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医療用医薬品一覧
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電子添文には、薬効薬理に関する以下の記載があります。
18. 薬効薬理(引用1)
18.1 作用機序
心筋細胞に作用し、Naチャネルの抑制作用により活動電位最大立ち上がり速度(Vmax)を抑制し、興奮伝導を遅延する。
18.2 実験的不整脈に対する作用
18.2.1 マウス及びイヌにおいて惹起した心室性不整脈(クロロホルム、アドレナリン、ウアバイン、冠動脈結紮)を経口及び静脈内投与で抑制する。(引用2、3、4)
18.2.2 イヌにおいてアコニチンにより惹起した心房性不整脈を静脈内投与で抑制する。(引用2、5)
18.3 電気生理学的作用
18.3.1 イヌのプルキンエ線維および心室筋において、静止膜電位に影響を与えることなく、最大脱分極速度(Vmax)及び活動電位振幅を減少する。(引用6)
18.3.2 モルモット心房筋及び心室筋のVmaxを刺激頻度依存的に抑制する。(引用7、8)
18.3.3 イヌにおいて、心室筋での有効不応期を延長し、プルキンエ線維の有効不応期を短縮する。(引用6)
18.3.4 モルモットのNaチャネルに対する結合、解離速度は特徴的に遅い。(引用9)
18.3.5 イヌの心房内伝導、ヒス-プルキンエ(H-V)伝導及び心室内伝導を遅延する。(引用10)
【関連情報】
インタビューフォームには、上記電子添文以外の情報として、薬効薬理に関する以下の記載があります。
■薬効を裏付ける試験成績(引用11)
1)実験的不整脈に対する作用
・マウスのクロロホルム誘発心室細動、イヌにおけるアドレナリン、ウアバインあるいは冠動脈結紮によって誘発された心室性不整脈を経口及び静脈内投与で抑制する。(引用2、3、4)
・イヌにおいてアコニチンにより惹起した心房性不整脈を静脈内投与で抑制する。(引用2、5)
2)電気生理学的作用
・静止膜電位に影響を与えることなく、活動電位最大立ち上がり速度(Vmax)及び活動電位振幅を減少する。(引用2、6、12、13、14)
・モルモットのNaチャネルに対する結合、解離速度は特徴的に遅い。(引用9)
刺激間隔は300msec。スパイクは活動電位のVmaxを表わす。
コントロールではVmaxの頻度依存性抑制(RDB)は軽度であった。各薬剤存在下では顕著なVmax抑制が認められた。抑制の程度は同程度であったが、抑制がプラトーに達するまでの時間経過に薬剤間の明確な差が認められた。
すなわち、抑制の発現はメキシレチンで速く、フレカイニド酢酸塩で遅く(60回の拍動の最初の20回と最後の3回を示した)、ジソピラミドではその中間であった。
活動電位休止時におけるVmaxの抑制(休止期ブロックRB)は、メキシレチンあるいはジソピラミドの存在下である程度認められたが、フレカイニド酢酸塩の場合にはほとんど認められなかった。
縦方向の目盛:200V/sec、水平方向の目盛:5sec
・イヌの心房内伝導、ヒス-プルキンエ伝導及び心室内伝導を遅延する。(引用10)
【引用】
1)タンボコール静注50mg電子添文 2023年5月改訂(第1版) 18. 薬効薬理
2)Kvam D. C., et al.:Am. J. Cardiol., 1984;53(5):22B-25B [TMB-0004]
3)Akiyama K., et al.:Jpn. Heart J., 1989;30(4):487-495 [TMB-0003](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
4)加藤浩嗣ら:薬理と治療, 1997;25(1):131-139 [TMB-0252](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
5)加藤浩嗣ら:薬理と治療, 1997;25(1):121-130 [TMB-0251](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
6)Ikeda, N. et al.:J. Am. Coll. Cardiol., 1985;5(2):303-310 [TMB-0002](本研究は3M社の支援を受けて実施された)
7)高仲知永ら:環境医学研究所年報, 1987; (38):204-208 [TMB-0005]
8)澤田光平:薬理と治療, 1997;25(1):141-149 [TMB-0253](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
9)Cambell T. J.: Br. J. Pharmacol., 1983;80(1):33-40 [TMB-0142]
10)加藤浩嗣ら:基礎と臨床, 1991;25(15):4785-4794 [TMB-0096](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
11)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VI.薬効薬理に関する項目 2.薬理作用 (2)薬効を裏付ける試験成績
12)Borchard U. et al.:J. Cardiovasc. Pharmacol., 1982;4(2):205‒212 [TMB-0155]
13)Schulze B. J. J. et al.:Arzneim. Forsch., 1982;32(II)(9):1025‒1029 [TMB-0156]
14)Cowan J. C. et al.:Eur. J. Pharmacol., 1981;73:333‒342 [TMB-0157]
【更新年月】
2025年3月