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  • No : 1624
  • 公開日時 : 2017/10/18 00:00
  • 更新日時 : 2019/05/07 17:47
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【ワーファリン】 Ⅷ‐4.[プロピオン酸系解熱鎮痛消炎剤]との相互作用ナプロキセン (ナイキサン)(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐4.[プロピオン酸系解熱鎮痛消炎剤]との相互作用ナプロキセン (ナイキサン)(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 114 解熱鎮痛消炎剤〕

 

[相互作用の内容]

本剤の作用を増強する可能性がある。【ナプロキセンの添付文書に併用注意の記載がある】

但し、コントロールされた臨床研究では否定的である。

 

[併用時の注意]

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。

ナプロキセンによる消化管出血を助長する可能性にも留意すること。

 

[相互作用の機序]

ナプロキセンの副作用である消化管潰瘍・出血による出血傾向を助長する。

ナプロキセンが本剤を血漿蛋白から遊離させる。

 

[相互作用の事例]

<臨床研究報告>1)【遊離ワルファリン分画の上昇】

健康成人男子10名にワルファリン50mgを単独またはナプロキセン750mg/日17日間投与の10日目に併用にて単回経口投与した。ワルファリンの総クリアランス、みかけの分布容積、半減期、内因性クリアランスには、ワルファリン単独投与時とナプロキセン併用時の間に有意差はなかった。血清の遊離ワルファリン分画は、ナプロキセンにより平均13%の有意な上昇を示した。プロトロンビン複合体活性の経時的変化には、ナプロキセン併用による影響は認められず、プロトロンビン複合体活性-時間曲線上面積もナプロキセンによる有意な変化は示さなかった。一方、ナプロキセンの定常状態血清中濃度は、ナプロキセン投与5~9日目の単独投与時に比し、投与11~15日目のワルファリン投与後で、わずかだが統計学的に有意な低下を示した。血清中の遊離ナプロキセン分画をin vitroで検討したところ、ワルファリンの濃度依存的で有意な低下を示した。(海外)

 

<臨床研究報告>2)【遊離ワルファリン分画の上昇】

健康成人10名にプロトロンビン時間が正常値の1.5~2倍となるようにワルファリンを26日間経口投与し、第11~20日はナプロキセン750mg/日を経口投与にて併用した。ワルファリンの維持用量が一定であったのは5名のみであり、この5名にて、相互作用の検討を行った。定常状態ワルファリン血清中濃度は、第7~11日のワルファリン単独期、第17~21日のナプロキセン併用期、第24~26日のワルファリン単独期で有意な変動はなかった。第6日と第10日のワルファリン単独期、第16日と第19日のナプロキセン併用期、第25日と第27日のワルファリン単独期に測定した定常状態血清中遊離ワルファリン濃度にも、有意な変動はなかった。第7~11日のワルファリン単独期、第12日のナプロキセン開始翌日、第12~16日のナプロキセン併用期、第26~27日のワルファリン単独期のプロトロンビン時間も、ナプロキセンの影響は受けなかった。10名で検討した血清の遊離ワルファリン分画は、ナプロキセン併用によりわずかだが統計学的に有意に増大した。(海外)

 

<基礎研究報告>3)【遊離ワルファリン分画の上昇】

経口避妊薬以外の薬剤を服用していない健康成人女子5名から得た血清に14C標識ワルファリン(ラセミ体)1.25μg/mLとナプロキセン0~400μg/mLを添加し、遊離ワルファリン分画を検討した。遊離ワルファリン分画は、ナプロキセン非添加時は0.00914であったが、ナプロキセン400μg/mLでは0.0159と74%上昇した。ナプロキセン濃度と遊離ワルファリン分画の間には、直線的な相関関係が認められた。(海外)


 

【参考文献】    [文献請求番号]

1)Slattery JT et al.: Clin. Pharmacol. Ther.,    25,    51(1979)    WF-1740

2)Jain A et al.: Clin. Pharmacol. Ther.,    25,    61(1979)    WF-1741

3)Yacobi A et al.: Res. Commun. Chem. Pathol. Pharmacol.,    15,    369(1976)    WF-1746

【図表あり】

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