラン静注5mgインタビューフォーム 2022年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (6)授乳婦
13)ワソラン静注5mgインタビューフォーム 2022年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (7)小児等
14)ワソラン静注5mgインタビューフォーム 2022年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (8)高齢者
15)Zalman F. et al.:Am. Heart J., 1983;105(3):p510-511 [VA-1134]
 
【更新年月】
2024年2月

 
 

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