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  • No : 19071
  • 公開日時 : 2025/03/31 13:19
  • 更新日時 : 2025/03/31 16:03
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【アリセプト・レビー小体型認知症】 レビー小体型認知症患者に対する国内第III相試験(341試験)の試験結果(認知機能、精神症状)について教えてください。

【アリセプト・レビー小体型認知症】 
 
レビー小体型認知症患者に対する国内第III相試験(341試験)の試験結果(認知機能、精神症状)について教えてください。
 
カテゴリー : 

回答

レビー小体型認知症における国内第III相試験(341試験)について製品情報概要には以下の記載があります。(引用1、2、3)
 
レビー小体型認知症を対象とした国内第III相臨床試験(プラセボ対照二重盲検比較試験パート)(341試験)
目的:レビー小体型認知症患者を対象に、MMSEを用いた認知機能及びNPI-2(幻覚、認知機能変動)を用いた精神症状・行動障害を主要評価項目として、アリセプト(5mg/日及び10mg/日12週間投与)のプラセボに対する優越性を検討した。
 
試験デザイン:国内第III相、多施設共同、プラセボ対照、無作為化、並行群間比較試験及びそれに続く継続投与試験
 
対象:レビー小体型認知症患者※1 142例
プラセボ群46例、5mg群47例、10mg群49例
有効性解析対象例※2 138例
安全性解析対象例 142例
を解析対象例とした。なお、脳卒中、脳腫瘍、統合失調症、てんかん、正常圧水頭症、精神遅滞、意識消失を伴う頭部外傷、残存欠損を伴う脳手術既往歴等の重大な神経・精神疾患を合併している患者は除外した。
※1 probable DLB(第1回国際ワークショップ版診断基準に基づく) MMSE10~26点、CDR0.5以上、改訂版NPI-12 8点以上、NPI - 2 1点以上
※2 FAS
  
 
方法:アリセプトまたはプラセボを1日1回朝、12週間経口投与した。なお、5mg投与群は最初の2週間は3mgを投与し、その後5mgへ増量した。10mg投与群は最初の2週間は3mgを投与し、その後4週間は5mg、さらにその後10mgへ増量した。
評価項目
有効性評価項目
主要評価項目: MMSEの投与開始時からの変化量(最終)、NPI - 2(幻覚及び認知機能変動)の投与開始時からの変化量(最終)
副次評価項目: NPI-10の投与開始時からの変化量(最終)、NPI個別項目の投与開始時からの変化量(最終)等
安全性評価項目 有害事象、副作用、UPDRS partIII(パーキンソン病統一スケール)
 
解析計画
有効性解析対象集団はFASとした。MMSE、NPIともに、治療期治験薬投与前からの変化量に対して、投与群及び投与前値(共変量)による共分散分析を用いて、プラセボ群に対する各実薬群の比較のための対比の検定を行った。また、安全性解析対象において、副作用の例数を集計した。
 
●認知機能評価:MMSEの投与開始時からの変化量(最終※3)[主要評価項目(検証的解析結果)]
主要評価項目(検証的解析結果)であるMMSE(最終※3)の投与開始時からの変化量(平均値)のプラセボ群との差は、5mg群、10mg群それぞれ0.8点、1.6点であり、5mg群ではプラセボ群と比較して有意差は検証されなかった(共分散分析モデル)。10mg群ではプラセボ群と比較して有意な改善が認められ、優越性が検証された(p=0.016、共分散分析)。
 
※3 最終:原則として12週時の評価であるが、中止、脱落例については、欠測直前の最終データを解析の対象とした。
 
●精神症状評価: NPI-2(幻覚及び認知機能変動)の投与開始時からの変化量(最終※4
[主要評価項目(検証的解析結果)]
主要評価項目(検証的解析結果)である幻覚、認知機能変動を評価するNPI- 2スコア(最終※4)の投与開始時からの変化量(平均値)のプラセボ群との差は、5mg群、10mg群それぞれ0.4点、-0.7点であり、両群ともにプラセボ群との間に有意差は認められず、優越性は検証されなかった(共分散分析)。
なお、最終※における投与開始時からの変化量(平均値)は、プラセボ群で−2.1±0.6点、5mg群で−1.8±0.6点、10mgで−2.8±0.5点であった。
 
※4 最終:原則として12週時の評価であるが、中止、脱落例については、欠測直前の最終データを解析の対象とした
 
副作用
投与12週完了までに、プラセボ群46例中11例(23.9%)、5mg群47例中12例(25.5%)、10mg群49例中14例(28.6%)の副作用が認められた。
主な副作用はパーキンソニズムであり、プラセボ群2例(4.3%)、5mg群2例(4.3%)、10mg群4例(8.2%)であった。
重篤な副作用は5mg群1例(変形性関節症)に認められた。
死亡は認められなかった。
投与中止に至った副作用は、プラセボ群1例1件(激越)、5mg群7例15件(体重減少/変形性関節症、頻尿、悪心、不眠症/不安/幻視、易刺激性/激越/妄想症/心電図QT延長、認知障害/パーキンソニズム/幻覚、パーキンソニズム)、10mg群2例2件(血圧上昇、パーキンソニズム)に認められた。
 
レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制の用法及び用量は以下の通りです。
通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により5mgまで減量できる。
投与開始12週間後までを目安に、認知機能検査、患者及び家族・介護者から自他覚症状の聴取等による有効性評価を行い、認知機能、精神症状・行動障害、日常生活動作等を総合的に評価してベネフィットがリスクを上回ると判断できない場合は、投与を中止すること。
投与開始12週間後までの有効性評価の結果に基づき投与継続を判断した場合であっても、定期的に有効性評価を行い、投与継続の可否を判断すること。
 
【関連情報】
●電子添文「5.効能又は効果に関連する注意」に以下の記載があります。(引用4)
5.6精神症状・行動障害、全般臨床症状に対する本剤の有効性は確認されていない。
 
●MMSE、NPIについてはインタビューフォーム「V.治療に関する項目」に以下の記載があります。(引用5)
■MMSE 
認知機能を評価する方法で、「見当識、記銘、注意、計算、近時・遠隔記憶、了解、読書、書字・デザイン」から評価する。簡単に種々の認知能力を評価でき、さらに動作性能力も評価できる。得点の範囲は 30~0点(正常→重度)である。
 
■NPI
介護者による精神症状を評価するための方法。妄想、幻覚、興奮、うつ、不安、多幸、無感情、脱抑制、易刺激性、異常行動の10項目につき、それぞれの頻度を1~4の4段階で、重症度を1~3の3段階で評価する。点数が高いほど頻度、重症度が大きいことを示している。各項目のスコアは頻度×重症度で表され(1~12点)、10項目で合計1~120点となる。
 

【引用】
1)アリセプト錠3mg・5mg・10mg・細粒0.5%・D錠3mg・5mg・10mg・内服ゼリー3mg・5mg・10mg・ドライシロップ1% 製品情報概要 臨床成績 レビー小体型認知症を対象とした国内第III相臨床試験(341試験) p16 (ART1692CSG)
2)承認時評価資料:レビー小体型認知症を対象とした国内第III相臨床試験(341試験)
3)Ikeda,M. et al. : Alzheimers Res. Ther. 7(4),p1-10,2015 [ART-2877] (本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施されました)
4)アリセプト錠3mg・5mg・10mg・細粒0.5%・D錠3mg・5mg・10mg・内服ゼリー3mg・5mg・10mg・ドライシロップ1%電子添文 2023年5月改訂(第3版) 5.効能又は効果に関連する注意 5.6
5)アリセプト錠3mg・5mg・10mg・細粒0.5%・D錠3mg・5mg・10mg・内服ゼリー3mg・5mg・10mg・ドライシロップ1%インタビューフォーム 2023年5月改訂(改訂第33版) V.治療に関する項目 5.臨床成績 (4)検証的試験1)有効性検証試験・臨床効果 3.レビー小体型認知症
 
【更新年月】
2024年4月

 

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