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  • No : 1632
  • 公開日時 : 2017/10/18 00:00
  • 更新日時 : 2019/05/07 18:00
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【ワーファリン】 Ⅷ‐4.[COX-2選択的阻害剤]との相互作用セレコキシブ (セレコックス)(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐4.[COX-2選択的阻害剤]との相互作用セレコキシブ (セレコックス)(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 114 解熱鎮痛消炎剤〕

 

[相互作用の内容]

本剤の作用を増強する可能性がある。【セレコキシブの添付文書に併用注意の記載がある】

 

[併用時の注意]

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。

セレコキシブによる消化管出血を助長する可能性にも留意すること。

 

[相互作用の機序]

セレコキシブが本剤の肝薬物代謝酵素CYP2C9を阻害する。

本剤がセレコキシブの副作用である消化管出血を助長する。

 

[相互作用の事例]

<臨床研究報告>1)【ワルファリンの作用増強】

セレコキシブ、ロフェコキシブ(COX-2阻害剤、本邦販売なし)とワルファリンの相互作用の検討。変形性関節症、関節リウマチ、慢性疼痛で、アセトアミノフェン、サリチル酸や従来からのいわゆるNSAIDsを服用中で、目標INR2~3または2.5~3.5でワルファリン療法施行中の患者16例を検討対象とした。従来服用中の鎮痛抗炎症剤を中止してCOX-2阻害剤を3週投与し、次いで1週間は従前の鎮痛抗炎症剤を投与、その後に最初のCOX-2阻害剤とは別の薬剤を3週投与する無作為クロスオーバー試験を、オープンラベルで実施した。平均INRは、セレコキシブ投与前2.5、1週後2.8、2週後2.6、3週後2.6で、投与前に比し1週後で13%の有意な上昇を示したが、2~3週後は有意差はなかった。ロフェコキシブ投与前、1週後、2週後、3週後の平均INRは各々2.7、2.8、2.9、2.8で、投与前に比し2週後に9%の有意な上昇を示したが、1週後と3週後は有意差はなかった。セレコキシブ期に2例、ロフェコキシブ期に4例でワルファリンの減量を要した。INRが15%以上の上昇を示したのは、ロフェコキシブ期、セレコキシブ期とも8例で、4例は両剤ともに15%以上上昇した症例であった。INR>4となった症例はなかった。ワルファリンと鎮痛剤併用で安定したINRの患者にCOX-2阻害剤を投与した所、INRが有意に上昇した。(海外)

 

<臨床研究報告>2)【セレコキシブによる出血の増強】

セレコキシブとワルファリンの併用による出血事故発生率を、レトロスペクティブにワルファリン単独投与時と比較した。ワルファリン療法を施行中で、2001年1月~04年4月の調査期間を通じINR>1.4の18才以上の症例をデータベースより抽出した。この中でセレコキシブ、アスピリン、アセトアミノフェンおよび他のNSAIDsを調査期間内に服用していない症例を選び、対照群とした。次いでワルファリン療法中にセレコキシブを投与した症例を選び、併用群とした。併用群は123例(男54、女69、平均61.6才)、対照群は1022例(男554、女468、平均59才)であった。併用群がワルファリンとセレコキシブに同時に曝露されていた期間は1063患者・月、対照群がワルファリンに曝露されていた期間は16520患者・月であった。入院、輸血、あるいは死亡に至った重大な出血事故は併用群で1例(1000患者・月当り0.94件)、対照群で15例(同0.9件)、全出血事故は併用群で10例(同9.4件)、対照群で116例(同7件)に発生した。対照群を1とした際の併用群の出血事故の相対リスクは、重大な出血事故で1.04、全出血事故で1.34だが、統計学的には有意差はなかった。(海外)

 

<臨床研究報告>3)【セレコキシブ、ロフェコキシブ(本邦販売なし)による上部消化管出血の増強】

ワルファリン投与中の患者に対するシクロオキシゲナーゼ(COX)非選択的NSAIDsやCOX-2阻害薬(セレコキシブ、ロフェコキシブ)の投与が上部消化管出血のリスクを高めるか否かを検討した、カナダのケースコントロール研究。2000年4月1日~2001年3月31日にオンタリオ州でワルファリンを投与された66才以上の患者98821例をデータベースより抽出した。この継続的ワルファリン使用者の内、上部消化管出血により入院した症例は361例(女性比率51.5%、観察開始時平均79.8才)であった。この症例群と年齢、性の対応する上部消化管出血のない継続的ワルファリン使用者を、症例1に対し対照4の比率で選んだ。対照群は1437例であった。症例群では上部消化管出血発症前90日以内にCOX非選択的NSAIDsに24例、セレコキシブに22例、ロフェコキシブに25例が曝露されていた。多変量解析の結果から上部消化管出血を来たしたワルファリン服用者は非出血対照に比べCOX非選択的NSAIDs、セレコキシブ、ロフェコキシブを投与されている例が各々オッズ比1.9、1.7、2.4で有意に高かった。COX-2阻害薬のワルファリン療法中患者の上部消化管出血リスクに対する影響は、COX非選択的NSAIDsと同等と示唆された。(海外)

 

<臨床研究報告>4)【相互作用なし】

健康成人24名(男19名、女5名)にて、ワルファリンとセレコキシブの相互作用を検討した。まず、被験者に7日間、ワルファリン(ラセミ体)を単独投与した。最初の2日は10mgを24時間毎に投与し、次いで1~5mgを24時間毎に5日間投与して、プロトロンビン時間がワルファリン投与前の1.2~1.7倍になるようにした。次いで被験者を12名ずつの2群に分け、維持用量のワルファリン投与下にセレコキシブ400mg/日(分2)またはプラセボを7日間投与した。ワルファリン単独投与最終日(Day0)と、併用期最終日(Day7)のS-ワルファリン、R-ワルファリンのAUC0-24、最高血漿中濃度、同到達時間は、いずれもセレコキシブ群とプラセボ群の間に有意差はなかった。また、検討期間中連日測定したプロトロンビン時間も、セレコキシブ群とプラセボ群に差はなかった。セレコキシブはワルファリンの薬物動態および薬力学に影響しないと考えられた。(海外)

 

<臨床研究報告>5)【相互作用なし】

長期ワルファリン療法施行中でINRが目標域(2.0~3.0または2.5~3.5)に安定しており、併存する変形性関節症に対する鎮痛薬投与を要する患者15例を、(1)セレコキシブ5週投与後、コデイン5週投与の8例、(2)コデイン5週投与後、セレコキシブ5週投与の7例に無作為に割り付けた。セレコキシブは200mg/日、コデインは7~15mgを3~4回/日を投与した。試験は二重盲検クロスオーバー法で、ウォッシュアウト期は設けなかった。INRは毎週測定し、ワルファリン用量はノモグラムに従って調節した。試験開始前、INR平均値は2.43であった。一般化推定方程式を用いた解析の結果、セレコキシブ併用期、コデイン併用期とも、INRの有意な変動は認められなかった。(海外)

 

<症例報告事例>6)【ワルファリンの作用増強】

安定したワルファリン療法施行中の28例にCOX-2阻害薬(セレコキシブ、ロフェコキシブ)を併用したところ、13例でINRが上昇し、内7例でCOX-2阻害薬との因果性が考えられた。

(症例1)55才男性。治療域にあったINRは、セレコキシブ100mg/日追加2週後に4.0に上昇した。

(症例4)69才男性。セレコキシブを併用するとINRが3.0~4.7に上昇した。併用を中止するとINRは治療域に復した。

(症例5)75才男性。セレコキシブ200mg/日開始3日後、腕に皮下出血斑を生じセレコキシブ併用を中止した。その後セレコキシブを再度投与したところ、INRが4.1となり、皮下出血斑と鼻出血を来たした。

(症例6)75才男性。INRはセレコキシブ投与2週後に4.6に上昇した。

(症例7)79才男性。セレコキシブ併用でワルファリンを減量した。

(症例2)(症例3)はロフェコキシブ(本邦販売なし)の症例。(海外)

 

<症例報告事例>7)【ワルファリンの作用増強】

64才女性。ワルファリン4mg/日の他、合併症に対し8剤を投与していた。変形性関節症によると思われる筋固縮と疼痛に対し、セレコキシブの投与を開始。セレコキシブ投与開始の1ヵ月前のINRは2.8、プロトロンビン時間は30秒で、それまでの19週間INRは概ね安定していた。セレコキシブ開始2週後INRは3.6、プロトロンビン時間は38.2秒となり、セレコキシブを中止した。セレコキシブ中止の7日後、INRは3.8、プロトロンビン時間は40.2秒であった。セレコキシブ中止16日後、INRは6.43、プロトロンビン時間は31秒となり、INRが2.0~3.0になるまでワルファリンを中止した。併用していたビタミンEは、ビタミンK欠乏に繋がる可能性を考慮して中止し、ビタミンKを皮下注した。ビタミンK投与の2日後、INRは3.31、プロトロンビン時間は22.1秒となった。ワルファリン再開後は3mg/日でINR、プロトロンビン時間は治療域である。(海外)

 

<症例報告事例>8)【ワルファリンの作用増強】

73才女性。ワルファリン5mg/日でINRは2.1~3.2にあり、直近は2.5であった。この52日後、息苦しさを訴え緊急入院となった。入院1週間前より起坐呼吸、努力性呼吸、喀血を来たしていた。緊急救命室でのINRは4.4、入院時のINRは5.68であった。種々の合併症を有しており、5週前よりセレコキシブ200mg/日を追加投与されていた。他の合併症治療薬には変更はなかった。胸部X線にて右上葉にマスが認められた。ワルファリンとセレコキシブを中止し、新鮮凍結血漿2単位を投与した。入院2日目と3日目にビタミンK1mgを皮下注した。INRは入院2日目2.30、3日目2.39、4日目1.82、5日目1.09、6日目1.07と低下した。セレコキシブがワルファリンの作用を増強したと考えられた。(海外)

 

<症例報告事例>9)【ワルファリンの作用増強】

88才女性。ワルファリン40mg/週でINRは2.7~3.1に維持されていた。合併症治療薬のジクロフェナクをセレコキシブ200mg/日に変更した。この時点のINRは3.1であった。INRはセレコキシブ開始5日後4.4、7日後5.8と上昇した。ワルファリンを2日休薬し、37.5mg/週に減量した。セレコキシブ開始12日後、INRは3.1となったが、その1週後には4.1へと再び上昇した。ワルファリンを32.5mg/週に減量したが、1週後のINRは3.9であり、ワルファリンを更に減量し30mg/週とした。この1週後、INRは3.0となった。セレコキシブ投与でワルファリンの必要量が25%減少した。(海外)

 

<症例報告事例>10)【ワルファリンの作用増強】

ワルファリンとセレコキシブの相互作用により出血を来たした高齢女性のCYP2C9遺伝子型を検討した。1年前のペースメーカー埋込み術後よりワルファリンを投与中で、2.5mg/日でINRは2.2~2.6であった。4週前より関節痛に対しセレコキシブ投与を開始した。セレコキシブ開始2週以内にINRは3.5となり、ワルファリンを1mg/日に減量した。次いで、斑状出血とヘモグロビン量の低下(1週間で16g/dLから8.5g/dLに低下)を来たし受診した。斑状出血は体幹、四肢の広範囲に及び、INRは10を超えていた。ワルファリンとセレコキシブを中止し、1ヵ月後には凝固能異常は完全に回復した。本症例のCYP2C9遺伝子型をPCR法で検討した。CYP2C9の*2/*3ヘテロ接合型であることが確認された。(海外)

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]

1)Schaefer MG et al.: Am. J. Health-Syst. Pharm.,    60,    1319(2003)    WF-1611

2)Chung L et al.: J. Clin. Pharm. Ther.,    30,    471(2005)    WF-2209

3)Battistella M et al.: Arch. Intern. Med.,    165,    189(2005)    WF-2567

4)Karim A et al.: J. Clin. Pharmacol.,    40,    655(2000)    WF-1565

5)Dentali F et al.: Ann. Pharmacother.,    40,    1241(2006)    WF-2339

6)Stading JA et al.: Am. J. Health-Syst. Pharm.,    58,    2076(2001)    WF-1383

7)Stoner SC et al.: J. Am. Geriatr. Soc.,    51,    728(2003)    WF-1564

8)Mersfelder TL et al.: Ann. Pharmacother.,    34,    325(2000)    WF-1567

9)Haase KK et al.: Ann. Pharmacother.,    34,    666(2000)    WF-1568

10)Malhi H et al.: Postgrad. Med. J.,    80,    107(2004)    WF-1694

【図表あり】

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