電子添文には、薬効薬理に関する以下の記載があります。
18.薬効薬理(引用1)
18.1 作用機序
抗酸化作用による脂質代謝改善、微小循環系賦活作用、血管強化作用、血小板凝集抑制作用を示すことが確認されているが、作用機序は明確ではない。
18.2 脂質代謝改善作用
18.2.1加齢ラットやコレステロール負荷ラットの実験でコレステロールの代謝回転を高めることにより、血中総コレステロール値を低下させる。これは本薬がコレステロールの異化・排泄を高めるためと考えられる。さらに過酸化脂質、中性脂肪も低下させる。(引用2、3)
18.2.2 ヒトの血中総コレステロールを低下させ、リポ蛋白代謝において血中HDL-コレステロールを上昇させる。(引用4)
18.3 微小循環系賦活作用
18.3.1 本薬の微小循環系賦活作用は、神経系を介さず、血管平滑筋に直接作用し、血管運動性を維持しながら耳殼血流を増加させることが無麻酔ウサギの実験で認められている。(引用5)
18.3.2 ヒトの末梢循環不全に対する改善作用は、ビタミンEとニコチン酸との併用よりも明らかに優れている。(引用6)
18.4 血管強化作用
ヒトの毛細血管の透過性亢進を改善し、紫斑数を減少させることが認められている。(引用7)
18.5 血小板凝集抑制作用
18.5.1 ヒトの凝集能が亢進している血小板に対するアドレナリン凝集、アラキドン酸凝集、コラーゲン凝集、ADP凝集のいずれにおいても血小板凝集抑制が認められている。(引用8)
18.5.2 ヒトの多血小板血漿に対するアラキドン酸凝集、コラーゲン凝集において血小板凝集抑制作用をトコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールで比較した結果、トコフェロールニコチン酸エステルが強力な抑制効果を示した。(引用9)
18.6 血中酸素分圧上昇作用
ヒトにおいて低下した血中酸素分圧を上昇させることが認められている。(引用10)
【引用】
1)ユベラNカプセル100mg・ソフトカプセル200mg電子添文 2023年7月改訂(第1版) 18.薬効薬理
2)Takeuchi N. et al.:Tocopherol, Oxygen and Biomembranes,1978:257-272 [EN-0214]
3)瀬山義幸ら:動脈硬化,1985;12(6):1457-1462 [EN-0331]
4)川本敏雄ら:臨牀と研究,1981;58(2):551-558 [EN-0319]
5)Asano M. et al.:Biochem. Exp. Biol., 1980;16(4):341-348 [EN-0343]
6)Kamimura M.:Am. J. Clin. Nutr., 1974;27(10):1110-1116 [EN-0158]
7)Hirata Y.:International Symposium on Vitamin E, 1970:265-271 [EN-0037]
8)室井秀一ら:血液と脈管,1980;11(4):629-636 [EN-0261](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
9)Svensson J. et al.:Int. J. Vitam. Nutr. Res., 1978;48(3):250-254 [EN-0213]
10)von Böhlau V. et al.:Arzneimittelforschung, 1971;21(5):674-676 [EN-0089](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
【更新年月】
2025年1月
【図表あり】